見出し画像

大人の階段のぼりました

今帰省中のえーちゃんです。

なぜ私が帰省しているのかというと

おばあちゃんが亡くなりました。

実は人生で初めてのお通夜でした。今まで身の回りの人が亡くなった経験がなかったことがどれだけ幸せな事だったのか実感しました。

私は根っからのおばあちゃんっ子で、共働きだった両親の代わりに保育園のお迎えの時代から大学進学で地元を離れるまでおばあちゃんと多くの時間を過ごしました。小さい頃は、お母さんではなくおばあちゃんであることが不満で、おばあちゃんのセンスが不満で、はぶててばっかりだった気がします。(はぶてる=拗ねる)

それでも
花札やおはじきを教えてくれたおばあちゃん。
私が初潮を迎えた時には喜んで急いで赤飯を用意してくれたおばあちゃん。
何歳になっても私が好きな物を必ず用意してくれるおばあちゃん。
おばあちゃんが作る納豆を大葉で挟んだ天ぷらが大好きでした。

おばあちゃんは膵臓癌でした。

気づいたら手術が出来ないほど進行していて、その時にはもう余命1年と言われていました。
沈黙の臓器とはそういうことです。体重が大きく減少してようやっと分かったのだそうです。

両親が鳥取に来た5月、おばあちゃんが膵臓癌になったと聞かされましたがあまりにも実感が無さすぎて放った私の一言

「君の膵臓をたべたいじゃん」

なんて愚か。

次に私が帰省した時にはもう知っている姿のおばあちゃんはいませんでした。
ガリガリに痩せたおばあちゃん、それでも笑顔で病状を説明してくれて、毎日楽しいのだと話てくれました。

しかしずっと私は不安でした。

おばあちゃんは本当に幸せなのか?

実はおばあちゃんはおじいちゃんの再婚相手です。もうその時には私は物心ついているので本来赤の他人なのです。そのせいか、おじいちゃん含む周りの人達のおばあちゃんへの対応はどこか冷たく、当たりが強いと子供ながらに感じていました。私は私でおばあちゃんに対する不満があるわ、孫とはいえ他人の子だわでおばあちゃんは再婚して本当に幸せだったのかずっと考えていました。

私はまたしても愚かでした。

おばあちゃんが病気になってからというもの、冷たく見えていたおじいちゃんはまるで別人のようでした。おばあちゃんがしたいと言ったことを叶えたいと言い、私ですら知らないようなことを沢山勉強して、睡眠時間を惜しんでおばあちゃんのために尽くしていました。

その時はなんとも言えない感情が込み上げてきたことを覚えています。

しかし今日のお通夜ではまたしても温度差がすごいのです。私は初めてのお通夜、ましてや大好きなおばあちゃんのお通夜ともなれば涙は滝のように流れて新品の礼服は塩まみれになりました。それとは反対に、周りはガヤガヤ、特に親族側なんかこれっぽちも悲しみが伝わってこないのです。

あーあ、なんて薄情なやつらなんだ。

そう思っていました。

またまたまたしても愚かでした。

お通夜が終わったあとの宴ではお酒の力もあり、本音がぽろぽろ。
おじいちゃんはおばあちゃんが歌を歌っている動画を何回も聞かせてきました。

私の命はあなたのものだ

おばあちゃんからおじいちゃんに歌われたメッセージです。

おじいちゃんは嬉しそうに話すのです。おばあちゃんの命は俺が貰い受けたんだって。

おじいちゃんもおばあちゃんも最後まで相思相愛でさ、みんなもぽろぽろ本音出しちゃって、酒の力借りてんじゃねーよ!!!!!!

大人はさ、分かりにくいんだよ。

悲しみだけじゃなくて色んなことを背負ってさ。

おばあちゃんはきっと幸せだったと思うんだ、違う?


あ、そういえば不思議なことも起こったんです。

お経を読んでもらっている間、蝋燭の火が激しく揺れたり、ライトがチカチカして消えたり、極めつけは閉じてたおばあちゃんの口が開いて歯が見えていたんです。

ばばの大好きなお寿司食べたから怒っちゃった?お酒一緒に飲んでたのかな?楽しかった?

沢山話したかったな、鳥取ちょっと遠かったけんね。
迷惑色々かけてしまったね、ごめんね。ありがとうねほんとに。これから仏様になるために厳しい訓練があるんじゃろ?立派な仏様になっていつでも会いにきてよね?

ばばのことあーちゃんは大好きやけんね、ずっとね。

明日は朝早くからお葬式です。おばあちゃんのためだと思って苦手な早起きを頑張るのです。この世にいないと思うと寂しいけれど、仏様になって見守っててくれると思ったら幸せな気もします。いや幸せです。

亡くなった方は『今を大切に生きろ』と言うことを身をもって私たちに示しているんだとお坊さんが仰っていました。

その思いを背負って生きる使命が私達にはあるのです。

ありがとうございます。

追記:葬式には黒という固定観念が嫌!と文句を言ってた私ですが、経験してみて少し分かりました。正直色の固定やらはよく分かりませんが、決められた格好をすることで身が締まるといいますか、特別感が出るなあと。要するにウエディングドレスと同じことなのかなあと。

まだまだ愚かでおこちゃまなえーちゃんでした。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?