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「落花流水」歌詞・制作背景解説 #6

はじめまして!Messengerと申します!
#6は2024/3/16に投稿した「落花流水(らっか-りゅうすい)」です!

「落花流水/全文歌詞(太字:韻踏み箇所)」

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散った花は流れて行って
私の前からやがて消え
気づけば手は 重ねていて
なのに またねて言って

横断歩道の真ん中で立ち止まって
秒針ように巡る四季ばかりを待って

のね
花と言えば何を思う?
歌を歌って針を戻す
大丈夫だよ 大丈夫
私の花よ 何を思う?

酷く魅力的な花びらを
千切って 咲く場所を探したの
陽に逃げるように瞼を閉じて
床に一枚の桜落として

「こうなったのは 僕のせい」と
責任逃れの欲としても
再びまた咲き誇るんでしょう
そう春を呼ぶんでしょう

思い出になるのなら これから見る
全ての景色は暗く なってしまうのかな

もね
好きもあれば嫌いもあった
体の熱も次第と冷めた
これ未来のためだって
それが間違いの種子(たね)だった

花言葉に惹かれるように
誘惑に導かれる時
私の知る春の歌は
どれも悲しいばかりだった

凛々しい高嶺の花みたいなこの恋は実らない
逆様に咲く 水溜まりの花に愛想笑い

誰を想って咲き誇る
いつになれば春は舞い戻る
大丈夫だよ 大丈夫
今 歌を歌って針を戻す
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<歌詞・制作背景解説>

「落花流水」
・落ちた花が水に従って流れる意で、ゆく春の景色。
 転じて、ものの衰えゆくことのたとえ。時がむなしく過ぎ去るたとえ
・男女の気持ちが互いに通じ合い、相思相愛の状態にあること。

ツイートのイメージ画像の話をしましょう。
・二人の姉妹が出てくる小説。
・一人は、寝たきりの状態で、お姉ちゃんが看病をしている。
・庭には(葉)桜が咲いている。
という小説の要素を取り入れたのを、イメージ画像にしました。
その小説というのは、太宰  治さんが著した「葉桜と魔笛」という
今から約85年前の短編小説です。私はこれを当時、教科書で読みました。
青空文庫で読むことができます。↓

<歌詞解説1>


散った花は流れて行って
私の前からやがて消え
気づけば手は 重ねていて
なのに またねて言って

前回の「リンネ」と同様に、別れの描写から入っています。
歌詞全体には「花」というキーワードが出てきます。
この花というのは基本的には、桜を指しています。
noteを書いているときに思い出したのですが、
島本 理生さんが著した「ナラタージュ」という小説。
川沿いを歩いていく情景から始まるのですが、その冒頭に
なんとなく似ているような気がします。

<歌詞解説2>


横断歩道の真ん中で立ち止まって
秒針のように巡る四季ばかりを待って

「横断歩道の真ん中で立ち止まって」のフレーズは
アルバイトから家に帰る時に、思いついたものです!
当時は夜だったんで、車の通りが少なく、フレーズのように
立ち止まってみたら、「誰か私を轢いて、殺してくれるかな」
みたいな希死念慮の感情を思い付いたから、なんか、オブラートに包んだ
表現の歌詞を使えるかなと思った次第です。

<歌詞解説3>


あのね
花と言えば何を思う?
歌を歌って針を戻す
「大丈夫だよ 大丈夫」
私の花よ 何を思う?

この部分のフレーズの「花」は桜というよりかは
「愛しているもの」みたいなニュアンスです。
「花みたいに愛しているものは何?」と
あなたに聞いているんですね。
まぁ私の愛しているものはあなたなんですけどね。
大丈夫だよと諭してくれた昔のことを
当時の歌を歌って思い出すのでした。

<歌詞解説4>

...
酷く魅力的な花びらを
千切って 咲く場所を探したの
陽に逃げるように瞼を閉じて
床に一枚の桜落として
...

「酷く魅力的な花びらを千切って 咲く場所を探したの」という所のフレーズは「葉桜と魔笛」から着想を得ています。本の中では、

語り手である姉が、病弱である寝たきり状態の
妹のタンスの中から、男性との仲睦まじい文通が
あるのを見つけ、ついつい最後まで見てしまいます。
すると、その男性は妹の病気を知るや否や、
捨てようとしていたのでした。それを知った姉は
その文通の全てを焼いてしまったのです,,,

というような描写があったのですが、
自分さえ黙っていれば、妹は綺麗な少女なままで
死んでいけるという辛い気持ちや心配の気持ちの
他にも、嫉妬の感情もあったと私は思います。
だって、姉は妹の看病をしなければならず、
描写の頃は20歳ですが、結婚をしたのも当時では
遅いとされていた24歳だったんです。
結婚するには妹がいわばネックでした。
しかし妹はどうでしょうか?
寝たきり状態であるにも関わらず、恋愛しちゃって
んじゃないですか。だから焼いてしまったのか...?

という自らの考察を踏まえ、
仲睦まじい文通を千切ってでも、
どうにかして私の居場所を探したって感じです!

「陽に逃げるように瞼を閉じて」というフレーズは
春ってどんな季節やったっけ...?と思って、
そういや春休みに学校行った日って、帰ったらいつも
眠くなってたな(多分花粉かな?)っていうのを思い出して
入れこみました!

「床に一枚の桜落として」のフレーズの中の
桜は言わずもがな涙です!
こういう系の比喩みたいなんは他にもあるので
チェックしてください!
(例:頬に花弁 「Embrace」より引用)

<歌詞解説5>

...
「こうなったのは 僕のせい」と
責任逃れの欲としても
再びまた咲き誇るんでしょう
そう春を呼ぶんでしょう
...

「全部僕が悪い」っていう人いるじゃないですか。
あれって結局「僕は悪くない」って思ってるでしょ。
そういう責任逃れの言葉を言葉通り受け取っても、
なんか「恋愛に失敗した人」って同じ轍を踏まんから
安心みたいに思わせて、旧態依然みたいなんありますよね。
そんな感じです!歌詞に「春」を入れたのは、当時back numberさんの
「冬と春」を聞いていたからだと思います!

<歌詞解説6>

...
思い出になるのなら これから見る
全ての景色は暗く なってしまうのかな
...

このフレーズはアルバムの事ですね!
皆さん、卒業アルバムとか見てます?
まぁ滅多に見ないですよね~
てことは思い出の写真の視界って開くまで暗いじゃないですか。
なんで、まぁ未練みたいなんを表現したフレーズです!

<歌詞解説7>


でもね
好きもあれば嫌いもあった
体の熱も次第と冷めた
これも未来のためだって
それが間違いの種子(たね)だった

花言葉に惹かれるように
誘惑に導かれる時
私の知る春の歌は
どれも悲しいばかりだった

ここのフレーズは直感で分かるようなところですね!
個人的には「嫌いもあった」「次第と冷めた」「未来のためだ」
「違いの種子だ」で4連続で韻踏めたのが良かったですね~😊
「種子(たね)」っていう漢字をあてたのも良かったと思っています👌

<さいごに>

ここまで見ていただきありがとうございました!
ほかの作品も見ていただけたら幸いです!
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