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音や文字に味がする共感覚

前回、『共感覚』に関するご紹介を致しました。
その記事をご覧になっていない場合、今回の記事は理解出来ないかも
しれませんので、共感覚にご興味がありましたら覗いてみて下さい。

今日お話するのは、文字や音に味がする共感覚です!
日本語名は無いようですが、英語では『Lexical-gustatory Synesthesia』と
呼ばれており、レキシカルガスタトリ・シナスタジアと読みます。

共感覚の中でもレアな能力の一つで、ただでさえ『共感覚を持つ者』という
マイノリティーの中で、さらにマイノリティーになってしまいますが…。
人口の、たった0.02%しか存在しませんが、わたしもそれなのです。

文字を読んだ時や、音を耳で聞いた時……なんと、味がするのですよ!
人によって、何の言葉に、どういった味がするかは異なる上に、
実際に口の中で味がする人や、頭の中で味を感じる人に分かれており、
わたしは前者が2%ぐらいで、後者が98%ぐらいのアンバランスさです。

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わたしが初めて、そういった異変(?)に気付いたのは、小学生の時でした。
小さい子向けの小説を読んでいた時に、なんか味がするではありませんか!
甘くて美味しい味……コレは……アイス・クリームだぁ~!!

その本に登場する『Maurice (モーリース)』という名の男の子…。
その名前を見る度に、何故かは解りませんでしたが、美味しかったのです。
その味は説明し辛いのですが、わたしは勝手に『モーリース味のアイス』と
呼んでおります。

そんな味のアイス、もちろんこの世に存在などしませんが、そうですね…
出来る限り正確に説明するとなると、ナッツ味に近いアイス…でしょうか?
バニラの要素は一切無く、ほんのり甘いナッツのような…そういう味です。

『ただのナッツ味のアイスじゃんか!』と、ツッコまれた事もありますが、
違うのです……ナッツ味とは、微妙に違うのです……モーリース味なのです。
その名前にしか…、その言葉にしかない味なのよ…!!!

そして、さらに不思議な事に…それは未来をも予言しておりました。
その数年後、まったく同じ名前の男の子と、同じクラスになったのです!
その時、わたしが勝手に心の中で決めた彼のアダ名は、もちろん
『アイス君』でした。

残念ながら、彼とは不仲でしたが…。
多分、わたしが『君はアイスの味がするね!』と、褒めただけだったのに、
『えっ、オレを舐めた事があるの? キモッ!!』と、言われたせいかな…。
舐めてはいませんが、勝手に味がするのだから、しょうがない…。

そもそも初対面なのだから、物理的に彼を舐めた事がある訳ありません。
彼もそれを解っているハズなのですが、こんなにも理解されないとは…。
共感覚などの、マジョリティーが持っていない能力を持っているだけで、
そんなに不気味がられる理由は無いと思いますが……。

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とにかく、もう小学生ではありませんが、今でも、その名前を見たり、
聞いたりすると、モーリース味がするのです。

それ以前にも、『このメロディー、なんかオレンジ味がする!』とか
言ったような記憶があるのですが、『変な子!』で済まされました。
『みんなと違う』だけで、『変なヤツ』、か………。

わたしが『オレンジ味がする!』と言ったら、完全に否定するよりも、
『そうかそうか! オレンジ味か!』とでも言っておけば、平和に済むのに。
『音に味がするワケないだろ!! バカか!』とか言われた事もありました。

こういう心の狭い者達や、共感覚などの神秘的でアーティスティックな
モノに理解の無い者達のせいで、マイノリティー達が生き辛くなったり、
その能力が失われて行く事には、まったく納得が行っておりません。

人間がいつまでも『真に進化』をしないのは、そうやって何でも頭ごなしに
否定する連中が居るからだ
と、わたしは思います。

もっと第六感的な、神秘的なモノも信じて欲しいです。
絶対に存在していますから!!!

…ちなみに、『言語の違い』にも共感覚は存在していると思います。
『言霊』という言葉があるように、それぞれの言葉にも命があるのです。
例えば日本語で『ビルディング』と聞くと、冷たいレモンの味がします。
しかし英語で同じ言葉、『building』と聞いても、特に何も感じません。
冷たさは少し感じるのですが、レモンの味はしません。

全ての言葉に味があるのではなく、特定の言葉や一部の物だけなのです。
それこそ『全て』の言葉に味があったとしたら、しょっちゅう色んな味が
し過ぎて、味覚障害になりかねないかもしれません。

その他にも、ゴミの味、ゴムの味、キラキラな味、メタリックな味など、
説明が出来ないような味がする時もありますが、間違いなく言える事は、
『ゴミの味だけは、迷惑だ!』、です。

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オマケ。
以下のラクガキを、『みんなのフォトギャラリー』に出品しておきます。
アイスや、味覚の共感覚の記事を書く時にでも、ご自由にお使い下さい。

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