ADHDは治らない?でも食生活を改善すれば・・(糖質制限・高たんぱく食)
ADHDは投薬で治るものではない。自律スキルや、ソーシャルスキルをコツコツ訓練するしか手がない。ASDやADHDは、病名のように喧伝されるけれど、治療法がほとんどないのだ。
しかし、そのような中で、栄養療法からADHDに迫るというアプローチがあるのをご存じだろうか?メガビタミン・高たんぱく質療法で、数々の精神疾患に挑んでいる藤川氏の本のなかに、ADHDの子供を治療した例が取り上げられている。
ADHDは食生活を改善しよう
藤川氏が治療した、A君の場合も、ADHDの子供も血中のたんぱく質濃度が低く、鉄分が足りておらず、貧血寸前だったそうだ。そして、母親も、ほとんど同様の検査結果だったのだ。
結局、普段の食生活が響いている。
ADHDの特性を持つ人は、糖質過剰・低たんぱく質が多い。糖質が過剰だとセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質が作られなくなる。糖質制限とADHDとの関係は、様々な研究が発表されている。(参考:糖質制限ダイエットに成功するために──カロリーではなく食べる“もの”を選ぼう)
A君の食生活を調査すると、パンやお菓子などは食べるけれど、ちゃんとした食事をしていないことがわかった。しかも、肉や魚などのたんぱく質は、ほとんど摂っていない生活スタイルであることがわかった。そこで、A君とその家族に対して、藤川氏の食事療法が始まったのだ。
ちなみに私も、もう5年以上、糖質制限を続けているが(だいぶ緩くなってきたが)、以前よりはるかに体調がよい。ADHDは治った感はしないけれど、メンタルの安定が大きなメリットになっている。
お菓子にプロテインバー
A君は、卵や肉をあまり食べようとしなかった。しかも、プロテインも飲もうとしない。実は、たんぱく質が不足している人は、急に高たんぱく食に変えると体が受け入れないのだ。私の場合も、プロテインを飲みだしてから、口の周辺に、ふきでものなどが出てこまった。消化できないという体からの合図だ。ちょっとずつ増やしていくのがよい。
A君の場合は「プロテインバー」をお菓子代わりにすることで、日々のプロテイン摂取を少しずつ増やしていったのだとか。実は、うちにもプロテインバーが常備されている。これは、保存食がわりなのだ。1本で15gプロテインが摂取できる。そんなに多くないけど、摂取しないよりマシだろう。
まあ、正直なところ、たんぱく質よりも、マーガリンやショートニングのほうが気になっちゃうが、それでも、単にスナックやチョコで済ましていたお菓子から、プロテイン入りのお菓子に変える効果は計り知れない。
実際、A君も2か月後の診察では座っていられるようになり、3か月後には座って話を聞けるようになった。それと比例して、血液検査の数値が正常に近づいていることが分かったので、食事と症状の相関関係は明らかだ。
高たんぱく食のメンタル安定効果
子どものADHDへの食生活指導は、大いに価値がある。そして、忙しいビジネスマンの多くが、糖質過剰食生活に陥っているはずだ。私も以前はそうだった。トースト・ラーメン・パスタみたいな一日だった。しかし、今では毎朝プロテイン、昼も夜も、ことあるごとにプロテインだ。豆腐や卵も頻繁に食べるようにしており、メンタルの安定効果は見られてきている。
たんぱく質は、幸せを感じさせる「セロトニン」や、喜びを感じさせる「ドーパミン」の材料となる。だいたい、自分の体重の1000分の1くらいのたんぱく質を摂取することを目標にしていくと、体や脳が普通に働くのを実感できるはずだ。(60キロの場合はたんぱく質60g。普通に生きていると、なかなか摂れない量だ。)
ADHDと共に生きる工夫
ADHDは薬物療法で一気に治ったりしない。コツコツ心理学の知識を当てはめても、劇的に改善したりはしない。生きづらさはずっと続く。しかし、日々の食生活を変えるだけで、大いに改善が見込める(可能性がある)。やらないだけ損というものだろう。
でも、ほとんどの人がやらない(ことはわかっている)。糖質の中毒って、思いのほか強いし、周りは糖質ばかりなので、ほんとに何を食べて良いかわからなくて、すぐに挫折してしまう。
メガビタミン・高たんぱく質・糖質制限を、うまく組み合わせることができれば、挫折を防げると思う。私も5年以上、試行錯誤してきた食生活の実践だ。藤川氏の本だったら、この本が一番おすすめ。
もしかしたら、人生とメンタルが全く変わるかもしれない。