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呪って祟ってツタンカーメン

昨日までの煙草が吸いたいという衝動が嘘のように、今日は当たり前の日常を過ごしております

なんでしょうね

ニコチン中毒症状が出ていただけかもしれないし、昨日書いたように気持ちの問題だったかもしれない

それはどちらでもよくて、人間と言うのは”本当の原因”よりも、そこから感じる意味を重視、または注視したほうが日常の生活はうまくいくということがあると思います

ちょっと極端な話をすれば、”呪いや祟り”というものはあると思って生きた方が、余計なトラブルに巻き込まれずに済むということです

呪いについては、ちょっとあとで話しますが、先に”祟り”について話しましょう

”祟り(たたり)とは、神仏や霊魂などの超自然的存在が人間に災いを与えること、また、その時に働く力そのものをいう。人間社会の法則や論理では制御不能な出来事が起こった際に、それを強大な霊力の発現であると考える解釈・説明”(wikiより)

恐らくですが、呪いや祟りなどないと取り合わない人は、まず”超自然的存在”というものを認めない、信じないカテゴリーの人で、”この目で見ないと信じられない”や”非科学的だ”という論法になっていない説法で話を切ります

この世に目に見えない(肉眼に限らず)自然現象などたくさんあるし、未来の科学は過去から見ればほぼ非科学的です

”高度に発達した化学は魔法と見分けがつかない”とは遠くイスカンダルへ旅をする戦艦の副長が言った言葉ですが、超電導やら電子顕微鏡、地動説に至るまで、過去から見れば、とんでも科学です

残念ながらこの世に”非科学的な現象”などむしろないと言っていい

いやいや、それは言葉のあやだというのは解ります
実際神様が天罰を与えるがごとき、大洪水や古代エジプトの王子の呪いなど、それは”非科学的というカテゴリー”に収めるべき事柄でしょうが、或いは将門の祟りなんていうのもそうでしょう

でも、本当にそうでしょうか?

ちょっとややこしい例を出してしまって、しまったと思っているのですが、”ツタンカーメンの呪い”と呼ばれる祟りには、ある程度科学的な説明ができるのですが、これは呪いではなく祟りであり、しかし発端は呪いなのです

”偉大なるファラオの墓にふれた者に、死はその素早き翼をもって飛びかかるであろう”

これはツタンカーメンの墓の入口に刻まれた碑文だそうで、これは呪いです

呪いとは何か
それはすなわち”名前”です

この呪いは、墓を荒らした者がその後”必ず訪れる死”について”呪い”或いは”祟り”という名前を付ける行為です

つまり、直接の因果関係はなくとも、墓に触れた人やその関係者の不幸なできごと、飼っていたカナリヤが蛇に食われる、交通事故に合う、階段から足を滑らす、会社が倒産するといった不幸はすべて、ツタンカーメンの仕業になってしまいます

当然にもっとも大きな災いは死ということになり、あたかも一瞬で9人もの命が呪いによって奪われたように話が伝わる
実際にはどの死も説明のつく病気であったり、もともと発掘に携わった人が高齢だったりする

しかし碑文を書いた側から見るとどうであろうか?

あの一文を墓に書いたことによって、祟りはあたかもあったように見える――つまり祟ろうとして祟ったことになり、祟りはあるのである

無い物をあるように見せるのではなく、あるものを違った見方をさせるのが祟りの特徴と言ってもいい

戒めとは、ある行為に対して”それはいけないことだ”と呪いをかけるのと同じで、その逆が”横断歩道、みんなで渡れば怖くない”と言うことになる

しかしここにそのようなことをすれば、のちのち不幸な事故にあうぞと”呪い”を知らしめれば、即効性はなくとも、後の世に伝わる時に、”みんなで渡って、みんな死んだ”になる

”恐くない”が”怖い話”に変換されてしまうのである

呪いとは、道端に落ちている石ころは、そう呼ばれれば石ころだが、それを手に取り、人に投げつければ”石つぶて”という武器になる
即ち、名前に物や物事は縛られ、そのありようを変えてみせるということ

将門の祟りもツタンカーメンの呪いも根っこは墓や死者への冒涜は許さないという戒めであると同時に、彼らの”威厳”を利用して、神と祭ったり、物珍しさで客を集める美術展であったり、そこには周囲の思惑が絡んでいるのである

祟りとは貧しい村の中で抜け駆けはしないようにという戒めのスローガンみたいなもので、しかしながら、そのようなものが長年守られ続けると、後世には尾ひれはひれがついて、あたかも超自然現象のように言い伝わる

ただ、現代の科学では、人のそうした意識の集合があるべき観測結果に偏りを起こす可能性について量子力学などという、僕には魔法にしか思えないような分野の科学があるのだけれども、つまりは”非科学的なこと”などないのだというお話でした

不思議なことはあるものなのです
なぜなら、この世に意味のない存在などないのですから

あなたには呪い殺したい人がいたりしますか?
あなたの呪いは必ず成功するでしょう
なぜなら人は、死から逃れることはできないのですから
その死を一日でも早くしたいというのなら
あなたのその気持ちを何かの形で伝えてみてはいかがでしょうか?

それで、あたなの気持ちが、晴れるのであれば

でも、こういう言葉もあります

人を呪わば穴二つ
呪い殺したい人の墓穴のほかに、あなたの墓穴も必要になる

あなたも死からは逃れられないのですから、呪い殺すなど、それこそ祟りますよ

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