パリ引越狂騒曲
割引あり
少し遅れて、パリに夏が来た。
彼女が到着した日は、8月も半ばだったが、これまでで一番の暑さだった。それまでは涼しいどころか夜は寒く、上着を持ち歩くような日々だったが、カバンに上着を入れておくのも馬鹿馬鹿しいほどの陽気だった。
そのことを彼女に伝えると、「日本から暑さも連れてくるって言ったでしょ!」と得意気な様子だった。とにかく無事にこの日を迎えられて良かった。
今回は、パリでの引越について説明する。夏生さんが到着する直前の話がメインであるので、惚気成分は少なめである。へぇ~、パリの住宅事情ってこんな感じなんだ~!ってなるための記事なので、悪しからず。海外生活を考えている人には、役に立つこともあるかもしれない。
ご購入いただいたお金は二人の新生活の足しにさせていただきますので、何卒宜しくお願い致します。
第一楽章:新居の条件
夏生さんがこちらに到着するひと月前から、僕は家探しに奔走していた。これまで住んでいた格安シェアフラットに二人で住むことはできない。それにここはラボには近いが、パリからは少々遠い。
新居の条件は3つ。
ここから先は
6,066字
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?