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自分の「弱み・弱点」こそ深堀りすべき宝。目指せKAIZEN型ADHD。

自分の「弱み」にしっかり向き合っていない人は弱い。自分が弱いということを知っていて初めて、弱みをカバーすることができるからだ。薄々気づいても、弱みを見ないようにしていたら、いざという時に、その弱みに足を引っ張られる。弱みに向き合って、どんな工夫で弱みを乗り越えられるかを考え・工夫し・実践できる人は進歩向上する。

ADHDだと診断されたり、自分にその特性があると分かっているなら、それはチャンスだといえる。自分の特性をよく理解している人は、それを「活かす」ことができるようになるからだ。これは、ハンマー投げの室伏氏の逸話から学んだ点だ。

室伏氏の「弱み」

ハンマー投げの室伏氏は、世界レベルで見ると、かなり小柄な選手だ。体重が軽いことは、ハンマーを遠くまで投げるためには不利な要素になっている。しかし、室伏氏は「弱み」を研究することで、それを「強み」に変えてきた。

室伏氏が影響を受けているハンマー投げの名手に、1956年メルボルン五輪の金メダリストのハロルド・コノリー氏がいる。彼は、幼い時に患った小児麻痺の影響で、片腕が10㎝も短いという弱みを抱えている。しかし、両方の腕を均等に鍛えるトレーニングを積んだ。タオルを巻いて右手・左手の長さの差をできるだけなくすように工夫した。彼は、小さな工夫を積み重ねて、世界記録を出せる選手にまでなれたという。

小柄なことにコンプレックスがあった(であろう)室伏氏は、彼に励まされ、その弱みをかえって強みに変えていく。きっかけは、大学院生時代の恩師に教えられた教訓だ。

「ここに1キログラムの重りがあり、 10 キログラムまで耐えられる紐でゆっくり持ち上げると、まったく問題なく持ち上げられる。しかし紐を一気に勢いよく引っ張ると、 10 キログラムまで耐えられるはずの紐が、切れてしまうほどの力を加えることができるという話です。この話は、体重が軽くても、一瞬であれば大きな力を発揮できる、という説明だったのですが、私はこれをハンマー投に応用したのです。」

タイミングを逃さず、一瞬にエネルギーを凝縮すれば、大柄な選手を凌駕する力を発揮できるはず。室伏氏は高速回転しながら、正確にハンマーを加速できる練習を積み続ける。室伏氏が開発した方法は「高速4回転投法」と呼ばれる。単なる力技で、ハンマーを遠くまで飛ばそうとしたのではなく、高速で回転し続け、正確なタイミングでハンマーを放つ練習をし続けたのだ。その結果、2004年・アテネオリンピックの男子ハンマー投金メダリストという栄誉を手にすることになった。

KAIZEN型ADHD

ADHDとして、人生のあらゆることに「できないこと」が多いのは良いことだと思っている。それだけ、工夫の余地が生まれるからだ。一日一歩でもKAIZENできれば、できなかったことが、できるようになる喜びを経験することができる。いわば、KAIZEN型ADHDにとっては、人生はチャレンジで満ちているのだ。

かえって「できる人」は、それが普通だから、何の努力もしなくなる。上限まで行けば「これ以上はできないんだな」と簡単に納得してしまうだろう。しかし、ADHDはそうではない。今まで、一歩ずつ小さなハードルをクリアし続け、できなかったことが、どんどんできるようになっていることに気づいている。そうだとすれば、もっともっと上に行けると分かる。

気がつくと、もともとできる人。無難に何でもできる人を、はるかに越えるほど、多くのことができるようになっているのだ。私はそんな人でありたいと思っている。

日々、KAIZEN!

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq