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原体験と再会したら創作力が爆発した話。


2023年3月は、自分の限界の壁を越えた感覚があったので、それの記録。

今までの自分の前提について

今までの、10年間ほどの私の社会人クリエイター人生は、会社でのデザイナーの仕事と、趣味のファンアートが主だった。
※ファンアート:感動したゲームや映画などのキャラクターや世界観を描くこと。

デザイナー仕事では望まれる作風があれば観察し、どんな作風でもほぼ対応した。
一方、趣味のファンアートで、仕事で満たされてない部分、足りない技術の学習の補完、愛情を発揮してストレス発散をしていた。

満たされないというのはどういうことかと言うと、私がほんとうに好きな世界観、キャラクター、ストーリーはメジャーなものではなかったから、仕事で扱う作品の王道さに感情移入が深くできず、「仕事でやってる」色が強かったのである。

オリジナル作品…一次創作への憧れも最初はあった。
理想の仕事がないなら自分でつくればいいはずだ。

だが、就職後数年を経たあたりから、アイデアもやりたい気もちも湧いてこなくなった。

ふりかえると、オリジナル創作意欲湧かなくなった原因は、就職活動の時、自分の好みの作品と、世の中でウケるものがだいぶ違ったこと、ウケさせるための技術力が圧倒的に足りなかったことだった。

そもそも就職活動に苦労したし、仕事をしていくなかで、自他のアイデアや作品が次々に死産していくのを見てビビってしまった。

「私の好みでやったら、ウケるものに仕上がらないんだろうな」

そのことを感覚的に感じ取ってしまった私は、本当に好きなものを自由に作れるはずの、オリジナル創作を保留してきたのだった。

休職・退職・修行のとき


その満たされなさと直接は関係はない(と思う)のだが、ある時職場の采配と自分のやりたい仕事の方向性が合わず、心身を壊してしまい休職、そのまま退職した。

休職した人は、たいてい職場復帰を目標に治療を開始する。

だが私は考えていた。

また会社員デザイナーになれば、いろいろ元通りになるかもしれない。
でも、私がやりたいこと…
「自分がよいと思うものを作品にして、共感してくれる人に届けて深く感動してもらうこと」には、一生手が届かないかもしれない。
そう思った。

ちょうど、休職期間は、近所の図書館に通いつめ、興味を持った本を片っ端から読んでいた。

村上春樹さんの『職業としての小説家』から、退路を断つことの大切さを学び、ウィリアムモリスからは、人としての生が終わっても、作品はそれより長く生きるだろうということを学んだ。

私は退職後も就職せず、絵の技術向上と読書をジリジリとつづけた。
劇的な事が起きない、日々の退屈さに絶望しないように、時に足を止めたり、また歩き出したりしながら。

この時期は、自分の精神のたまごの殻の中で、再び外に出るための力を師のもとで蓄える修行だったと思う。

映画は言う「俺たちを見てみろ!」


2023年2月。
そうこうしているうちに、漫画の技術が最低限身についてきたので、オリジナル漫画をポツポツと描き始めた。
しかしながら、描きたい話やシーンは思いつくが、具体的に描くとしたら、どのようにつないでいけばいいのかが難しかった。

2023年3月。
ということで、私はシーンつなぎの参考にするために、ホコリをかぶった自分のDVDの棚を見なおし、好きだった作品を観始めた。

そこからは大変だった。
どの作品を観ても、ため息と感嘆が止まらない。

ハア~~~~カッコいい!!!
そうだよ、私はこういうのが好きだったんだよ。

自分の人生観、価値観、審美観を決めた原体験との再会だった。
頭の中で火花がハジけた。

興行収入もレビューも平均的と言われてる作品だけど、
私に深く突き刺さった作品。
誰に何と言われようと、この映画一本一本に人生をかけた人たちが何千人といたんだよな…。

「波打ち際でパシャパシャしてるな!とびこめ!俺たちを見てみろ!」
映画がそう言ってた。

好きを受け入れたら制限がなくなった


その日を境に、頭が覚醒したように、アイデアが湧いてくるようになった。
※ちなみに今日も朝に漫画を執筆していた。

どれだけ自分が、自分自身のリードを締め上げていたのかがよく分かった。
鑑賞者から無視されたり恥をかかされることを、どこまでも恐れていた。

でも今は、ほんとうに届けたい人をリアルに想像できるようになったので、数値に惑わされなくなった。

ボーっとしてる時間が増えたが、それは頭の中で映像を再生している時なので、仕方ない。

まとめ


いろいろ書いたけれど、
ここまで読んでくださった方にまとめでひとこと言うなら

原体験に会いに行ってください!

場所、本、人、音楽。なんでもいいから。
受験時代に聞いた音楽とか結構ヤバイです。

今日のところは以上です。



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