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アマゾンが自動運転テクノロジー会社Zooxを買収

『戦略をアップデートする』は、競争戦略コンサルタントとしてGAFA×BATH等の米中メガテック企業をはじめ国内外トップ企業の動向をフォローしている田中道昭が、日々行っているこれら企業へのリサーチの中から、その内容をnoteでシェアするものです。

今日の『戦略をアップデートする』は、アマゾンの自動運転です。

2020年6月26日、アマゾンのコーポレートブログ「dayone」に、「We’re acquiring Zoox to help bring their vision of autonomous ride-hailing to reality(アマゾンは、自動運転配車サービスを提供するというZooxのビジョンの実現を支援するために、Zooxを買収します)」という記事がアップされました。

Zooxは、「自動運転でのモビリティ(Autonomous Mobility)」を設計・開発する、2014年設立のカリフォルニア州のスタートアップ企業です(動画参照)。

記事では、Zoox事業はZooxの現経営陣が引き続き担っていくこと、また記事タイトルの通りアマゾンはZoox自身のビジョン実現を支援することが述べられています。

アマゾンがZooxを買収した理由としてまず考えられるのが、自動運転を活用した物流です。すでにラストワンマイルは宅配ロボット「アマゾン・スカウト」の実証実験が行われていますが、今後さらに物流を強化することで、カスタマーエクスペリエンスの向上を目論むというわけです。

では、ジェフ・ベゾスCEOは、乗用車としての完全自動運転車、いわゆる”アマゾン・カー”への野望を持っているのでしょうか?

無人コンビニ「アマゾン・ゴー」は、センサーやディープラーニングといった自動運転と同じテクノロジーを使っています。子会社アマゾン・テクノロジーは、自動運転車が最適な車線を識別するテクノロジーについての特許を取得済です。また、アマゾンは「AI」「自動化」「ロボット」を戦略事業領域としていますが、これらが結集されるアプリケーションの一つが自動運転です。音声AIアシスタント「アレクサ」は既にクルマに搭載されています。

地球上で最も顧客第一主義の会社」アマゾンが、アレクサをユーザーインターフェースとして、クルマというハードまで垂直統合する。究極のカスタマーエクスペリエンスとしての”アマゾン・カー”も、けっして空想の話しではないのではないでしょうか。

田中道昭

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