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渡邉美穂『#マンホール』インタビュー③/シネマ・アディクト20230219

映画『#マンホール』の熊切和嘉監督へのインタビュー、全4回の第3回です

前回・前々回の記事はこちらからどうぞ!



これまでの作風とは違うジャンル映画

美穂:この今回のジャンルの映画っていうのが今までの作風からして結構なかなか珍しいなという風な!印象を受けたんですけども。

熊切:やっぱり最初にプロットを読ませてもらった時に(笑)、とまどいもありましたし……

美穂:ああー!

すごく足かせの多い内容だったので、でも逆にそれがなんか、燃えるものがありましたね、その中でどう面白く見せていくかっていうのは、すごく腕が問われていると言いますか……

美穂:ああー!(笑)

美穂:目の前の壁が高いほうが燃えるタイプですか?

熊切:まあ、そうかもしれないですね(笑)

美穂:ああーー!私もです!(爆笑)

熊切:ああ、そうですか(笑)

美穂:あははははは!(笑)


参考にした作品

美穂:他の作品を結構参考にしたりとかってのってやっぱりあったんですかね?

熊切:まあ、同じワンシチュエーション物だと『ギルティ』っていう、あの、デンマークの作品が、110番のオペレーターみたいな人が主人公で、その電話のやり取りだけで、映画を引っ張っていく、その音で想像させるといいますか……

美穂:わーーー!(笑)

熊切:それは非常に、なんというか参考になったし。

美穂:確かに!(左手で電話ポーズ)


監督のこだわり

美穂:撮影される中でこだわったところとか、まあ多分どこかしらすごく大事にしてる自分の撮影するにあたって「これは!譲れない!」みたいなのっとかってあったりしますか?

熊切:同じシチュエーションで、しかも足を怪我しているって設定で、あまり動けない中で、なんとなく撮ると本当に画替(えが)わりしないんで、こう単調になってしまうと思うんですね。だからそこでこう、どう言う風に映像を組み立てていくかっていうのは、すごく、こう、いつもより考えて撮っていましたし、ジャンル映画ではあるけど、やっぱ芝居はしっかりと撮ろうというのは……

美穂:ああー

熊切:ありましたね。はい。人間をちゃんと撮ろうっていうな、思ってやってました。


Youtubeコメントでの視聴者の反応

美穂:私、予告の動画、Youtubeで見てて、


熊切:はい

美穂:コメント欄をいろいろ見てたんですけど、みなさん世間の方どういう感想を抱くんだろうって、みんな「え!なんで?携帯持ってるなら電話しなよ」とか

熊切:ああー

美穂:「警察に通報すれば良いじゃん」とか

熊切:うーん

美穂:(少し間を置き、手を振りながら)そういう事なんだよ(笑)ってすごくなって、

熊切:(うなずきながら微笑む)

美穂:そこも含めて、すごい、いや、「電話できない状態にあるんだよ彼は。なんでだと思う?」ってのがすごく私は面白いなって思いましたね。

熊切:うんうん(何度もうなずく)

でも、ああいう、シチュエーション、ワンシチュエーション物ってなんか、もし自分が主人公の立場だったらどうしよう?みたいな、こう(自分と)重ねて置き換えることができるきゃないですか?見てて

熊切:うんうん


監督がマンホールに落ちたら?

美穂:(少し間をおいて)監督がもしマンホール落ちたらどうしますか?(笑)

熊切:(メガネに手をやり)僕が落ちたら……、どうしますかねえ?(腕組みして考え込む)まあ、ちょっと、多分、諦めて一回寝ると思います(笑)

美穂:あははは!(爆笑)

熊切:(笑)寝て起きてから、

美穂:寝るんですね(笑)

熊切:ちょっと夢じゃないかと思って(笑)


渡邉美穂から見どころ

美穂:第三者の視点で自分も観てるかと思いきや、気づいたら自分がその立場になっているくらいの臨場感。是非これ見て、もし自分がマンホールに落ちてしまったらっていう、その、気持っていうところを感じながら見たら、より一層楽しめるかなと思います!

感想

映画を観てきた

実は、今回のインタビューがきっかけで、この映画を観てきました。

まさにネタバレ厳禁の展開に大満足でした。

また別記事で感想書きますね。

「目の前の壁が高いほうが燃えるタイプですか?」

さて、今回一番印象的だった質問は「目の前の壁が高いほうが燃えるタイプですか?」でした。

「私もです!」と意気投合する様子は監督と女優という立場の違いはあれど、負けず嫌いな努力家というお二人の為人(ひととなり)が伺えて嬉しかったです。

「携帯持ってるなら電話しなよ」


また、「携帯持ってるなら電話しなよ」というくだりでは、監督のしてやったりというような表情が印象的でした。

それは私も非常に気になっていました。こういう映画って外部との連絡が遮断されている極限状況というのがお約束ですから、スマホ持ってたらいろいろ捗って映画にならないんじゃない?と。

まあ、実際映画見たら、スマホを持ってるからこそ余計に悩ましいという現代社会を反映したジレンマが描かれていてリアルでしたね。

「多分、諦めて一回寝ると思います」

「(自分がマンホールに落ちたら)多分、諦めて一回寝ると思います」というのもお茶目です。

子供心を忘れていない優しそうな監督ですよね。

私ならパニックになって電話かけまくった結果、スマホの電源が切れて諦めそう(汗)

次回に続く?

次回はいよいよ、『#マンホール』のインタビュー最終回?

と思っていたのですが、次回2月27日は今回の再放送のようです。

美穂さんからの見どころが締め感あったので、もしかしたら今回で終わりなのかも知れませんね(汗)

最後までお読みいただきありがとうございました。

(終)

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