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大好きを増やすと幸せになれる気がする

いくつになっても、ときめく気持ちは変わらず溢れるということ思い出す。
見るもの聞くもの触れるもの全てにアンテナを張り、自身の好みのものに出会えたときの幸福感は何物にも代え難いものがある。
心は躍り、世界は輝きを増す。
今の私は無敵、そう信じられる瞬間が確かにある。

そういった感情が随分昔の思い出となってしまったのはいつだろう。
子どもを産むよりも前だろうか、後だろうか。
スーパーでは一番安いものを選び、百均に通いつめ、服は機能性重視になってしまった。
子どもが乳児のうちは外に出る機会も少ないのでどんな格好でも構わなかったし、安い食材がその他のものと比べ劣るわけではないので何の問題もなかった。
誰かの言動に感情を揺さぶられることはあっても、身近なものから得られる興奮は少なく、しかし絶対必要ではなかった為そういった感情があることすら忘れ果てていた。

雷が落ちたような衝撃を受けたのは最近のこと。
リサイクルショップで出会った小引き出し。
二段の小ぶりなもので、何かの花の模様が描かれている。
価格は千円にも満たなかった。
丁度探していたものを格安で手に入れ、家に連れ帰って和風の食器棚の上に置くと、何と可愛らしいことか。
角も取っ手も丸みを帯びていて美しいし、描かれている花は詳しくはないので何かは分からないが、派手でないのが奥ゆかしく魅力的である。
ああ、好き。大好き。愛してる。
ずっと大切にする。
出会えた瞬間の私は、幸運の女神に愛された唯一の存在になった。
巡り合えた奇跡を情熱的な歌詞にして歌える程、心には大きな火が灯った。

それから再びアンテナは復活した。
世界には手に入れて愛したい何かが必ずあって、運命のように出会えた瞬間心は決まる。私にはもれなく価格による検討がついて回るが、それも踏まえて自分にとって価値のあるものになる。
生活を彩り、ストレスを緩和し、自分の機嫌を取ってくれるものが傍にあるのは幸せなことのように思う。お金で手に入れられるならば、予算と相談して手に入れたい、これからも。
大好きは多い方が嬉しい。

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