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時代は内向型に味方している!【書評】「人見知り」として生きていくと決めたら読む本 午堂 登紀雄

「人見知り」というキーワードは、HSP(敏感すぎる人)にぴったりだ。つい目が向いてしまう。ターゲティングばっちり。

しかし、今回は、著者を見てちょっとびっくり。ビジネス書作家として有名な午堂さんじゃないですか。え、、、人見知りなんですか?と、なんだか知っている人からの予想外のカミングアウトのような感じで、つい手に取ってしまった本だ。これまでの本では知るっことがなかった午堂氏の人となりが分かって新鮮な気持ちになった。

人見知りの武器

今の世の中は、内向型・人見知りほど活躍しやすい環境が整っている。コロナ禍では、在宅ワークを強いられた人も多かったようだが、人見知りには、この環境、まるで水を得た魚のようだっただろう。実際に会わないとできないことは、ほとんどなくなっている。

以前だったら、営業マンから「とりあえず一度お会いしましょう」と電話がかかってきたものだけれど「とりあえず」会うのは時間の無駄でしかない。メールやZOOMなどで相当に濃いコミュニケーションができる。人見知りにとっては、自分のホームポジションを守りつつ、仕事を進められる。

「内向的な人は、メールなどの文章・テキストでのやりとりを好みますが、SNSなど非対面のコミュニケーション手段が主流となるこれからのデジタル時代にはむしろ向いていると考えられます。会話では論理性がなくても中身が薄くても、勢いや身振り手振りでなんとか乗り切ることは可能ですが、文章になると論理性のなさは露骨に出てしまいます。もちろん、電話や対面のコミュニケーションを軽視するわけではありませんが、頻度やウエイトはテキストコミュニケーションが優勢で、その重要性はますます大きくなるでしょう。」

実際、午堂氏も、いまやノートパソコン一つで仕事を完結させられるのだそう。しかも、その間、ほとんど対面コミュニケーションが必要なくなっているのだ。外向型でバリバリ押しまくって来た人ほど、他のオプションを磨いてこなかったため、テキストベースのコミュニケーションが重視される環境になじむのが難しいかもしれない。

これは、かなり来てる。言葉にとげがあるので、好き嫌いがあると思うけど、ホリエモンも言う通り、いまや「直接会う」メリットは少ない。

人見知りを「強み」に変える

人見知りするということは、敏感であるということだ。ネガティブな表現をすれば、傷つきやすい面があるが、その分、他の人の気持ちに敏感であるという長所がある。そして、その長所は、じっくり考えてから発信できるテキストコミュニケーションにおいては強力なメリットになっていくのだ。

いたずらに自分を変えようとせず、無意味に自分を責めたりせず、ありのままの自分を受け入れたうえで、それを最大限に活かしていきたい。たとえ、発達障害があったり、他の人とは違うところがあっても、それぞれの人が自分の特性を最大限に活かせる、そんな環境が作られていくとどんなに良いことだろう。

かなり奥手で、なかなかの、人見知りでありながら、成功本・自己啓発本を数多く出す午堂氏の姿にちょこっと、勇気づけられた日だった。

大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq