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「感性を紡ぎ「都市」をつくるー Placy Urban Rhythm Workshop」アーカイヴレポート

実在しない行政区「幕張市」を題材に、豊かな文化を育む新たな自治のあり方やオンライン上の祝祭性を⾼める⽅法など、都市に必要となる基本機能のアップデートや代替案を模索するMETACITYが主催するアートプロジェクト「多層都市『幕張市』プロジェクト」。

その関連イベントとして、音楽で場所を探せる地図アプリPlacyを活用して都市に音楽を紐付けるワークショップ「感性を紡ぎ「都市」をつくるー Placy Urban Rhythm Workshop」が開催された。ゲスト講師として、株式会社Placy代表取締役の鈴木綜真を中心に、都市音楽家の田中堅大、Mixmag Japanチーフ・エディターのYuki Kawasakiが登壇。

都市と音楽の関係性や記憶装置としての都市の価値を再確認した同イベントの様子をレポートする。

本記事は「幕張市創立記念展」マガジンの連載企画の一環です。その他連載記事はこちらから
・TEXT BY / EDIT BY: Naruki Akiyoshi, Natsumi Wada, Shin Aoyama

参加者それぞれの場所の記憶

Placyは自分が訪れた場所に音楽を紐付けることができる地図アプリ。自分と近い感性を持つ人が訪れたことがある場所を検索することも可能で、ミュージシャンやDJが選んだ場所をまとめた有料コンテンツ「プレイスリスト」も公開している。

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鈴木:場所に対して持ってるイメージや、見え方は人によって全く異なると思うんですね。その見方が異なる理由は、その場所にその人が持ってる感性とか記憶が異なるところから来ていると思っていて。今日はそのことについてワークショップを通して解きほぐしていけたらと思います。

同ワークショップでは田中、Kawasaki両名のレクチャーの前に、まずPlacyを活用して参加者それぞれが思い入れのある場所に音楽を紐づけ、そこにまつわる記憶やエピソードを併せて共有した。

参加者1:私は東京の東側に住んでいて、自分がかっこいいと思う音楽が紐づくような場所があるといいなと思ったので、よく行く東日本橋・馬喰横山のホステルCITANにJazztronikの「TIGER EYES」を紐付けました。エレクトロニックミュージックとジャズが混ざったようなJazztronikの音楽が、新旧のカルチャーが融合している東日本橋の雰囲気にマッチするなと。

参加者2:私は岡山の音楽高校出身で、友達とよく映画「マンマ・ミーア!」の曲を演奏したりして遊んでいたので、当時よく遊びに行っていたゲストハウスとりいくぐるにABBAの「Dancing Queen」を紐づけました。

参加者3:私は表参道のGYRE.FOOD.に、「Merry Christmas, Mr.Lawrence」を紐付けました。GYRE.FOOD.の落ち着いた雰囲気の中にこの曲が流れてたらすごいいいなと思って。

参加者4:私が選んだ場所は原宿と北参道の間にあるカレー屋「MOKUBAZA」です。一時期そこでバイトをしていて、ジャズ好きの店長からよくCDを借りていたので、その中でも特に印象に残っているHerbie Hancockの「処女航海」を結びつけました。

参加者5:私はサカナクションの「表参道26時」を選びました。関西出身でどうしても表参道でこの曲を聴きたいとずっと思っていて(笑)。一時期表参道に住んでいた時によく行っていたハブモアカレーが印象的だったのでそこと紐づけました。

参加者6:宗像に住んでる人も福岡に住んだままでずっと活動を続ける方多いじゃないですか。福岡っていうわけでもなく、宗像っていうところなので、福岡にも住んでるっぽいですけど、その福岡の中でもちょっとやっぱりなんか市によって全然その場所性というか違うよなと。

参加者7:私はこの間まで住んでいた吉祥寺通りの辺りにSuperflyの曲を紐づけました。出勤途中ずっとSuperflyを流していたので、当時の日常が思い起こされるなと。

参加者8:現在、熊本県宇城市に住んでいるのですが、商店街の中に今度オープンするゲストハウスにZAZEN BOYS「ポテトサラダ」を付けたいなと思いました。お酒を飲みながらポテトサラダを食べたいって曲なんですけど、そのゲストハウスの雰囲気を見てこの曲を思い出したので。

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レクチャー1:都市と音楽をめぐる理論と実践の歴史

参加者からの発表を終え、田中より感性と都市論の視点から都市と音楽の関係性や関連事例に関するレクチャーが行われた。

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田中:鈴木さんはPlacyを説明する際、よく「都市にはリズムがある」と言っていますが、この都市とリズムという観点はこれまでも社会学者や都市研究者らによって語られてきました。このレクチャーでは、建築家や都市計画家による実践や理論を一部紹介していければと思います。

そもそも都市のリズムについて最初に言及した人に、アンリ・ルフェーヴルというフランスの社会学者・哲学者がいます。彼は、都市のリズムは、大地や川などの地球上にそもそも存在していた第一の自然、その上に構築された建築や都市などの第二の自然、さらにその中で行われる人間の活動の3つのレイヤーに分かれており、それらが複雑に絡み合いながら成り立っていると語っていました。

その思想を引き継ぎつつ、都市を音から分析しようと考えたのが、カナダの作曲家レーモンド・マリー・シェーファーです。彼は都市の音を風景として捉える「サウンドスケープ」という概念として提唱し、川の音や工場から聞こえる作業音、人間が発する声など全てを包括して一つの生態系として理解しようとしていました。Placyの実践もこのサウンドスケープに連なる実践ものであると言えるかもしれません。

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最近ではサンフランシスコで活動しているシェーファーの思想を引き継いだ音の研究者たちから、新型コロナウイルスの流行以降、人間が都市空間の中で活動しなくなったため鳥の鳴き声の音質が変わったという研究結果が発表されました。人間が発する生活音の減少により、高音でなくとも遠くに鳴き声が届くため、その音程が下がってきているそうです。人間の活動が都市や自然に影響を与えていることを示す興味深い事例だと言えるでしょう。

都市の音を分析する手法として、音環境を録音するフィールドレコーディングという分野があります。僕はよく鈴木さんと共同で渋谷などでフィールドレコーディングをして音楽をつくっているのですが、街ごとにその特徴は大きく異なるんですね。

渋谷のような混沌とした音環境を持つ街もあれば、地方の山村のような簡素でありながら自然のリズムが組み込まれた音環境を持つ場所もあります。その場所が持っている質感や音的な特徴について思いを馳せてみることも、今回のワークショップを通して参加者の方にはやってみてほしいなと思っています。

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最近では関連して、ソニックアーバニズムという研究分野がロンドンで立ち上がりつつあります。海外では関連書籍も出版されているのですが、その中では我々を取り巻くサウンドスケープは社会の鏡であり、音環境をきくことで言語を介さずにその場所でどのように振舞っているのか、その街が何を物語っているのかを理解しやすくなると書かれています。

例えばデトロイトテクノは、デトロイトという都市の背景にある抑圧された労働環境や工場から発せられる重機の機動音などが隠れています。なので、特定の地域の生活様式と音楽ムーブメントの関係性を詳しく考えていけば、音楽から都市を見ることも、都市から音楽を見ることもできると考えています。

これまでも、都市に音楽で介入するアーバン・サウンド・アートに取り組んできた作家はたくさんいました。例えば、マックス・ニューハウスの「タイムズ・スクウェア」。彼はニューヨークのタイムズ・スクウェア駅に、巨大なスピーカーを都市の中に置いて微弱なドローンを流し続けるという作品をインストールしていました。

また都市によって、音楽パフォーマンスや生活音は何デシベル以内など制限が設定されていますが、音の文脈によっては音量の大小よりも定性的な評価が必要なのではないかという議論もヨーロッパでは盛んです。

アーバン・サウンド・アートを実践するにあたって、様々なホルダーに納得してもらう必要があります。日本の場合は道路交通法などの制約で難しい部分はありますが、サウンドアーティストや音楽家が自治体や行政と組んで、街の音環境を改善し価値を提示していくと、シェーファーが理想としてた世界に近づくんじゃないでしょうか。

今回のワークショップを通して、その街がどのようなリズムを持っているのか、どのような街でどのような人が生活しているのかまで広げて考えられるようになると、より豊かな角度から都市と音楽について考えられると思います。

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レクチャー2:ローカルに回帰する音楽の潮流 「Back To The Local」

続けて、Kawasakiから場所と音楽にまつわる昨今の傾向と各国の事例に関するレクチャーが行われた。

Kawasaki:僕からは「Back To The Local」と銘うって、昨今のポップミュージックからアンダーグラウンド問わず起きているムーブメントについてお話していこうと思います。近年、メインストリームという言葉が陳腐化しており、ローカリズムなくしてアーティストは成り立たないのではないかと思われる現象が各地で現れ始めています。

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その傾向を世界最大規模のフェスティバル「Coachella Valley Music and Arts Festival」のヘッドライナーのラインアップの比較を通して見ていきましょう。まず、いまから15年前の2006年のラインアップを見てみると、そのほとんどが欧米のアーティストです。

片や2020年のラインナップを見ると、その人種構成が本当にバラバラなんです。そもそもの規模の変化を置くとしても、準ヘッドライナーにはなんとBig Bangが載っています。2019年ではこの枠にBLACKPINKがいました。ほかにも南アフリカのアーティストBlack Coffeeや、韓国のアーティストYaejiなど。ローカリズムを隠さず、むしろローカリズムに徹するアーティストの活躍が目覚ましいのが今の時代なんですね。

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これは2006年の頃には考えられなかったことだと思います。当時はアメリカで売れたかったら英語で歌えと言われてしまう時代でしたが、現在はグローバルな市場でむしろ母国語で歌うことがが要求されています。例えば、BABYMETALはBring Me the Horizonにフィーチャーされた曲を一部日本語で歌っています。このような価値観の転換がこの15年間に起きた最大の変化ですね。

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では、各国のアンダーグラウンドではどのようなことが起きているのか。その具体事例をいくつか紹介します。

まずはエクアドル。エクアドルはカトリック教の影響力が非常に大きい国です。その宗教・政治観に対して懐疑的な立場をとっているのがエクアドルのユースカルチャーの特徴です。

そのユースカルチャーを牽引するのが、首都キトで活動するニコラクルーズ(Nicola Cruz)とフィーデル・エルフーリ(Fidel Eljuri)という2人のキープレイヤーです。彼らの音楽は単なるラテンアメリカ的な音ではなく、欧米にも訴求し得るような電子音楽を媒介としたどこか呪術的なギトギトした音が特徴です。彼らはLa Sagrariaというパーティーを開いて地元のローカリズムを前面に活動していますが、現在では彼らに引っ張られるように、アルゼンチンのZZKやMulti-Culti、Wonderwheel Recordingsなど国境を越えた他国のレーベルにまで波及しムーブメントをつくっています。南アメリカでは、エクアドルが重要なローカルカルチャーの拠点のひとつとして発展しています。

続いて北アイルランド。歴史的に、北アイルランドはカトリック系とプロテスタント系の内部紛争で多くの死者を出している地域でもあります。ベルファスト合意など、形式上の解決は見られましたが、水面下での小競り合いが90年代頃はまだ多くありました。その水面下のいざこざを長年、時間をかけて解消しているのが、他でもなくダンスミュージックだったんです。

ナイトクラブThompsons Garageで行われていたShineというパーティーがあるのですが、そこでは一つ屋根の下にプロテスタントとカトリックそれぞれのルーツを持つ人が集まって音楽を楽しんでいました。そこで少しづつ相互理解が培われていったというのが、90年代から2000年代の北アイルランドのカルチャーでした。

そこから登場したのが2人組アーティストのBicepです。彼らは現在世界のダンスミュージックシーントップに君臨していると言えるでしょう。彼らはもともとブロガーとして2008年頃から活動を開始していますが、現在では彼らに続くようにPlain Sailingなどの若手が台頭しています。

Plain Sailingはもともとロンドンとベルリンで音楽的なキャリアを重ねる予定でしたが、友達に他の人と違うことをやっているのだからこのまま地元に残って続けた方がいいのではないかと言われて、北アイルランドで活動を続けることにしたとMixmagのインタビューで語っています。ベルファストで行われている「AVA」というフェスティバルも界隈では今一番アツいと言われていますが、北アイルランドではそのような歴史的な背景をもとにシーンが活性化しています。

ほかにもジョージアやウクライナなど、いまローカルで頑張ろうとしている人がたくさん現れています。EDMが盛り上がっていた2010年代頃は、まだアメリカを目指していたと思うのですが、それが変わりつつあるような印象があります。

気になるのは日本の行方ですよね。このグローバルポップの中で、一体日本はどこへ向かうのか。「Coachella Valley Music and Arts Festival」に戻ると、2020年のラインアップに並んでいるのは初音ミクときゃりーぱみゅぱみゅです。僕は2組とも好きですが、こう見ると、世界が日本に対してどのような態度を求めてるのかが伝わるかと思います。過去PerfumeやXJAPANも出演していますが、個人的な願望を言うと、サカナクションやyahyel 、Dos Monosにも出ていってほしい。メディア側の努力不足も否めませんが、この課題を解消する糸口は見えていません。

その課題を考える際、ポーター・ロビンソン(Porter Robinson)主催のバーチャルフェスティバル「Secret Sky Festival」が示唆的です。個人的な見解ではコロナ禍において行われたバーチャルフェスティバルの中では「Secret Sky Festival」がベストでしたが、日本からは長谷川白紙やkzが出演しています。ここからわかる通り、現在はわざわざグローバルに合わせずとも、グローバル側からローカルの音楽が求められている時代なんです。

音楽以外の領域でも、Netflixの中で日本のアニメが視聴数上位に食い込んでいるように、オタクカルチャーは世界的に人気です。日本のポップカルチャーの行く末を考えるためにも、海外で起きていることと日本のカルチャーが置かれる現状を知らなければならない。レーベルやメディアはマーケット的な視点からこの潮流をどのように乗り越えていくべきか、楽しんでいくべきか考える必要があると思います。

レクチャーを踏まえて紐づけられた場所と音楽

それぞれのレクチャーを受けて、再度参加者それぞれが思い入れのある場所に音楽を紐づけて、そこにまつわる記憶やエピソードを併せて共有した。

参加者1:蔵前にRiverside Cafe Cielo y Rioという倉庫を改築した素敵な場所があって、ここにPacific Brodersというコロンビアのグループの「La Noche Pinta Buena」を紐づけてみました。この曲はキューバ人のGente de Zonaとコロンビア人のCarlos Vivesによる新旧のラテン音楽を混ぜたような曲調が特徴です。蔵前は東京のブルックリンと言われているのですが、ブルックリン自体はヒスパニックの方も多く住んでいる地域で、そのスペイン語が聞こえてくるブルックリンの雰囲気や蔵前が持つ新旧混じった場所のイメージがあいまってこの曲を連想しました。

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参加者2:私は代官山のCafe Habana TOKYOにキューバ出身のCelia Cruzの曲を紐づけたいです。昔からキューバに憧れていて、上京したての頃はここでキューバのカルチャーに触れていたので。

参加者3:渋谷にある改良湯という銭湯に行った時、20代の娘から80代のおばあちゃんまでいる二極化した客層を見てなんとなく海や波を連想したので、ここにCorneliusの「STAR FRUITS SURF RIDER」を紐づけたいと思いました。ゆるい雰囲気があうかなと。

参加者4:私は、三善晃「波のアラベスク」を唐招提寺の隣にある開山御廟に紐づけました。「波のアラベスク」の一音一音を拾っていくたびに覚えるどこかゾっとする感覚、ドキドキする感じが、一度しか行ったことないのですが開山御廟に歩いた時の感覚とすごい近かったので。

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参加者5:私は京都にある祇園きなな本店に東京事変「電波通信」を紐づけたいです。鳥の鳴き声の話や地域の話を聞いて、この曲を思い出しました。いわゆるインスタ映えするお店なのですが、祇園きなな本店がある花見小路通りは電柱が地下に埋められていて、その風景と女の子たちが電波を使って発信している様子のギャップや違和感がこの曲にリンクするのかなと。

参加者6:特定の場所に特定のアーティスト・曲という観点からお二人の話を踏まえて、日比谷公園大音楽堂にRCサクセションの「雨あがりの夜空に」を紐づけたいと思います。その場所で起きたことや歴史、文脈を踏まえると実感が持てるかなと。

参加者7:僕は岐阜県の柳瀬商店街に美川憲一の「柳瀬ブルース」を置きました。父方の実家が柳瀬にあり幼少期よく訪れていたのですが、街のわい雑な音や流しの音楽家が歌を歌っている様子などを当時よく見ていて。先ほどのレクチャーを聞いて、都市には風景や音、カルチャーが複層的に存在していることを実感として思い出したのが、この場所とこの音楽でした。

参加者8:僕はCorruptedの「月光の大地」を徳島県美馬市にあるゲストハウスに繋げようと思います。Corruptedは激しめのハードコアバンドで、「月光の大地」という曲は前半アコースティックがずっと重苦しく流れて、途中からめちゃくちゃ激しくなるんですね。ゲストハウス自体はすごいいい雰囲気で地域創成にも関わっている素晴らしいところなのですが、オーナーはもともとバンドマンでそれこそCorruptedのような激しいバンドをしていたそうで、オーナーの過去と現在のゲストハウスのギャップが面白くてこの曲を置きたいなと。

レクチャーを経ることで、参加者の都市の見え方に変化が生まれていた。新たに思い起こされた音楽にも各自の受け取り方の違いが垣間みえている。最後に、鈴木らのコメントでこのワークショップは締められた。

Kawasaki:もし次回もあるのであれば、同じ場所を対象にして実施できたらいいですね。同じ場所でも思い浮かべる音楽はおそらく人によって異なります。その思い思いの場所と音楽を共有していただいたら面白そうですね。あと鈴木さん含め、今回は聞いている立場だったので、自分たちが紐づけた場所と音楽も発表できればと思いました。

田中:都市に音楽を紐付けるという行為は、あまり浸透していなくとも感覚としては覚えのあることだったかと思います。それぞれ都市への認識が異なりますし、個人の都市への認識を今回のように集めることも価値があるなと再確認しました。そのプラットフォームとしてPlacyがあり、それらの集積が都市に影響を与えるようになれば面白いですね。

鈴木:今は場所に音楽を紐づけて理解して記述していくということを中心に進めていきながら、将来的にはこの行為を通して、場所自体、都市自体が変わっていけば面白いと思っています。その場所に紐づいた音楽や誰かがその場所で選んだ音楽に基づいて、都市の音風景が変わるようなことになればもっと面白い。それを多くの人に認知してもらうために、今後も活動していけたらと思います。

同ワークショップを通して、都市のあり方を音楽を介して考える方法論が示された。主体的に都市と関わるために、まずは音楽をはじめとするあらゆる作品を通して見てみることが大切なのかもしれない。

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ゲスト講師プロフィール

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鈴木 綜真 |SOMA SUZUKI (株式会社Placy 代表取締役
京都大学工学部物理工学科を卒業後、MIT Media LabのDIgital Currency Initiative/Open Music Initiativeにて音楽の著作権を管理するプラットフォームの開発に参加。その後、ロンドン大学UCL Bartlett School修士課程で都市解析を学ぶ。音楽やイマジナビリティの観点から街のパーセプションを解析し、都市における感覚的知覚に価値をもたらすことをテーマに研究を行なう。2018年9月に日本へ帰国。音楽で場所を探せる地図サーヴィスを開発するPlacyを創業。Wired Japan - 『Cultyvatying the CityOS』連載。

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田中 堅大|KENTA TANAKA(都市音楽家)
1993年、東京都生まれ。ギタリスト/都市音楽家(Urban Composer)。都市論を音楽/サウンドアート制作に応用することで、都市を主題に音を紡ぐ「都市作曲(Urban Composition)」の確立を模索している。European Postgraduate in Arts in Soundにて、ベルギー・オランダ・フランスを巡りサウンドアートを研究したのち、個展として、都市の記憶を回想するサウンドインスタレーション「Urban Reminiscence——Sound, Object, and Rhythm」Sta.・東京(2020)を開催。主な展示作品に「Algorithmic Urban Composition」スタンフォード大学コンピューター音楽音響技術研究施設聴取室(2019)など。音楽を取り巻く環境への批評zine『jingle』の出版、蓮沼執太フルフィルへの参加、ファッション/ダンス/映像作品への音楽提供など、音楽を中心として多岐に渡る活動を展開。

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Yuki Kawasaki (Mixmag Japan チーフ・エディター)
オルタナティブな日本のクラブシーンを世の中に広めるため、日夜奔走中。本誌のほか、様々な音楽メディアに寄稿している。映画館にも頻繁に現れ、どこかの大学で稀に講義を行う。

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