見出し画像

スプラで学ぶ経済学 「収穫逓減」

今回は、スプラトゥーンを通じて経済学を学ぼうシリーズ第一弾。
「収穫逓減」を取り上げます。

どうすれば上手くなれるのか?

という、多くのプレイヤーが持っている悩みの、解決の種になるかもしれない、そんな概念です。

1.「収穫逓減」とは

まず「収穫逓減」とは、どういったことなのでしょうか。
ちなみに「しゅうかくていげん」と読みます。
逓(てい)とは「少しずつ・徐々に」という意味です。

収穫逓減とは、言葉で説明すると「生産要素を投入していくにつれ、投入一単位当たりの収穫が徐々に減っていく」ことを指します。

スプラトゥーンでいうと、顕著な例としては、「プレイ時間が増えていくにつれて、時間当たりの上達具合が徐々に減っていく」ことです。

収穫逓減

収穫逓減を可視化したグラフです。
グラフでは仮の数値として、プレイ時間と、それによって得られた上手さを数値化しています。

その相対関係を見てみると、
プレイ時間100:上手さ150(+150)
プレイ時間200(+100):上手さ250(+100)
プレイ時間300(+100):上手さ300(+50)
        ¦
        ¦

というように、プレイ時間の増加量に対して、上手さの増加量が徐々に減っていきます。

この「逓減していく様」は、恐らく多くのプレイヤーが実体験としての感覚があるのではないかと思われます。
実際の逓減具合のスピードや、原点からの傾き等は、個人差が大きいと思います。
例えば、私のような40代のプレイヤーで且つ対戦シューティングゲームが初めての人間では、最初の原点からの傾きがめちゃくちゃ鈍い、と考えたりすることが出来ます。

数学で「微分」を既に勉強している方は、この収穫逓減のグラフは「グラフの傾き(微分)の値が少しずつ減っている」と考えると、一発で理解できると思います。
経済学では微分のことを「限界」という言葉で表現することがしばしばあります。
このように、数学は経済学や実社会におけるビジネスの世界でも様々なシーンで活用されています。
ただ単にテストの点数を求めて勉強しているだけでは、モチベーションも上がらない事があるかと思います。
数学が、スプラトゥーンにも役に立つ。
そんな小さなモチベーションを見つけて貰えると、個人的には嬉しいです。


2.「イノベーション」を起こす

逓減することを理解したところで、では上手くなる為にはどうしたら良いのでしょうか?
ただプレイ時間を延ばしていっても、上手くならないじゃないか?と思いますよね。

そうなんです。
仮に逓減しまくってて、増加の傾きが0に近ければ、ただ単にプレイしてるだけじゃ、理論的には上達なんかしません。

そこで効率よく上達する(収穫を得る)為に必要になってくるのが、「イノベーション(技術革新)」を起こすことです。

イノベーション

図のグラフのプレイヤーは、プレイ時間が300時間を過ぎて400時間になるまでの間に、イノベーションを起こし、グラフを上方にシフトさせることに成功しました。

プレイヤーは同一人物であり、逓減具合は全く変わっていません。

しかし、イノベーションの結果、彼は一気に上手くなり、ウデマエを上げることが出来た・・・みたいな現象です。

では、このイノベーションをどうやって起こせば良いのでしょうか?

方法は、これもまたプレイヤーによって様々な方法があると思いますが、
例を挙げるとすれば、
・誰かほかの人に教えてもらう。
・参考になる情報(解説動画、攻略本等)を探す。
・全く違うブキ・立ち回りを練習してみる。
(*ただし、闇雲に色々試してみるのはNG)
・Switchの30秒動画機能を利用して自分の立ち回りを振り返り改善していく。

などでしょうか。

ただ単にプレイ時間を消費していくのではなく、自分に何が足りなくて、どこを埋めればイノベーションを起こす可能性が少しでもあるのだろうか。
そんな風に模索しながら努力を積み重ねることで、イノベーションが起きる可能性は上がっていくと考えられます。

ちなみに私の場合は、スプラトゥーンを始めてから3か月ほど経過したくらいで既に「自分自身の逓減具合が甚だしい」と感じました。
しかし同時に「色んなブキや立ち回りをこなせるほど、初動の傾きも大きくない」ことは明白だったので、「中衛の立ち回り」に絞って、プラコラやデュアカス、H3Dの上位プレイヤーの戦い方(特にキャラコン以外の部分)をひたすら参考にしました。


3.「OJT」と「Off-JT」

最後に、「OJT」と「Off-JT」の話をします。

「OJT」とは「On the Job Traininng」の略で、実際に仕事をしながらスキルを身につける方法(教育訓練)のことを指します。

スプラトゥーンで言うと、ヒーローモードや特にオクトエキスパンションは完全にOJTを意識した造りになっています。
プレイしながら上手くなってもらう、そんな制作サイドの意図がふんだんに込められていますよね。
又、実際にガチマッチやリーグマッチ等をプレイしながら上手くなっていく、というスタイルもOJTと言えます。

一方「Off-JT」は、OnではなくOff、つまり職場を離れセミナーや研修でスキルを身につける方法(教育訓練)のことを指します。
そして、この「Off-JT」こそ、イノベーションを起こすために必要な事、なのです。

ビジネスの世界では「OJTとOff-JTを上手く連携させることにより、人材育成の成果を効率よく達成することが出来る」と考えられています。

それはスプラトゥーンの世界でも、全く同じです。

OJTとOff-JTを使いこなし、効率よく上達していく。
そんな経験・体験を若いころから得ることが出来れば、いざ社会に出たときに、ものすごく強みになって活かされることは、間違いないでしょう。

この記事を読んだ方が一人でも多く、そんな風に活躍される、その少しのお役にでも立てればと思います。


『スプラで学ぶ経済学』表紙へ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?