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つけ麺を食べたこと。神経衰弱とマーメイドの掟

15時。赤羽駅。JR 京浜東北線。大宮で乗り換えて東京方面へ。赤羽駅で降りる。改札を出た僕はジレンマだらけのエポニム抱えていた。マーメイドの掟のように大切に。それは、逆さの白日夢のようで。藍色で淡くて、寂しげな虫媒花を咲かせる。

昼食はつけ麺。カロリー計算もしっかり。塩分も炭水化物の量も。全て計算ずくめ。

食後本屋に5分ほど滞在。その後、バスに乗る。高円寺行きのバス。車内ではゾンビ映画のようにオドロオドロシイ赤ん坊の声が響く。それを見て誰かは静かに笑っている。

昨日は、鼓動がダンスミュージックのステップのように、強く打たれていた。しかし、今日はそれがない。今日は体調が良い。爽快感は現在進行系だ。車窓から差し込む西陽のミラーボール。誰かの涙袋に光を宿す。昨日は挙動不審だった僕は今日は落ち着いている。余裕がある。静かな午後。まるで小さな承認欲求が満たされたような満足感か残った。

高円寺駅で下車。終点。普段、高円寺駅に来ることはほとんどない。無条件の螺線に反発して、脱臼した腕を庇うように歩く。僕は神経衰弱をしているのかもしれない。いかなる修飾語もつかない、透明な神経衰弱を。それは透明だから誰からも目撃されない。孤独な神経衰弱。存在も確認されない神経衰弱。

高円寺駅から総武線に乗る。途中新宿で降りようと思ったが降りず。そのまま亀戸まで行く。亀戸駅で下車。

これからも神経衰弱は続いていくだろう。生きてる限り。前を向いて生きている限り。

亀戸の街を歩く。立体駐車場の脇を通る。鼓動の重低音が聞こえる。生きていると実感する。
"夕飯は何を食べようか?"幸せは、そこら辺の側溝に落ちている。それを拾い上げようとしなかっただけ。少しだけそんな風に思えた。僕は少しだけ亀戸の街をブラブラした。そして、またバスに乗って家に帰った。

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