探偵になるまでの2,3のこと ⑨
あまりに唐突だったせいで、背筋がびくっと震えた。ぼくも母さんも、思わず顔を見合わせた。
警察や勤務先の病院からであれば、母さんのスマートフォンにかけてくるだろう。ほとんど固定電話は使っていない。すぐ留守番電話に切り替わるように設定されている。
それでもスマートフォンを与えられていないぼくにとって、この白い固定電話は重要な連絡アイテムだ。以前は友だちとよくおしゃべりしたものだ。でもいまは、友だちがぼくに電話してくるとは思えない。
「きっとリフォームとかの電話だよ。もしくは