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振り返られる人がいるのは、幸せなのだ。

つい最近、仕事の都合で新潟に訪れた。新潟には、学生時代の6年間住んでいたことがあるため、秋田に次ぐ第2の故郷といっても過言じゃない。

改札を抜け、万代口へ向かう。駅は現在、再開発の真っただ中だ。あちらこちらに作業員さんがおり、忙しそうに作業をしている。

僕が知っている当時の面影は、跡形もなかった。どんな風に再開発されるのかは、まだよくわからない。だけどきっと、モダンでお洒落な雰囲気に生まれ変わるんだろうな。

駅へ迎えに来てくれる友達を待っている間、カフェに入って駅前の風景をぼんやりと眺めていた。片手に鞄を持ったサラリーマンが、気忙しそうに通り過ぎる。さらに奥に目をやると、誰かとの待ち合わせのためか、寒空の下で体を小さく丸めている女性がいた。

なんとなくそうやって時間をつぶしていたら、あの子の顔が急に脳裏に浮かんだ。あの子って、学生の頃に付き合っていた彼女のことなんさ。

合コンで僕が一目惚れし、猛烈にアプローチして付き合った。短髪リュックにスニーカーといった、ボーイッシュな女の子。僕の好みのド真ん中だったよ。

付き合い始めたのは、たしか、大学4年の頃だったかな。彼女は就活で東京に頻繁に行っていた。そんで僕は院へ進学。お互いが忙しい時期だったね。

それでも、時間があるときは頻繁に会っていたし、何回か旅行にも出かけた。大阪・京都の旅行は思い出深いよ。

まあでも、若いからさ、お互い。彼女が東京に就職して1か月ほどたった頃。急に電話が来て、別れを告げられた。ただ、“連絡が遅くなる”っていう典型的な前兆があったから、僕も何となく予想はしていた。

「別れよ」
「わかった」

あっさりと別れた。ほんま、若かったな。
結局、トータルで1年いかないくらいの付き合いだったかな。もう10年前の話だから、記憶が曖昧模糊としちゃっているよ笑

その約6年後、風の噂で彼女が結婚したことを聞いた。やっぱり、少しは動揺したよね。だって、あんだけ好きだったんだもん。

でもまあしゃあない、お互いが別々の道を行く人生だったんだもんな。
こうやって、何か些細なことをきっかけに、振り返られるだけで幸せかな。

元気だったらいいさ。

「お待たせ!待ったか」
「いや、そんな待ってないで。ほな、いきましょか」

迎えに来た友達の車に乗り込み、僕は新潟駅をあとにした。


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