正論では気持ちよく人は動かない、大切なのは合意〜『気持ちよく人を動かす(高橋浩一)』
共に創るディスカッションで、人は気持ちよく動く
人は、業務時間の約半分を「誰かに動いてもらうための活動」に当てているそうです。良い解決策があるのに人が動いてもらえない悩みは、私たちの生活やビジネスには多くある。
【人を動かす5つの場面】
①上司や社内の承認を得る
②社内外に協力を依頼する
③メンバーを指導する
④社内外の相手と交渉する
⑤お客様に提案する
これらの場面で人を動かすには、相手と共に合意点を創り上げる必要がある。「ロジックの使い方と相手との共感の築き方」のバランスで人を動かす、論理やスキルが書かれている。
【7つのスキル】
想定する力・段取りする力・理解を深める力・見える化する力・思い込みを外す力・軸を動かす力
4つの壁を越えて、気持ちよく人を動かす
人を動かすゴールまでの道のりには、壁(障害・反論)があり、それに対して対策をする必要がある。
まずはゴールに対する壁を予測する。
【4つの壁】
①関係性の壁
②情報整理の壁
③思い込みの壁
④損得勘定の壁
これらの壁を7つのスキルを使って越えていく。そうすると、相手と合意点を共創できるため、相手は気持ちよく動いてくれる。
なぜなら「人は他人ではなく自分に説得されたい」。
感想:コミュニケーションは練習が必要
コミュニケーション力がなければ、権威性や返報性で動かすことができるが、長続きはしないし、「気持ちよく」動かすのは難しい。
傾聴し、相手を慮り、視野を広く視座を上げられる、さらにロジカルなスキルと・・ロジカルなスキルは学びによって得られるが、心に寄り添うスキルは、まず自分の在り方が整うことが先となる。つまり、相手を聞いたり想像する余裕が自分にはあるのか。そして何よりも大切なのは、本当にそのゴールを達成させたいのかということ。
さて私は、お客様の人事採用の判断基準をつくっている。
必要な項目を洗い出し、なぜそれが必要なのか、その重みづけをどうするのか共創する。一般的にはこれですというより、お客様の価値観や心情、フェーズに合わせてこれらは変わる。しっかりヒアリングするために、まずは自分の心を整えよう。
この本には、人を動かすための具体的な例から実践のアドバイスまで書かれている。小手先ではなく論理を理解できるおすすめの一冊です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?