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このご時世にあえて転職して教員になった話⑥【初赴任】
教員免許取得を待ち、講師登録を行う。
ついに、それまで働いていた会社を退職した。
講師として働きながら、正規採用を目指すのだ。(収入を途切れさせてはいけない)
講師登録をすれば必ず仕事があるわけではないが、産休・育休や、病気休業など、意外にも学期途中で休みに入る教員は多い。
幸運にも直ぐに赴任先が決まり、初めての教壇へ。
病休代替として田舎の小さな小学校へ。
「ああ、自分は教師なるんだな」
37歳の再スタート。
三年生、25人の担任として、いきなり教壇に立つことに。
衝撃の事実は、なんと何の研修もなく、いきなり全授業、全行事を任されるのだ。
いくら教員免許があるとはいえ、授業の進め方の実際などほとんど知らない。
実は講師はかなり過酷な仕事なのだ。
そのことはのちに正規採用されて思い知る。正規採用されれば手厚い研修と、初任担任教諭によるサポートが受けられるからだ。
さて、いきなり三年生の全授業をやる、となっても大丈夫だ。
授業の進め方が書かれた教師用教科書がある。通称朱書きと呼ばれている。
これを見ながらやればとりあえず授業は進められる。
また、複数クラスあれば学年主任がいるので、大体のことは教えてもらえる。
初出勤と初対面
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初日。大緊張。
職員室で挨拶。
「サラリーマンからの転職」と言うワードにざわめく。
周りはみんな先生。当たり前だ。
そして自分も講師とはいえ、先生なのだ。
この独特の雰囲気、空気。
サラリーマンしか経験のない自分が全く知らない世界に踏み入れた。
そして、
25人の子どもたちと初対面。
みんなキラキラした瞳でこちらを見つめる。
自分の発言ひとことひとことに全員が注目する。
・・・・実際には教育実習で一度経験しているが、やはりこの瞬間はシビレる。
どんな先生なんだろ?
優しいかな?面白いかな?
みんな期待に胸を膨らませている。
子どもたちは先生が大好きなのだ。
自己紹介をお互いに済ませて、クラスのめあてを再確認。前担任が決めたことをトレースする。
学校の細かいルールは子どもたちに聞く。
掃除、給食、休み時間はどうやってたの?
教えて?
三年生にもなれば何でも知っている。
世話焼きな子どもたちがなんでも教えてくれる。
話を聞いて欲しくてたまらないんだな。
自信がなくても、経験がなくても、彼等にとっての先生は自分なんだ。
チョークを持つ手が震える初授業。
配り物が上手く配れない。
帰りの会で連絡漏れ・・・
色々失敗もした。
帰宅後、あまりに疲れて死んだように寝てしまったのは言うまでもない。
社会人から教員はアリか?
結論から言うとアリだ。
最初は緊張したが、ブラック企業でバキバキ営業マンとして飛び回っていた自分。
全く未経験だからこそ、社会での経験が生きる。
判断に迷う時は上司に聞く。言質を取る。
責任を全て自分で引き受けすぎない、など、嫌な思いをたくさんしてきたからこそのサバイバル術は実は教員の世界でも役に立つ。
次回からは、未経験からの職員室について書いていきたい。
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