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幻想の音楽通信 Vol 8〈年間ベスト2〉

引き続き、形式の区分けはせずに一言ずつ挙げていきます。次をラストにしたいのですが、まとめられる気がしません。


Portico Quartet - Memory Streams

2005年にロンドンで結成されたPortico Quartet。ようやく自分の望んだ従来のスタンスに立ち戻った構成になったアルバムになってて嬉しかった一枚。初期にあったいわゆるECMスタイルの要素はこの作品では見受けられないですが代わりに台頭してきているポスト・ミニマリズムな要素を顕示した作風の一枚です。

横田進 - Cloud Hidden

横田進没後にリリースされた未発表集。録音時期が「The Boy and the Tree」辺りと重なることからも全体的にトライバルな雰囲気が端々から感じられます。

Andy Stott - It Should Be Us

「Passed Me By」や「We Stay Together」と比較すると「Passed Me By」期にリリースされた「Tell Me Anything」にはまだ純粋なミクロ・ハウスとしての特徴を確認出来るのに対してダブ・テクノの要素はこの「It Should Be Us」では鳴りを潜め、近年勃興するアウトサイダー・ハウスを主軸にした構成になっています。Andy Stottの新作にはいつも気持ちが高揚します。

Lana Del Rey - Norman Fucking Rockwell!

これまでの集大成という事が言葉としてふさわしいか分かりませんがドリーム・ポップ、トリップホップ、ネオ・サイケデリアとアルバム毎に異なった特色を盛り込んできたLana Del Rey新作は、そうした要素に加え、ピアノ・ロックだったり新しい側面もうかがえる作品でした。

Ben Böhmer - Breathing

ベルリン在住のアーティスト。Ben Böhmerの音楽を聴いて読む本。トランスを見直すきっかけになった一枚でもあり、またこのアルバムにはプライマル・スクリームのようなオルタナティブ・ダンスな要素も見受けれる作品です。

Thought Broadcast - Abduction

ニューヨークのアーティスト。深海から響くノイズ、アンビエント、そしてインダストリアル。

Sampa the Great - The Return

Ninja Tuneのリリースで一番のお気に入りです。アフロビートを随所に感じさせるヒップホップで暑かった夏、暑かった秋に聴いていたアルバム。

Fausto Mercier - FULLSCREEN

R Hunter参加から知ったFausto Mercierのアルバム。ハンガリーからフラッシュコアの最終形態を目の当たりにしているような。それとも新章フラッシュコアの誕生でしょうか。

Tyler, the Creator - Igor

間違いなく彼の作品の中で一番好きな作品だと思います、そしてキャリアとしても最高の作品。エクスペリメンタル性が一番効果的に発揮されたアルバムだと思います。

Kenmochi Hidefumi - 沸騰 沸く ~Footwork~

水曜日のカンパネラの「Yakushima Treasure」も凄い良かったし、この「沸騰 沸く ~Footwork~」も時折トライバルなフットワークサウンドで好みでした。

Loraine James - For You and I

ロンドンのエレクトロニック・アーティストであるLoraine Jamesのアルバム。Hyperdubリリースで、あるいはIDMのリリースでもかなり好みの部類でJPEGMAFIAとも違った側面からグリッチ・ホップを捉えています。Le3 Blackが参加した楽曲も良かったです。

zakè (扎克) - Orchestral Tape Studies

インディアナポリスのアンビエント/ミニマリズムアーティストによるアルバムです。ループ編成されたオーケストラのサンプルを主柱に展開するこのサウンドはザ・ケアテイカーの「空間」から弾き出された秩序のように前に進みます。

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