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ADHDの二次障害は反社会的行動と非行。発達障害は褒めて育てよう。

ADHDは幼いころから、褒められることが少ない。何をやってもできない、失敗、忘れ物、凡ミスばかりで、「いい加減にしなさい」と親からも怒られてしまう。親も、ちゃんとしつけなければ、周りに迷惑をかける大人になっては大変と思うので、余計に叱るのだろう。

しかし、叱れば叱るほど逆効果になることは覚えておきたい。様々な調査では、ADHDの子供が思春期から非行に走る可能性は非常に高いとわかる。実はこれは精神疾患の一つとして挙げられている。素行障害(行為障害)・反抗性挑戦障害だ。

非行少年たちを、しっかり検査すると、相当のADHD比率なのではないかと言われている。もし、そうだとすれば、これは切ないことだ。

叱ることのデメリット

発達障害を抱える子供の、叱り方・ほめ方に関しては、この本が詳しい。応用行動分析をベースにしていて、説得力がある。

一方的に叱る(罰)には2つのデメリットがある。

ひとつは、罰はどんどん強くしないと効果がなくなること。最初は叱り飛ばして言うことを聞いていた子供も、だんだん言うことを聞かなくなる。そのうちに、殴らないと親の言うことを聞かなくなるだろう。最初は体罰も効果があるが、そのうち、もっともっと激しく殴らないといけなくなる。というように、これは虐待を生んでしまう悪いパターンだ。

残念なことに、日常的に暴力を受けて育った子供は、自らも暴力をふるうようになる。人に言うことを聞かせるには、どんどん罰を強化しなければならないということを学習するのだ。自分が言うことを聞いていないのにね。そこだけ学んじゃうという悲しい結果になる。

もうひとつのデメリットは、嫌悪感や恐れの感情が拡大すること。例えば、母親から繰り返し叱られている子供は、母親だけではなく父親のことも恐れるようになり、その感情は拡大して、大人全般に向けられる。ある先生に頻繁に怒られるようになると、学校全体を嫌うようになり、社会全体への怒りなども発現することがある。罰によって行動を抑制しようとすると、副作用が野火のように広がっていくのだということを覚えておきたい。

大事なのは、褒めて育てることだ。

ADHDを褒める難しさ

ADHDの子供を育てる親にとっては、問題行動を起こし続ける子供を褒めるのは非常に難しいことだろう。褒めるべき点がなければ、褒められない。(もちろん、褒めると、おだてるは違う。)子供がわずかでも良い行動をしている兆しがある時には、すかさずに褒めるということを繰り返すことで、良い行動が強化される。

上記の本には興味深い例が出てくる。クラスの子供たちが、立って歩いてしまうような状況で、ある先生は、たまたま座った子供に「お、座れてエライ」と声をかけるのだ。ウロウロしている子供は無視する。ウロウロしていることは叱らない。ある子どもが座って褒められたのを見た子たちは、こぞって座ったという。(そんなうまくいくんかいなと思ったけど。罰による強化ではなく、褒めることによる行動の強化に関して興味深い)

とはいえ、誰もが、このような知識を持っているわけではない。社会に出ると、ADHDはどうしても、褒められるよりも怒られるほうが多くなるはずだ。そこで、子供たちには、自分で自分を褒める方法をしっかり教えるようにしたい。それが、ADHDの反社会的行動を抑える力になるのではないか。

自分にダメ出ししない

一流と言えるパフォーマーは、自分のことを自分でほめることができる人だという。自分への評価の低い人が、最高のパフォーマンスを行うことはできない。一番自分のことを知っているのは、自分だ。一番知っている人が、一番酷評しているって、パフォーマンス上がりよう無い。だって、本質部分を見極めたうえでのダメ出しだから。

自分への評価が厳しい人は、基本的に、他の人へも厳しい。悪い意味で。批判的に人を見るプロになる。そんな自分に自己嫌悪を感じていたりもするし。批判的な見方によいことはない。だから褒める技術だ。

自分で自分を褒める技術

他の人から叱られたり、注意されたりすることが多いなかで、自分を褒めるというのは簡単なことではない。しかし、褒め方は一つの技術であり、習得することもできるものだ。

そこで役立つのが、日記を書いて、そこで自分を褒めること。自分に対するポジティブな感情を持つのは、普通の人でも難しい。言葉にしないとあまり気がつかないけど。日記にすると、驚くほど、自分に冷酷で打ちたたく言葉ばかり使っていることに気づいたりするのだ。

「今日は●●ができなくてダメだった」

「~~さんは上手にできるけど自分は下手で本当にいや」

実は、こういう言葉のひとつひとつが、実は自分に刺さっている。友人とかに言われると、ぐさっと来て、いつまでも覚えていたりするものだけれど、自分自身でも自分を傷つけていることを忘れないようにしたい。

他人から見れば、

「よくがんばっているじゃん!」

って思えることも、自分の目から見れば、いやいや、まだまだ!まだっていうか最悪。死んだほうがまし。みたいな最悪に低い自尊心だったりするわけだから。ここらで、ちょっと視点を切り替えて、第三者的に自分の「褒められるところ」を毎日記録してみようというのが、分かりやすいこの「ほめ日記」のノウハウ。

出来事を羅列したうえで、「エライ!」とか「すごい」と、自分を自分で褒めていく。気恥ずかしいような気もするが、これも習慣だし、技術なのだ。やがて、他の人に何を言われようとも、自分は自分で良いところがあるという自信が育っていくだろう。

こんな習慣は、ADHDを反社会的な行動に駆り立てないストッパーになるはずだ。今からでも遅くない。大人のADHDも自分を大いに褒めてあげよう。

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq