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コロナ禍で何もできない時こそ「姿勢を建て直す時間だ」と考えを切り替えた。

毎日、恒例の日記見直しタイムをしていて、ちょうど一年前の3月1日くらいの自分の気持ちを思い出した。新しいプロジェクトに向けて、仲間と連絡を取りながら勢いよく走っていた時期だった。2020年はオリンピックもあるし、特別な年になると確信していた。(まあ、特別な年にはなったけど)

だから、いきなり急ブレーキを踏まれたようだった。あまりにも急にすべてが止まり、計画が白紙になり、数か月は何をどうして良いかわからなかった。前につんのめってしまう感じだった。

これまで休みなしに走ってきたから少し休めってことかなと思い、休むと、今度は休みっぱなしになり、気づいたら一年経っている。本当に予想外の一年だった。みんなそうだろうけど。

でも、こんな時期だからこそ、できることをしなければいけない。走っている時にはできないことを。森内俊之九段の「覆す力」を読みながら、そんなことをボンヤリ思った。

姿勢を建て直す時間

将棋の場合、各種のタイトルを取った棋士は、その名声とは裏腹に、その後が厳しい戦いを強いられることになるという。下手をすると、トップに上り詰めたからこそ姿勢が崩れてしまうのだ。

「将棋のタイトルは、多く取れば取るほど忙しくなり、次の防衛が難しくなる。疲れを感じても、それが抜けないまま次の戦いに向かわなければならない。対局の準備をし、対策を立てる時間を作るにも、工夫が必要だ。」(覆す力(小学館新書)森内俊之 (著) P148)

もちろん、これまでの積み重ねがあるからこそ、トップ棋士になるわけだ。でも、いざ上り詰めてしまうと、日々の防衛に必死でこれまでのような急激な成長は見込めなくなる。何とか日々の激闘をこなすだけで精一杯になる。

だからこそ、伸びしろがあるのは発展途上の若手棋士だという。これは棋士の世界に限らず真実だと思う。

「将棋界における最新情報の発信源は、トップ棋士よりも、時間があって研究熱心な奨励会の有段者か、若手の棋士であることが多い。・・・若手時代は時間もたっぷりあるし、研究に対する情熱もある。しかし、上に行けば行くほど、研究よりも日々の対局が中心になる。最新知識についての研究不足で負けるのは、最前線で戦っている以上、避けることができない。」(覆す力(小学館新書)森内俊之 (著) P210-211)

私は、棋士のようにトップに上り詰めているわけではないけれど、年齢も進んできて中堅どころの仕事をこなすにつれて、だんだん余裕がなくなり、新しい知識を得たり、新しいやり方をしたりできなくなっている自分に気づいていた。正直なところ、このままトップスピードで走っていたら、どこかで大事故を起こすかもという不安もよぎっていた。

そういう面では、これまでの経験を振り返り、新たな戦略を組み立てたり、弱かったところを強化し直す時間をもらえたことは、ある意味でチャンスだった。コロナ禍で急ブレーキがかかってよかったこともある。

それまで、自分の心身のことを顧みずに必死でやってきたけど、メンタルや体の不調をケアするために集中的に時間を取れるようになったことだ。睡眠時間は増え、音読の習慣や、家事・掃除、ウォーキングなど、これまで怠ってきた生活習慣を改善する余裕ができた。

これは即ち、姿勢を建て直す時間だったのだ、ととらえたい。

気持ちを少し切り替えると、今の時間をできるだけ意味のあるものにしたいと思うようになる。この切り替えができるまで、1年近くかかった。少なくとも最初の数か月は呆然とし、半年後くらいにはもがきはじめ、1年後には脱力していた。なかなか人は急に変わる状況に対応できないものだと思い知った。

ただ、思ったように行かない時期こそ、成長している!ってこともあるものだ。これは、何年か後に分ることもあるものだよね。今から1年後の日記を読み返すのを楽しみにしよう。

#コロナ禍 #森内俊之 #覆す力 #姿勢を建て直す

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq