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恋愛なしで結婚したい

本日は「すやすや水曜日」です。いつもより早く寝ましょう。寝る30分前には画面を離れると吉。


 結婚相談所に入会する、若い人が増えている……という話を聞く。理由は「恋愛に使う時間がもったいない。サクッと結婚して早く家庭を築きたい(男性)」とか「自由恋愛の世界で結婚できる気がしない(女性)」とか、わりと現実的。
 
 これはいい流れだ、と思う。自由恋愛から結婚に持って行けるのは一個の能力であって、全員にそれを期待するのは酷だから。
 
 自分の周りでは「大学までにお付き合いした人とそのまま結婚」のパターンがいくつかあるけど、大学までで出会えなかった人はどうするのか。職場で会う?でもいまはコンプライアンスの厳しさから、同僚を食事に誘うハードルも上がっている。
 
 10代~20代前半の頃、そういう「恋愛への圧」がうっすら嫌だった。それについて何も教わってないのに「異性と付き合ったことがある or 付き合ってるのは常識だよね。必須科目ですよ、みなさん」と言われている気分だった。
 
 もっと言えば、恋愛「できない」人間は弱者だとみなされているのに納得がいかなかった。自分は当時、結婚相談所でアルバイトをしていて「異性に慣れていないだけで、家庭を築くには向いてるだろうな」という人をたくさん見た。
 
 彼らは弱者なんだろうか。たとえば、女性をエスコートするのは苦手でも、勤勉に働き、家庭を運営していく意欲のある男性は弱者なのか。男性経験はないけど、共働きで家事育児をやっていく気持ちがある女性は?
 
 相談所で、そういう人たちがご成婚なさっていくのは純粋に嬉しかった。自分が感情移入するのは、同性である女性が多い。彼女たちがこれ以上、時間を無駄にしないで、効率よく結婚していくのは善だと思った。
 
 マッチングアプリで会った、既婚者かもしれない人とつきあったりしないで、10年同棲した彼氏に振られたりもしないで、サクッと結婚し、しばらくすると赤ちゃん誕生のご報告まで来たりする。あれは純粋に嬉しい。
 
 もうそれでいいんだと思うな。結婚したい人は、結婚したい人同士で会えばいい。結婚したいのに「単に今さびしいから誰かとつきあいたい」人や「まだ結婚は考えてない」人と会って、恋愛して、それからお互いの意志を確認して……ってやるの、タルいよ。
 
 かく言う自分も、最初から「結婚したくていろんな女性と会ってます」のスタンスだった旦那さんと会って、すぐに入籍を決めた。恋愛期間ほぼなし。それでもとりあえずはうまくいっている。
 
 これが「何年か付き合ってから決めようか」タイプの相手だったら、結婚してなかったかもしれない。だってしたいのは恋愛じゃなかったから。付き合うくらいなら、さっさと結婚するほうがいいと思っていた。
 
 世間一般ではいまだに「自由恋愛→結婚」が正規ルートだと思われているし、きっとこの構図はお金になるのだと思う。
 
 若年向けの女性誌は「こうすればモテる!」と、服や化粧品や、自分磨きのもろもろを宣伝するのに余念がない。恋愛アドバイザーはどこにでもいるし、マッチングアプリは「みんなの課金待ってるぜ!」と大口を開けている。
 
 仮に目的が結婚だったら、それぜんぶ遠回りですよ。いい結婚相談所だったら、外見のアドバイスからデート時の振舞いまでぜんぶ面倒見てくれて、1年ちょっとで成婚できたりする。もちろん適性はあるから、みんながみんな結婚できるわけではないけれども。
 
 最近は「ナレソメ予備校」なる結婚相談所が、ちょっと見たことのない成婚率を叩き出していて、ついサイトを見てしまった。

https://naresome.net/yobiko/

  地方での成婚実績もしっかりあるのがいい。なんか強いのが殴り込みかけてきたね、という印象。ただ、一番安いプランはおすすめできないかな……。「お試し」のノリでこれを選ぶよりは、ネット型結婚相談所のほうがコスパがいい。わたしの推しはナコード
 
 「恋愛すっとばして結婚したい」人にとって、今までは冬の時代だったけど、これからは違っていくだろう。恋愛は素敵だけど、必須科目じゃない。そうなっていくといい。

本を買ったり、勉強したりするのに使っています。最近、買ったのはフーコー『言葉と物』(仏語版)。