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6年間の吹奏楽人生で興奮した曲5選

定期演奏会などの曲で迷っている中高生、是非ご覧くださいませ。


オリエント急行 フィリップ・スパーク


間違いなく、吹奏楽人生で一番わくわくして大好きだったのはこの曲。いや、これでわくわくしない人なんていない。ちなみに、Euphは働き詰めです。木管の早いパッセージにずっと食らい付いていく。そのため、Euphやその他中音域が弱いバンドにはおすすめできない。
冒頭は駅の賑わいから始まります。車掌のホイッスルが鳴り、蒸気機関車の汽笛が鳴り、スチームが聞こえ、シュッ………シュッ……シュッ、シュッ、シュッシュッシュッシュッポッポ~!と発車する。マジで。そして、どんどんスピードをあげて、軽快に走り出す。オリエント急行は、ロンドンーヴェニス間を30時間かけて走っていた蒸気機関車。1日以上。そら、いろんなことがある。電車の旅ってしたことがある人はわかると思うけれど、車窓から見える景色や、その時間によって、様々な思いが巡る。夕陽の頃にはちょっとセンチメンタルになったりして。そんなところもばっちり表現されている。そしてラストはヴェニスの駅に到着して、警笛が鳴って、この曲が終わる。豪華列車の旅をどうぞお楽しみください。


課題曲「K点を越えて」


コンサートマーチの名曲。特にEuph奏者は美味しすぎてほっぺたが落ちる。あ、そうなんです、私は元Euph吹きです。数々のコンサートマーチをやって来たけど、こんなに疾走感があって爽やかなオブリガードを他に知らない。青空をスーッと飛んでいく様子が目に浮かぶ。無駄がない展開で、この爽やかな疾走感のまま終わる。いや、ほんと無駄な展開がない。これでいい。これがいい。課題曲マーチで一番の名作なんじゃないかと思っている。

大序曲「1812年」 ピョートル・チャイコフスキー


この曲は元々オーケストラなもんだから、別にEuphが美味いわけじゃない。単純にザ・名曲。みんな大好きのだめカンタービレでも演奏されてたから、知ってる人も多いと思う。千秋センパイのラストのマーチ部分の指揮がめちゃくちゃ気持ちがいいから是非見てほしい。ラストでなだぎ武がコミカルに大砲を打ちまくる描写があるが、これはほんとに楽譜の指示。(Canon)という指示とフォルテが4つついてる。自衛隊の楽団とかがガチでやったりしてます。私たちが演奏したときは、バスドラを2つか3つで、皮が破れるんじゃないかって勢いでぶん殴った。
下の動画、10:02から大砲ぶっぱなす(音量注意)。観客の悲鳴が聞こえる。

春の猟犬 アルフレッド・リード


吹奏楽の巨匠、リードの人気曲であり名曲。春のワクワクを感じる、キャッチーでハッピーな曲なので、嫌いな人はいないと思う。冬が終わり春がやってくるのを感じて、犬が駆け回り、時にピョーンと飛んでいるような、疾走感溢れるごきげんな曲。構成はわかりやすい3部構成。前半と後半が快活な感じで、中間部はアマーイ。よくあるやつ。伝統的なやつ。
Euphは働きっぱなしだが、一番興奮するのは、後半部のB♭のロングトーン。こんなに気持ちが良いロングトーンを他に知らない。今まで私がB♭でチューニングをしてきたのはこれを吹くためだったのか、と思えるくらいの気持ちよさ。これまで死ぬ程やってきたチューニングが全て前フリに思える。是非体感してほしい。上記の動画では6:30からです。

喜歌劇『天国と地獄』序曲 ジャック・オッフェンバック


いわゆる“天国と地獄”。
有名なのは後半だけど、前半も美しくていい。クラリネットの独奏(ドソロ)がある。そこから、オーボエにパスされ、原曲ではチェロのソロに繋がるのですが、吹奏楽アレンジではテナーサックスが担当することが多い。で“Euphでもいいよ”っていうアレンジの楽譜がある。いや、これ、絶対Euphがいい。テナーでやると、どうしても『ほんとはチェロっちゃけど、吹奏楽なんでテナーでやらせてもらいますね』感が出る。でもEuphでやると、『吹奏楽オリジナルのこういう曲』って感じになって自然で良い。っていうか、チェロが担当してるやつは絶対Euphでやるべきだってどんな曲も!
ラストのマーチ部分はいわゆる「運動会の曲」で、知らない人はいない曲だけど、これ実際吹くとめちゃくちゃ気持ちが良い。なめたらいかん。一回騙されたと思ってやってみてほしい。このユニゾンより吹いてて楽しいユニゾンなんて無い。
私は高校三年生の時の定期演奏会の第一部(クラシックステージ)のラストで演奏したんだけど、このマーチ部分はあまり合奏してこなくて(なめてたかもしれん)、リハーサルでは合奏する時間すらなくて、指揮者から「これはもうぶっつけや!ラストはテンポあげるから、指揮よく見てね!」とだけ言われた。そんな状態で挑んだ本番は本当に興奮した。みんな指揮者をガン見して、想像よりも遥かにテンポがあがったラストのラスト。最後の音を吹き終えて、音の余韻が残る中ザッ!!と起立した。吹奏楽人生で初めて観客から『ブラボー!!!!』をもらった。ブラボーを浴びながらライトに照らされながら幕が降りるのってこんなに気持ちが良いのかと思った。


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