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ADHDの衝動性と感性の声を聴く力。

自分を動かしているのが、自分ではないような気がすることがある。まあ、変な話ではなくて、ADHD特性の話だ。

すごい衝動が押し寄せてくると、それを止めることはできない。その衝動のままに、あちらに行き、こちらに行き、予想もしなかった展開を経験して、今がある。予想がつかない人生は、楽しいものだが、自分という車のハンドルやブレーキがきかないというのは、少し怖い。いつ、そのスイッチが入るかが分からないからだ。

感性の声に耳を傾ける生き方

今村氏によると、頭の中で浮かんでくる雑念は「感性」だという。そして、その感性を逃さずに聞きとることができる耳を持つことは貴重なことだ。ADHDは感性が豊かだといえるだろう。普通の人が聞こえない、自分の心の声が聞こえる。そして、その声に促されて動いてしまうのだ。

もっと落ち着いて、いろいろなことを計画することができたら、人生は変わっていただろうか。確かに変わっていただろう。しかし、ほぼ確実にマイナスの意味で変わっていたはずだ。ADHDは、感性の声を聴く、人並み外れた聴力があり、素直にそれを出すだけの本能を持っている。もし、その力を彼らから奪えば、ADHDの魂は死んでしまうだろう。

思いついたことをいきなり始める時に、普通には出せなかった馬力が出る。初めてコンテンツ販売をしたときのことを覚えているけど、夜になっていきなりプランが思い浮かんだのだ。そして徹夜をして一気に書き上げた。それで、朝方に爆睡し、実家に帰省していた妻の高速バスのお迎えを寝過ごしたのだった。妻には怒られたが、あの時のコンテンツが、何年も稼いでくれた。

あの時も、この時も、衝動のままに、書き始め、作り始め、企画を打ち立て、、、感性のままに走り出した時の爆発力は、自力では出せないものだった。満月を見て、大猿に変身してしまう孫悟空のようだ。この力を封じ込めるのはもったいない。でも、その力を無制限に出すと、社会生活が営めない。

実際、大人のADHDは、自分の内なる力に気づいている。ただ、社会で生きるのは簡単ではない。ADHDの悩みは尽きない。

つまらないことはできない

大人なら、つまらないと思っても、仕事だからと割り切ることができる。しかし、ADHDはつまらないと思ったら、それを続けることができない。どれほど、気合を入れて、自分で立ち上げた企画であっても、もう心の火が消えてしまっているなら、いったいどうやって続ければよいのかわからない。

人はどうして、心の火が消えているのに、死んだような目をしながら、その仕事をやり続けることができるのだろうか。ADHDの私にはわからない。

そんな自分のことが分かってからは「継続」が求められるプロジェクトの核からは手を引くことにした。本当は、自分で立ち上げたプロジェクトは、わが子のようにかわいいから大切にしたいけれど、最後まで育て上げられないことが痛いほどわかっている。だから、私ができるのは「立ち上げ」だけだ。優秀な仲間たちにすべてをゆだねる。

ロケットスタートはADHDの得意分野なのだ。

次から次へと熱中する分野を変えていく。気がつくと、ありとあらゆることに手を付けている。移り気と呼ばれたり、忍耐力が足りないと言われたり、あてにならないといわれることもある。でも、つまらないことをやり続けるだけの、強さがADHDにはないのだ。

そして、気がつくと、いつも見たことがない風景を見ているのだ。今もそう。いったい、ここはどこなんだろう。でも、時々、なんか懐かしかったりもする。それが、ADHDの風景なのだ。

大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq