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企業分析 <9341>GENOVA

 今回はメディカルプラットフォーム「Medical Doc」を営む株式会社GENOVAを深掘りしてきます。
 僕が注目したきっかけは2022年のIPO銘柄でPER20倍を切ってきており、成長率に対しては安いと思ったことです。

1.ビジネスモデルの確認

GENOVA IR資料より

①メディカルプラットフォーム事業「Medical Doc」(以下事業①)

・概要:医療に特化した情報サイトで、記事をお気に入りしていつでも見れたり、クリニックも探せます。(Eparkクリニックと提携)
・収益モデル:プラットフォームで集めたユーザーに対してアプローチしたいクリニックに、動画・記事の作成を提供。紹介記事は平均141万円、治療動画は平均154万円の単価となっております。(フロー型収益)
・強み:プラットフォームの構想が上手い点だと捉えました。一般ユーザーをターゲットにして、文字だけでなく、会話形式や動画などで、無償かつ気軽に見れますし、芸能人を起用するなど、一般ユーザーへのアプローチが上手だと思いました。そのデザインセンスから、医療紹介記事・治療動画もかなりわかりやすいです。もちろん医師が記事を監修しているため、正しい情報です。 
 僕が好きなところは、対話形式なので集中力がなくても見れるところです。私はYouTubeから認知しました。YouTubeの再生回数の高い動画から中高年の女性がメインユーザーと推測できます。

②スマートクリニック事業(以下事業②)

GENOVA IR資料より

・概要:上記画像が最もわかりやすいため、ご覧ください。
・収益モデル:NOMOCAを仕入れて、販売値の差益(フロー型かと思われる)および保守メンテナンス料(ストック収入)。
・強み:サイズがコンパクトでコストもその分抑えられている点や外部サービスと連携ができる点。キャッシュレスに対応している点もいいですね。
・導入コストは600万円するとこもありますが、それよりは安いとのこと。(取材中)

2.業績推移

①足元の業績

株探より

・安定して成長はしているものの、足元の成長率は鈍化しております。
・営業利益の成長が低くなった要因は、2023年3月に新卒50名を増加した他、平均で月5名の中途採用を実施することによる人件費の増加でしょう。

②セグメント売上と利益率

バフェットコードより

・セグメント別売上は、事業①が68%、事業②32%。
・利益率は、事業①が55%であり、事業②は21%。事業②は、自動精算機の仕入れコストもあるため、事業①に比べると低なっております。

③Naoの考えるKPI

・今期契約者数×単価
→ここが言わずもがな、投資家として一番見たい指標です。
・スマートクリニックは設置台数
→メンテナンス費用とかのストック収益にもつながっているため一応見ておきたい指標です。
・プラットフォームのPV数
→ここを基に単価を上げることができるため、見たい指標です。
・営業人員
→フロー型で契約を取り続ける必要があるため見たい指標です。

3.現在のバリュエーション

①足元企業価値

バフェットコードより

②株価の動きとその理由

バフェットコードより

上場が2022年12月23日で、上場後は順調に下がり、

③なぜこのバリュエーションなのか。

・ここからは完全に私の仮説になるので参考としてご覧ください。
・PERは現在16.7倍で現在の成長と比べると安いと感じます。株価を値動きを見ると、株価跳ねた時のPERが15倍で、高値は26倍程度となり、今のPERは安値圏かなと思います。
・フロービジネスであり、メイン事業の紹介記事・動画は何回も契約するものではなく、開拓・営業し続けないといけないく、成長が伸び悩むと市場は評価しており、今のバリュエーションになっているのではと考えています。
・事業②は伸びそうとはいえ、やはりフロービジネスであり、利益率も低いため、業績を押し上げる要因としては弱い。しかし医療業界の省人化は急課題であり、安定して成長しそうですよね。
・逆に、今入っている新卒営業社員が本格稼働して全国のクリニックに契約者数が伸びること、PV数が伸びて単価が上がることは織り込んでいないので、そこがアルファ(超過収益ポイント)だと思います。
・私は営業利益成長を見ているので、20%超えの成長が継続するならば企業価値は400億を超えてもいいと捉えています。

5.カタリスト

①ポジティブなカタリスト

・好決算or上方修正。
→何が好決算なのかが重要で、売上・営業がYOYで40%以上、EPSが30%以上成長すれば、今のバリュエーションでは翌日10%超えのサプライズになると思います。
・他サービスとの提携や新商品の発表。
→それがどれくらいの業績になるのかにもよりますが、評価が変わるタイミングなため、ポジティブです。
・利益率の改善。
→値上げや、NOMOCAの仕入れコスト削減で利益率が改善した場合、来期業績予想で上記成長率になる可能性ありです。

②ネガティブカタリスト

・成長倒れ、営業利益率の低下。
→PERから売上・営業利益の成長率が20%を切ったら
・離職等による営業人員の減少
→KPIにも挙げたように、このビジネスの要の1つがは営業力だと考えているため、既存のクリニック等と関係が構築できる社員が抜けたりすれば、契約件数や単価に影響が出てくると思います。
※基本、その他外部要因(日銀の動向や制作変更、市場の暴落)で落ちた場合、上記のような本質が毀損していなければ買います。

6.総評

・IPOで医療DXと聞くと一体何をやっているんだと思いますが、中身は商品力を活かした、泥臭い営業なんだと思いました。リクナビの求人を見ると想像できました。(平均勤続年数3.3年)
・株価という面では、足元2Qでは2023年4月に採用した営業が本格稼働していないと思うので、ポジティブサプライズはないと考えおります。逆に下半期は、研修も終え1戦力になった新卒社員が稼働し、ポジティブサプライズが期待できると思います。私も買うならば、3Qに向けて買っていきたいです。
・安定して年20%が2〜3年継続するのであれば、2年ほどで株価は1.5倍くらいを見込めるため、長期保有でもっていてもいい銘柄だと思います。

7.あとがき

レポートを作成すると1日かかりますねほんまに。
本当は毎日でもレポート書きたいのですが、時間が全然とれませんわ。
おそらく2週間1回くらいのペースになると思います。(追記:やっぱ無理でした泣)

また決算シーズンに突入してきたので、気合い入れていかないとですね。
自分は今年バリュー株の資金流入などに助けられ年初来は64.8%となっております。2倍を目指して、何銘柄か決算を跨ごうと思います。

今後も日本の個別株投資で活動して参りますので、何かあれば連絡くだセィ(プロフ欄のTwitterからDMください!)

※この記事から発信するすべての情報は、情報提供のみを目的として提供されているものであり、投資活動の勧誘や特定の銘柄への推奨等を目的としたものではありません。 また、情報に基づいて生じる一切の損害についても責任を負担しません。 最終的な投資の意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。


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