![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/121229932/rectangle_large_type_2_4e9738c75016c587aa0434473f1712ef.jpeg?width=800)
撮れずじまいの秋だった。
今年の秋は、駆け足で過ぎ去った。僕が仕事にかまけているうちに、いつの間にか田植えは終わり、やがて黄金色が広がる。
「なんとか時間でも作って、稲刈りの風景を撮りたいなあ」などど思いつつも、また仕事にかまける。そうこうするうちに、あちこちで稲刈りがはじまった。
田んぼを走るコンバインを横目に、「やべえ、まだ撮ってねえ。稲刈りが終わる前に写真撮らねえと」と焦る。
もみがたわわに実り、地面につきそうなくらい頭を垂れている稲穂。稲穂の上を飛び交う赤トンボの羽は、夕焼け色に透けている。
しかし、そのままずるずると、また仕事にかまける……。
結局、秋色に染まった風景を撮影できないまま、時が過ぎた。
後悔先に立たずとは、このことなんだな。
撮れずじまいの秋は、今年までにしよう。
仕事なんかにかまけていないで、来年はたっぷりと秋を撮りためるんだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?