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体重と味覚は反比例する

太っている人は食べるのが好きな人です。食べるのが好きということは美味しく感じるからたくさん食べると考えてしまいます。ところが然に非ず。美味しいと感じないからたくさん食べてしまうのです。食べることに楽しみを感じないからたくさん食べてしまうのです。

実験で肥満女性にミルクシェークを飲んでもらい、脳の活動を計測しました。6か月間続けました。さて6か月間の間に体重が増えた女性と増えなかった女性の脳の活動を比較しました(Stice E, Yokum S, Blum K, Bohon C. Weight Gain is Associated with Reduced Striatal Response to Palatable Food. Journal of Neuroscience 2010; 30: 13105–9)。

結果は?体重が増えた女性は神経伝達物質ドーパミンを分泌する脳の部分の活動が活発ではなかったことがわかりました。体重が増えなかった女性の方がドーパミンの分泌が多かったということです。

ドーパミンは快感を感じる時に分泌します。太った人は食事を楽しんでドーパミンが多く出るからたくさん食べるのではなく、ドーパミンが少ししか出ないかららたくさん食べるのです。つまり食べても美味しく感じないから、快感を得るためにもっと食べたくなるわけです。

太らない人はちょっと食べると美味しく感じてドーパミンが出るので、すぐ満足してしまうわけです。だからアメリカの最新の痩せ薬は、食事の快楽を増加する成分が入っているそうです。

食の快感を感じれば感じるほど食べなくなるというパラドックス。体重と味覚は反比例するわけです。太りたくないなら味わって食べましょう。

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