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アマゾンの宇宙事業、衛星ブロードバンド計画「プロジェクト・カイパー」

『戦略をアップデートする』は、競争戦略コンサルタントとしてGAFA×BATH等の米中メガテック企業をはじめ国内外トップ企業の動向をフォローしている田中道昭が、日々行っているこれら企業へのリサーチの中から、その内容をnoteでシェアするものです。

今日の『戦略をアップデートする』のテーマは、アマゾンの宇宙事業です。

2020年7月30日、アマゾンのコーポレートブログ「dayone」に、「Amazon receives FCC approval for Project Kuiper satellite constellation(アマゾンの衛星群構築計画「プロジェクト・カイパー」がFCCから認可される)」という記事がアップされました。

「プロジェクト・カイパー」とは、アマゾンが昨年発表した、低軌道衛星群の構築を通してブロードバンド通信サービスを広く提供していくというイニシアチブです。

記事によれば、規制当局の連邦通信委員会(FCC)は、アマゾンによる衛星3236基の配置とオペレーションを認可したとしています。これで、アマゾンは、衛星ベースでのブロードバンド通信を提供することができます。同ブロードバンド通信は、地上基地局サービスとして提供されるのに加えて、バックホール網としても5Gを展開する携帯電話キャリアへ提供されるとしています。

宇宙事業は、アマゾンが最重視する4領域のキーコンセプト「MAR」のうちの一つ「SSpace)」です。

ちなみに、「MARS」はもともと一部の人しか参加できないアマゾンの年次カンファレンスの名称でしたが、昨年6月には「re:MARS」と題して一般公開カンファレンスとして開催されました(動画参照)。ジェフ・ベゾスCEO個人が出資する宇宙事業会社「ブルー・オリジン」の宇宙船が「re:MARS」でも展示され、企業としてのアマゾンが宇宙事業を本格化させるシグナルであるとも捉えられました。

イーロン・マスク氏のSpaceXなどと共に、メガテック企業の宇宙事業はますます注目されていくことになります。

田中道昭

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