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Steamで収益を得るまでのプロセスをまとめた記事

先日Valve社から売り上げの振り込みまで確認ができたので、後続の人のためにSteamにゲームをリリースして収益を得るまでの、すべての過程をまとめたページを作りました。なお、当記事は随時内容を発展・充実させていく想定です。

■前提

当記事は、あくまで「すべての工程をまとめた」記事ではあり、「すべての説明をしている」ページではなく、よって既存のページをガンガン引用するスタイルです。先人の資料に感謝しましょう。

◆追記:同時期に同じような記事が書かれたので

この記事を書いている際中に似た趣旨の記事が書かれました。
同じく参考になるので、照らし合わせて読んでみてもいいと思います。
特にストア画像系は(自分の記事よりも)かなり詳しく書いてあります。

■0.予め必要なもの

◆自分の口座(あたりまえ)

なお今のところ、自分はゆうちょ銀行でやったので、当記事はゆうちょ銀行ベースで書いています。ほかの銀行に関しては情報募集中。

◆メールアドレス(同上)

gmailで問題ないです。

◆本人証明できるもの

SteamWorks開発者登録時の証明で必要になります。誰でも簡単に作れるものはマイナンバーカード。パスポートや免許証でも可ではありますが……。
ゆうちょ銀行を口座として利用する場合、後述の理由でマイナンバーカードを持っておくことを推奨します。持ってないと後々面倒なことになります。

◆Steamのアカウント

アカウントがいる、というよりは売る立場になる前に買う側を経験していたほうが無論いいと思います。買いたいソフトがない方にはPogostuckというゲームが筆者オススメです。左右と1つのボタンだけしか使わない、誰でも操作できる、とてもシンプルなアクションゲームです。


■1.開発者登録まで

基本的にはこの記事を参考にしてください。

古い記事ですが、基本的な工程は変わっていません。ただ、自分が登録した時は(2022年)、税金の登録(Tax)のフォームが全て英語になっていました。
記入項目内容は殆ど変わっていないので、ここのサイトと照らし合わせればよいと思います。

◆個人的にハマったポイント:証明

登録を送信すると間もなく、INVALID ADDRESS(無効な住所)という表題で、住所の実在を証明する残高証明書を添付しなという返信が届きました。すべての人に届くのかはわかりません。

残高証明書自体は郵便局で問題なく発行してもらえました。が、どうも添付先はこのメールアドレスではない(つまり返信してもダメ) だったので、そこで暫くハマりました。正しい送信先はfinancevalve@valvesoftware.com (valveのその手の問い合わせ全般のアドレス)でした。

この間違いについてはsteam supportに問い合わせた結果分かりました。
どちらにせよ本人証明もいるという話は聞いていたので、このタイミングで残高証明書やらマイナンバーカードやら全部写真撮ってまとめて添付してメール送ると、そのまま登録完了しました。

steam support、少なくともスルーされることはないっぽいので困ったら頼っていいと思います。(もちろんテンプレートで返せる内容はテンプレートで返してるっぽい感じでしたが)

ところで、ここの開発者登録の最終確認は、おそらくValve社が手作業で行っています(写真を確認するので当然っちゃ当然ですが)。ちゃんと人間が読むことを考えてメールを送りましょう。

結果論ですが、一番苦労したのはこの開発者登録の工程でした。
つまりここを突破できればあとはどうにかなる。

◆口座に入力する情報について(ゆうちょ銀行の場合)

口座情報はもちろん振り込みのために入力するのですが、国際送金となるため、国際送金用の銀行を経由することになります。間違っても自分が普段使いしている郵便局の住所を入れてはいけない(1敗)。 下記の画像のように入力してください。口座番号はXXXXX-XXXXXXXXの14文字で入れてください。(5ケタの記号-8ケタの番号が必要です)

(塗りつぶしている場所はあなたの情報を入れてください)

これはゆうちょ銀行の場合なので、ほかの銀行を使っている場合の情報は知りません。情報提供求ム。

■2.ストアページを作るまで

基本的には誘導が親切なので「何をすればいいかわからない」ということはないと思います。ただ入力事項はかなり多いです。疲れる(疲れた) 

多いと言っても、自分で考えるべきものは、大きくは商品説明の文章と各種画像の2種類のみです。後から変更はできるので、あまりこの時点で重く考える必要はないです(とはいえ、それでウィッシュリストに入るか判断されるので軽く考えられるものでもないですが)まあ、少なくとも「一度入力したら取り返しがつかない」ものではないです。

見出し画像系は本当に色んなサイズが要求されますが、下準備に最低限必要なのは「ロゴ」と「背景」の2つのみです。後は、それをサイズ別に準備できればひとまずは全て揃います。自分はUnity上で要求したサイズにあわせてキャプチャして揃えました。

他にわからないところがあったら、とりあえずあなたが知ってるゲームの入力を参考にするといいと思います。必要PCスペックとか。

なお、予告編動画は必須ではないようですが、反響を見込みたいなら確実に作ったほうがいいです。

一通り入力したら承認申請をします。申請から3日後、ここは自分の運が良かったのか、一発で通りました。なのでここでコケるケースはわかりません。情報求ム。(知ってる例だとスクショ画像以外の画像でゲームUIが入ってるのは不適切、みたいなのがあります)

申請が通ったら、ぜひともSNSで告知しましょう。

◆メールの入力について

ここで普段使いしているメールを公開すると、いわゆる「俺有名キュレーターあなたのゲームのキーちょうだい詐欺メール」が定期的に届きます。100%詐欺なので無視すればいいのですが(そもそも本当の有名キュレーターはそんな営業しない、するまでもなく開発者側から依頼が届くから)、もしそういうメールが届くこと自体を煩わしいと思うなら普段使ってるのと別のメールアドレスを使ってもいいらしいです。自分は別に気にしないので普段使いしているメールを使いましたが。

■3.1 アプリレビューまで


基本はこのあたりを見ながらやっていけばいいと思います。
実際にチェックマークすべて完了し、レビューをsteamに出すまでは外部からどうこうなったりはしないので色々試して大丈夫です。

■3.2 SteamWorks周りについて(Unity)

SteamWorksの実装はリリースに必須ではないです。しかし大体のゲームには実装されているのでやるに越したことはないと思います。

◆SteamWorksライブラリ導入

steamworks系のサンプルをgithubから持ってきて起動するとSpaceWar というゲームがライブラリに追加されますが、これはサンプルプロジェクトなので慌てる必要は無いです。steam_appid.txtというテキストファイルを開発しているUnityプロジェクトのトップフォルダ(AssetやらProjectSettingやらがあるフォルダ階層)に追加します。(↑のサンプルやってると自動で作られるっぽい)この中身を自分の作ったアプリIDに書き換えればOKです。(反映するにはUnityの再起動が必要です)

◆ 実績の実装

https://tsukinowa.hatenablog.jp/entry/2018/08/03/172650

steam側の実績設定はこの記事を参考に。
チェックリストの「steam実績」から該当ページに飛べます。尚、↑の記事だと実績用画像は64x64と書いてありますが、今は256x256 推奨に代わっているので注意してください。(自分はやらかした(別に64x64でもNGではない

以下、実績周りで必要なコードの抜粋です。

SteamUserStats.SetAchievement("hogehoge");
SteamUserStats.StoreStats();

実績を取得する方法です。StoreStats(); がないと即座に表示されないので注意。かの有名なサンプルSteamStatsAndAchievements のStoreStats();の位置が絶妙で気づきにくい!!

SteamUserStats.ResetAllStats(true);
SteamUserStats.RequestCurrentStats();

実績をリセットします。デバッグとして用意したほうが便利です。

基本的にはこの2つのみ! かんたん!

◆Stats

StatsとはSteamアカウントで記録できる環境変数です。ほぼUnityのPlayerPrefsみたいなものです。使い方もほぼ同じなので、PlayerPrefsと切り替えられるラッパーするクラスを作っておくと便利です。一応整数と浮動小数点数の2種類が用意されているようですが、自分は浮動小数点数の精度を信用してない ので整数のみ使いました。 

SteamUserStats.GetStat // これで取得
SteamUserStats.SetStat //これがセット この後にStoreStats(); する必要あり

なお、Steam側で環境変数を設定した際は、一度ResetAllStatsでリセットしないと反映されないようです。Steam周りの開発をしているときはとりあえず困ったらResetAllStatsをしてみるのは割とアリなようです。

あくまでStatsは環境変数レベルなので、がっつりとしたセーブデータを受け持つ用途には向いていません。その場合はSteamクラウドという機能があるようです。もちろん外部DB(ニフクラなど)を利用してもいいです。

◆Steamクラウド

statsよりより大きなサイズのがっつりセーブが出来る機能。
自分はまだ使ってないので詳細は不明です。情報求ム。

◆ランキング

Statsとの併用らしいがこれもパスしたので不明。
同じく情報求ム。

◆認証

Steamでダウンロードしたゲームはローカルのどこかに保持されるわけで、あくどい人はそれをコピーした後に返金するかもしれません。それを防ぐ措置です。具体的には「そのゲームをSteamアカウントで購入した状態でないと起動できないようにする」措置を行います。RestartAppIfNecessaryという関数を使うことで実装可能です。下記のページが詳しく取り上げています。

■3.3 レビュー申請

全て終えたらsteamにレビューを申請します。数日後、レビュー結果が返ってくるようです。ここで「問題なし」の結果が返ってきたら事実上リリース可能になったといえます。自分はここも一発突破だったので、どういうコケかたをするかはわかりません。

「リリース自体はしていいけど、こうした方がよりベストだよリスト」がメールで届きます。(レビューダメだった場合はここを直さないとだめだよ が返ってくるらしい)たぶんこれが皆無な人は(よっぽど事前準備が万端ではない限り)いないと思われます。対応できるものは対応したほうがベストでしょう。

自分が受けたものを列挙してみます。
・(キーボードやパッドを使うゲームなら)
 マウスカーソルは消した方がきれいだよ)
・Steam Overlayを起動したときにゴニョゴニョ対応したほうがいいよ
 (Steam Overlayの存在自体全く知らなかった)
・ゲームパッドのベストプラクティスが不鮮明だよ
(ゲームパッド詳しくない)
など。マウスカーソルだけは簡単に対応できるので対応しました。

■4.プレスリリース添付

必須ではないですが、メディアサイトに取り上げてもらったほうが確実にインプレッションは伸びます。利用しない手はないでしょう。プレスリリースページはNotionを使う方法が一番手軽だと思われます。

プレスリリースに関しては、詳しく掘り下げるとそれだけで1記事になる規模になってしまうため、詳細は割愛します。ていうか実際に1記事の規模になってるゲームキャストさんのnote記事があります。読もう。

添付先メディアリストも。

各メディアサイトの所感は以下(かなり主観です)

◆4Gamer

ほぼ確実に載るらしい。ただし注目作以外はプレスリリースそのまま転載で終わる。なお送るタイミングが悪くてここすら落とした開発者がいるらしい 

◆AUTOMATON

一番本命感ある。載れたらうれしいところ。
最近掲載ハードルが上がってるかもしれない?

◆電ファミニコゲーマー

個人的にはAUTOMATONに次ぐポジションの印象。載れると割とうれしい。

あとなんか「ゲームのお天気お姉さん」という新人声優がキャストを務めるゲーム配信チャンネルが割と最近始まった模様。

Cubis何故か選ばれた。(ほかの作品と比べても異質。本当に。まあうれしかったのは否定しませんが)

当のゲーキャスに関しては、基本的にはスマホアプリ専門なのでSteamゲーの場合は見込み薄いと思っていいと思います。

とはいえ、当然どんなメディアサイトでも載れば効果はあるでしょうし、送る分にはタダなのでどんどんチャレンジするがよき、か。

重要なのは、送るタイミングと掲載するタイミングです。送るタイミングはリリース1週間前くらいを見込んだほうがいいと思います。あまりに直前だと見送られる可能性が高いです(たぶん)。

ただし、一方でリリースに記事にしてもらったほうが購入にはつながりやすいです。なので1週間ほど前にだしつつ、掲載日を指定してもらうのがいいかなと思います。まあ平然とリリース前に記事にしちゃうメディアサイトもあるようだが気にするな。

■5.リリースおめでとう

さてリリースボタンを押したらリリースです!!
おめでとうございます!!

ところで一応公開日時はあらかじめ記入するのですが、自分の手でリリースボタンを押せばそのタイミングで公開となります。期日指定した場合は自動でリリースされるのかはわからん……まあ待つのは心臓に悪いので、いけるときに手動でリリースしてしまっていい気がします。

あとはSNSとかでしっかり宣伝しましょう。

■6.振り込み

振り込みは、翌月の終わりのほうに振り込まれます。つまり3月ぶんの売り上げは、4月末に振り込まれます。結構タイムラグがありますね。振り込みの旨はメールで届くのでわかりやすいです。先述しましたが、ここで口座入力を間違えていると、「振込先に問題がある」というメールが届き、来月に持ち越しになります。あくまで持ち越しになるだけで収益が失われるわけではないのでそこは安心してください。

■7.国際送金手続き(ゆうちょ銀行の場合)

……で、初めての振り込みが行われた後、
ゆうちょ銀行から通達が届きます。

「海外から送金あったから一応振り込んだけどちゃんと手続きしといてな」
「しないと来月からは振り込まないかも」

みたいな内容です。手続き用の書類も届きましたが、自分の判断で書くのは危ない気がしたので、書類ごと郵便局に持っていきました(正解でした)

ここでマイナンバーカードを持っているかでかなり難易度が変わるようです。自分はマイナンバーカードを持っていたので、郵便局で案内人に国際送金手続きしたい旨を伝えたら、特に苦労せずごにょごにょ手続きして終わりました。マイナンバーカードを持っていないと数段階苦労するようです。

■まとめ

とまあ一通りまとめてみましたが。

御覧の通り、一つ一つを分解すればものすごく難しいことはないものの、やはりそのプロセス数は多いといっていいでしょう。当記事で一通りまとめたつもりではありますが、やはり一番確実なのは、困ったときに先人に直接聞ける環境に居ることではないかと思います。私とて色々質問していました。

例によってUGDG(Unityゲーム開発者ギルド)はオススメです。

私が主催しているTeamUpコミュニティもその役割を果たせたらいいなと思っていますが、現状まだどうなるかはわかりませぬ。

そんな感じどす。
冒頭にも書いた通り、随時内容を充実させていく予定です。

あと花畑の安定した突破方法ないんでしょうか。

■定型句

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月並みな文句だけど、ちゃんと口に出して言う、だいじ。

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