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アイディアを具現化する:工程を知る

さて、これまで映画シナリオにおける言葉の定義を説明してきました。

"アイディアからシナリオを具現化する”

「なぜ今更?」と、お思いの人もいると思います。ともすれば初級編の一番最初に持ってくるべきなような気がしますが、それは間違いです。

初級編では具体的なシナリオのフォーマットについて学んできましたね。

この中級編ではシナリオの書き方をきちんと知ったあなたに"より面白いシナリオを書く”ためのアドバイスを行います。

その為に必要だったのが言葉の定義に始まり俳優演出 の解説だったのです。

シナリオ書きがいかに難しく、どれほどの影響を今後の工程に与えるのかをきちんと知らなければ良いシナリオを書くことは不可能なのです。

さて、御託が長くなってしまいましたが、いよいよアイディアをシナリオという形に具体化する作業について解説していきます。

まずは、アイディアを思いついてから、実際に書き上げるまでの工程について知っていきましょう。
大きく分けて6つの工程があります。

①アイディアを出し、固めていく作業
②キャラクターを設定する作業
③ログライン--この映画が何についての映画であるかを表す短い文章。
④全体を構成する作業
⑤シーンを構成する作業
⑥以上を元にシナリオを書く作業


実際の順番や方法等は監督によって様々です。

例えば『三丁目の夕日』『リーガルハイ』等で有名な脚本家である古沢良太氏は、いきなり思いついたシーンから書き始め、その間を埋めていくようにシーンの追加、修正を繰り返し書き上げるそうです。

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また、現代ヨーロッパの巨匠と呼ばれるミヒャエル・ハネケなどは、頭の中で1本の映画が完成できるまでは一切アウトプットせずに、ただひたすらリサーチとして読書をするそうです。そうして、一語一句全て書くべきことを知った上でシナリオを書き上げます。

一見、共通点の無いように見える2人のシナリオの書き方ですが、実は明確な共通点があります。それは2人ともアウトプットすることに慣れているということです。

慣れるということは、その行為を良く知り、効率良くその作業が出来るということです。
一見、まったく違う彼らの書き方は《シナリオを書く》という行為を良く知った上で①〜⑥の全ての作業を内包して自分なりにその作業を効率化したものと言えます。

おそらく、まだまだアウトプットという行為自体に慣れていないと思われる皆様には今後解説する方法を試し、繰り返し試みた上で独自の方法を見つけることをお勧めします。


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