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痛み・不快感の声を聴く。フォーカシングと操体に学んだこと。

体の痛みや不調を治す(というよりは、折り合うという感じ)ための、私なりの方法がある。私は、もと整体師・現操体愛好家なので、自分の体の感覚を通して、体が自分で自分の体を治すのを助けていくような操法が好きだ。

どれだけ治療センスのある整体師でも、本人のようには痛みやダルさという感覚を共有できないし、体が体を治す方法をガイドできるとも限らない。。外面から見た歪みを矯正して、非常にうまく行くこともあるけど、大ハズレになることもある。体の微妙な要求に応えるには、自分の体を自分で治すのが一番だ。

従来の操体とは少し違うけど(操体の定義も人により違うから別にいいか)フォーカシングの要素を取り入れると、体の声を聴きながら、体が自分で自分を治していくのを手助けできる。

フォーカシングとは?

フォーカシングとは心理療法の一つだ。体のあいまいな「感覚」を手掛かりに、心にアプローチしていくため、ボディワークと一緒にくくられて説明されることもあるね。

辛い記憶を想起させる場面を見たり、経験した時に「のどの詰まった感じ」や「胃がぐっと締め付けられる感じ」など、独特な「感覚」が生じることがある。この「感覚」を手掛かりに、体に問いかけをしていく。

ま、確かに怪し気ではあるんだけど、このようにして、「感覚」にしっかり向き合うというのが、体が自ら治るための第一歩となる。

現代人は、痛みや不快感をすぐに薬で解消してしまおうとしがちだ。頭痛や腰痛などの痛みは「警告音」に似ている。体の内部、時には心で生じている異常を私たちはすぐに察知できない。そこで、体が「痛み」「不快感」という「音」で異常を知らせてくれるのだ。

この「感覚」をすぐに抑え込んでしまえば、当座の不快感は消えても、根っこの問題は解決しないままだ。そこで、しっかりと、この「感覚」に向き合うことが大事なのだ。

フォーカシングを操体に活かす

私はフォーカシングを体の歪みを治すために使えると思ってる。体の歪みもつきつめると、心につながることもあるけど。先日、私が実際に経験したお話をしたい。私が主に悩まされている症状は「鼻炎」だ。鼻炎のような症状でさえ、フォーカシング的なアプローチが効く。

実況的に説明してみよう。

まずは、ベッド・お布団の上に横になる。体は楽な位置に横たえて置けばよい。寝た状態で、特に不快な「部分」に注目していく。私の場合だと、左鼻がつまることが多く、いわゆる「迎香」のツボあたりが脈打つような感じであることが分かった。苦しくなると、ここをゴリゴリ押したり、つまんだりしがちだけど、今回ばかりはじっと、その不快感をそのまま感じるようにしていく。

やがて、脈打つ感じが移動していく。ジワジワした痛みは、移動しはじめ、別の個所がジンジンと痛くなる。この過程で、体が、ビクン!と動くようなことが、何度かある。足指が動くこともある。体の動きも、できるだけ、自然に動くに任せる。脈打つような感覚は徐々に移動し、後頭部にいくことが多い。

そして、頭の後ろの皮膚がガチガチに固まっているということに気づく。あ~、なんか最近は色々悩んでいて、ずっとパソコンの前で考え事し過ぎてたな~とボ~っと思っていると、フッと、後頭部の緊張が解ける。途端に鼻がスッと通る。

この時の精神状態は、ほとんど、瞑想状態に近い。何かを考えているような、考えていないような、ひたすら体の感覚に耳を傾け続けるだけ。眠ってしまうこともある。うまく行くと不快感は完全に消失する。

なんか怪しいね。文字でも怪しいけど、実際に自分で自分を治そうとしている時は、もっと怪しく見える(笑)

「不快感」にちゃんと向き合う

体の「感覚」(特に不快な感覚)をもとにして、原因の歪みを探る。

よく、痛みを我慢している人に、「特にどこが痛いですか」と尋ねると「全部!」ということがある。まあ、そういうことは普通はない。すべての動きが痛かったら動けないだろう。「特にどの動きで痛みが生じるか」を探ることが大事。こういう時、私は操体で教えられている関節の8方向の動きを説明するけど「どの動きも痛い」という人が多い。自分の体の「感覚」を見極めるセンスが鈍っているのだ。

まずは「不快感」にしっかり向き合って、どこかどのように不快なのかという感覚を呼び戻すことがスタートだ。体を熱心に治そうとしなくても、ゆだねているだけで、体は自然に自らを治すことができる。ただただ、痛みを取り除こう、不快感を抑え込もうとしている人には一生かかってもたどりつけない境地だ。一度コツをつかむと、自分の体をいっそう信頼できるようになる。

フォーカシングは「感覚」から「心」に働きかける技法だけど、「感覚」から「体」の治しに身をゆだねる操体法もお勧めだ。まあ同じことをしている気がする。「体」を通して「心」にたどりつくことはよくある。焦らず、もっと、自分の「原始感覚」を呼び覚ますことが大事ではないだろうか。

操体の本では、抜群に今先生の本がお勧め。今先生の操法には「整体」を越えた観点がある。ぜひ読んでみてほしい。


大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq