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冬虫夏草


冬は虫で夏は草?虫なの?植物なの?
冬虫夏草という言葉を初めて聞いたのは子供の頃。何で見たのかはもう思い出せない。その漢字から、子供のわたしが連想したのは、冬は虫として動いて生きていて、夏になると冬眠の逆(夏眠?)で、全く動かない植物状態になる生き物。これは当たらずも遠からず、冬は虫で夏になると草(キノコ)になると信じられていたからそんな名前が付いたんだとか。そんな不思議生物は実際には存在しない。生きたまま昆虫に寄生する特殊な菌のこと、というのは大人になってから分かったこと。

その種の名前は、餌食となる虫に基づいて、変わるらしい。セミタケ、アリタケ、サナギタケetc…

だけど呼び名は変わっても、総称して冬虫夏草と呼ぶ。それが正にカードのメッセージの通りessence=本質なんだろう。

冬虫夏草は、その時たまたま都合よくいた虫に寄生して、キノコとして成長する。冬虫夏草からしたら、どの虫に寄生するかなんてどうでもいいんだ。ただ、自分の本能としての宿命を全うするだけ。なぜなら、そうしなくては生きていけないから。それこそが冬虫夏草の本質。セミに寄生しようが、アリに寄生しようが、冬虫夏草としての個性が失われるわけではない。

わたしたち人間も、社会の一員として生きていたら、ルールに従わなくちゃいけない場面に、少なからず遭遇する。それは仕方ないこと。別に逆らってもいい。それをそう決めるのも、それもまたその人の自由だ。

だけど無理に逆らって、その結果、生きづらさを感じるなら、素直に従う方が賢いのかもしれない。自分の意にそぐわない行動を強いられているからって、それはあなたの個性が失われるわけじゃない。

最近は多様化が進んで、個性を率先して主張する時代。それはそれで素敵なことだ。自己主張はどんどんするべき。だけどもしも、例えば隣の人と同じ服装を強いられることが個性を殺す、社会のルールやマニュアルに従うことが、自分を上手くアピール出来ない理由、と思ってるなら、それは少し違うかなぁと思う。

もちろん、形から入ることは悪いことじゃない。だけど、本当に大事なのは外見じゃなく中身。むしろ、似たような見た目をしているからこそ、同じルールの中で、同じ条件だからこそ、自分らしさや自分の魅力をより発揮出来るかもしれない。

自分らしさを100%発揮出来る場所っていうのは必ずある。周りに流されることと、ルールを守るのは全く別のことだ。




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