触感 記録(2019)

コンビニでもらう薄っぺらくて、爪を点てると気持ち悪い。

嫌な感情を経験する前に、からからのはっぱを踏むような思いをする。

しかし、もう一度開くことができて、あとになって自分の食べた罪の名前を家計簿に磔る。

1、2、3、4、5千円分くらい買ったコンビニのご飯たちを噛み潰している時間は本当に楽しい。

誰かと食べるご飯は後から思い出すとハンバーグとナンの味しかしない。

わたしはただ楽しくなりたい。

話はごはんのついでではない。

暗くて狭い黄色いランプのところ、蚊がいない夜の公園、少人数、考えてきた話題を詰めたノートを持ち寄ってするはなししかできない。

なぜ楽しいだけのコンビニご飯にこんなにお金をかけられるかというと東京に住む19歳の少女だからです。

週5で領収書に名前を書く。仲間のレシートともそんなにかかわりたくない。

けれど、噛み殺すのは楽しいし、私を知らない誰かにだけ私を知って欲しい。

雨に濡れてじわじわ揺れたり、日に当たってゆらゆら焼け尽きたり、これはなんの影ですか。

けれども罪は消せるらしい。糊ではられた罪たちも同じように気化したがる。

レシートはタトゥーだと思う。タトゥーは悪い。象徴です。


そうやって消えたふりをしても顔の浮腫んだ少女ののどは傷んでいる。


生き物を殺したい。でも排除は悪で悪は排除されるから、私はみんなを安心して生かしておくことしかできない。


それはみんなの共通認識だと知っている。

小学生の時の夏休み、プールの集合場所の公園でみんなを待つ。

気が強くて人気者の驫麤姦。二人騒いでアイボリーの幼虫を枝でえぐり殺していたのを見ていました。

罪は消してはいけないから、憧れの女の子を消したい気持ちで絵に描き家計簿にはりつける。

200円のおかずと実家から送られてきたお米で控えめな女の子として生きて、デートの時だけ2000円を使いたい。


すぐに現状を燃やしたいけれど簡単に消えようとする何百枚とたまったプリントたちの過去を大切に思う。

悪い遺伝子を本能が残そうとしている。
私の中で排除したいものがいちばんおいしいらしい。

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