今聴きたいアフリカンミュージック
アフリカ音楽キュレーターのアオキシゲユキです。アフリカ音楽noteをご覧頂きましてありがとうございます。
2019年にコンゴのファッション集団「サプール」に会うためアフリカに向かいました。その旅がきっかけでアフリカ音楽にハマってしまった私は、帰国後にnoteでアフリカ音楽のキュレーションを開始しました。
現代のアフリカンミュージック(特にAfrobeats)について様々なアーティストのバイオグラフィーを調べ、その音源を聴き、そして背景についても出来る限りの情報を集めて、これまで30本近くの記事を執筆してきました。もしご興味がありましたらお読み頂けたら嬉しいです。
(ここからは2019年に私が初めて書いたアフリカ音楽記事になります。)
2019年9月にJICA横浜で開催されたTICAD7連携事業「アフリカ浴衣ランウェイ」でアフリカ音楽のBGMセレクト&DJを担当させて頂いた際に、当日参加されてた何人かの女性の方から「さっきランウェイでかけてた曲教えてください!」という問い合わせを頂き、凄く嬉しかったことを思い出します。
その時の選曲について「いつかnoteに書いておきたい」と思いながら早4か月。今日ようやく記事を書くに至りました。今回は私が選曲したアフリカ音楽のリストからダイジェスト版として「今聴きたいアフリカミュージック」をお届けしたいと思います。
Yemi Alade(ナイジェリア)
Yemi Alade(イェミ・アラデ)はナイジェリアのAbia州出身。2009年の「Peak Talent Show」に出場し優勝したことで一躍ナイジェリアで有名となりました。これまでに4枚のアルバムをリリースし、「Youtubeチャンネル登録者数100万人を最初に突破したアフリカ人女性アーティスト」でもあります。
また、アルバム「Mama Africa」リリースの際は、収益の10%を「Feed a Child」に寄付するなど社会貢献に対する意識も高く、ナイジェリア国内で絶大な人気を誇る若き女王です。
"K-I-S-S-I-N-G" - Yemi Alade
Yemiのキュートさがよく表現されている曲だと思います。
そしてもう1曲。こちらは大人っぽさとエレガンスを意識して選びました。
"Duro Timi" - Yemi Alade
(2020/12/08追記)
Yemi Aladeは今年11月20日に5枚目のスタジオアルバム「Empress」をリリースしました。各音楽配信のアルバムページのリンクを用意しましたので、気になる方はぜひこちらもチェック!
Spotify Apple Music Youtube Music
Run Town(ナイジェリア)
続いてもナイジェリアからシンガー・ソングライター・プロデューサーとして大活躍のRun Town(ラン・タウン)をご紹介。
Run Town(本名 Douglas Jack Agu)はEnugu州出身。2014年のデビュースタジオアルバム「Ghetto University」からカットされたファーストシングル「Gallardo」が、ナイジェリア・エンターテイメント・アワードの「年間ベストコラボレーション賞」を受賞。2016年の「Mad Over You」はビルボードのツイッタートップトラックチャート38位を獲得、そして2017年のガーナ・ミュージックアワードでは「最優秀アフリカ人アーティスト賞」を獲得しています。その後2018年からはEric Many Entertainmentを離れ、自身のレーベル「Soundgod Music Group」を立ち上げ活動しています。
ヒップホップやR&B、レゲエをベースにした彼の音楽で特徴的なのは、そのメロウなメロディセンス。レゲトンなどの「こっち系」があまり得意じゃない人でもきっと気に入って貰えるはず。
"For Life" - Run Town
ね、メロウだと思いませんか?
そしてもう1曲「Mad Over You」。こちらのPVを観ると女性モデルのファッションがオシャレ過ぎて、ナイジェリアの美的センスが洗練かつ尖ってることをあらためて感じます。
”Mad Over You" - Run Town
この他、ナイジェリアからはWizkid,Maleek Berry,1da Banton,Chidinma,Funbi、Nonso Amadi等々、とにかく良質なポップアーティストの曲を盛りだくさんに選曲させて頂きました。ナイジェリアは凄い!
Sona Jobarteh(ガンビア/ロンドン)
Sona Jobarteh(ソナ・ジョバルテ)は、西アフリカで70代以上も続く「グリオ」(伝統伝達者・・・楽器だけでなく歴史上の英雄譜や家系、生活教訓などを伝承すること)の子孫として生まれ、これまで男性優位に受け継がれてきたコラ演奏と歌唱を女性として初めて継承しました。生まれはロンドンですが、親や祖父などはガンビアのグリオの家系ということです。イギリスの王立大学で音楽を学び、ジャズなども含めた幅広い音楽性が感じられますね。
Wayne Snow(ナイジェリア/ベルリン)
ナイジェリア出身でベルリン在住のクリエィティブなシンガー・ソングライター、Wayne Snow(ウェイン・スノウ)。ディアンジェロやファレルに近いヴォーカルスタイルだと僕は勝手に思ってるんですが、とにかく曲のセンスがかっこいい。ソウルやジャズ・ハウス・エレクトロニックな中にアフログルーヴが感じられて、アフリカンミュージックの新しい形と言えるのではないでしょうか。
"Nothing Wrong" - Wayne Snow
Tiggs Da Author(タンザニア)
タンザニアに生まれロンドンで育ったTiggs Da Author(ティグス・ダ・オーサー)はソウルやジャズからの影響を受けたラッパーでありシンガー。
SwayとのサウンドワークやDr.Dre & Snoop Doggのリミックスに招聘されるなどしてキャリアを積み、「Georgia」や「Run」で一躍有名となりました。
JariBu Afrobeat Arkestra(日本)
そして最後は日本から!
私も個人的に大変お世話になっているソウルバンド「Q.A.S.B」のキーボーディスト石川マサさんが所属する「JariBu Afrobeat Arkestra」は、日本を代表するインストゥルメンタルアフロビートバンド。「Jalibu」とはスワヒリ語で「挑戦する」という意味で、常に進化&深化を続けながらアフロビートのネクストレベルに挑戦し続ける凄いバンドです。
Afro Begue(日本)
もうひとつ忘れちゃいけないのが「Afro Begue」。セネガル人のジェンベ・マスターのオマール率いるAfro Begue(アフロ・ベゲ)。オマールも先程のSona Jobartehと同じようにセネガルのグリオ(伝承音楽家)なんです。2018年にはフジロックへの出演も果たし、これまた僕が大好きなレーベル「Playwright」所属ということで、これからもぜひ熱く応援していきたい日本のアフロビートバンドです。
"Boula niit tognié" - AFRO BEGUE
というわけで、今回はステレオタイプなアフリカ音楽とは違った「今聴きたいアフリカ音楽」を取り上げてみました。アフリカ出身、またはアフリカをこよなく愛するアーティスト達が様々な音楽的ソースを取り込みながら、どんどんその活躍の場を広げていくことを心から楽しみにしています。
そして、さらにフレッシュな現代アフリカ音楽についてはこちら!
もしよろしければ、記事に関するご感想などもお気軽にお送りください!
最後までお読み頂きありがとうございました!
(2020/11/11追記)
メロウなAFROPOPのプレイリストをSpotifyにUPしています。最新リリースの曲から定番の曲まで、ナイジェリアを中心に今聴いて頂きたいポップなアフリカ音楽をギッシリ詰めこんでみました。皆様に気軽にアフリカンミュージックを楽しんで頂けたら嬉しいです。
MELLOW AFROPOP 001
MELLOW AFROPOP 002
MELLOW AFROPOP 003
アフリカ音楽キュレーター、そして
「Metal Butterfly」プロデューサーのアオキシゲユキでした。
金属製蝶ネクタイ「Metal Butterfly」オフィシャルサイト
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?