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ありのままの姿を愛するな

仲の良い夫婦にありがちな心理学をご紹介します。

相手をありのまま、そのままの姿で受け入れるのが理想だと言われています。それが真の愛だと。では仲睦まじい夫婦は本当にお互いの欠点や短所も含めて受け入れ愛しているのか?実験で確かめました(S. L. Murray and ]. G. Holmes, "The (mental) Ties that Bind: Cognitive Structures that Predict Relationship Resilience," Journal of Personality and Social Psychology 77 (1999): 1228-44)。

まず夫婦のそれぞれの友人知人にどういう人かアンケートを取りました。そして夫婦にも配偶者がどういう人かアンケートを取りました。そして友人知人のアンケートの答えと、配偶者のアンケートの答えを比べました。

何がわかったのか?友人知人の意見と配偶者の意見の間にギャップがある夫婦ほど仲が良いことがわかりました。例えば、友人知人は夫Aさんのことを「目立たなく、まあ普通の人」と答えたのに、妻は夫を「明るくて、ユニークで、面白い人」と答えるわけです。

客観的に見ればおそらく友人知人の意見の方が真実に近いのかもしれません。友人知人は冷静に客観的に評価しますから。

なぜ友人知人の意見と仲の良い配偶者の意見にギャップがあるのか?答えは、仲が良いほど夫婦は相手を理想化するからです。理想化とは現実よりも良く見ることです。友人の目には木偶の坊にしか映らない夫でも、妻の目には人類最高に見えるわけです。実際よりも盛って見ているわけです。これがです。

「蓼食う虫も好き好き」と言いますけど、愛は理想化して見ることです。冷静に客観的に夫や妻のありのままの姿が見えるのは、愛が終わりに近づいている兆候かも。

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