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初心に戻る凡事徹底の教え【書評】ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる 心を洗い、心を磨く生き方 鍵山 秀三郎

小さな店舗を経営していた時に、鍵山氏の本を読み、早朝から掃除をしていた日々を懐かしく思い出した。毎日のトイレ掃除、廊下の掃除、窓掃除、ありとあらゆる掃除グッズを用意し、早朝から掃除に明け暮れていた。結局、あの店舗はつぶれてしまったけど。

突然、鍵山氏の本を読みたくなり手に取った。たまに、こういう本を読むと心が洗われる。

凡事徹底

「私がいままで歩いてきた人生をひと言で表現すると、「凡事徹底」、つまり「誰にでもできる平凡なことを、誰にもできないくらい徹底して続けてきた」ということに尽きます。人が見過ごしたり、見逃したり、見捨てたりしたものをひとつひとつ拾い上げ、価値を見出す。やれば誰でもできる平凡なことを徹底して、そのなかで差をつける。「ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる」 私の信念を込めた言葉です。」

鍵山氏と言えば、掃除。掃除の人だ。本業は、イエローハット創業者だ。それすら分からなくなるくらい、掃除で有名な人。最初は社員も賛同してくれず、鍵山氏がトイレ掃除をする横で用を足していったり、掃除しかできない社長だと揶揄されたり、経営コンサルタントから社長に向いていないと言われたり、さんざんな目に遭っているんだけど、それでも、やり続ける、不屈の忍耐心が鍵山氏の成功哲学の根幹にある。

「十年偉大なり、二十年畏るべし、三十年歴史なる」

鍵山氏の座右の銘である中国の故事だ。10年、20年、30年と続けるうちに、今では、鍵山氏の掃除の生き方が、世界に波及している。目の前の小さな凡事を確実に片づける人でなければ、大きなことは無しえないというのを、まさに人生を通して表現しているのだ。

人の心の磨き方

人の心は、そう簡単に磨けるものではない。ましてや、心を取り出して磨くなどということはできない。心を磨くには、とりあえず、目の前に見えるものを磨き、きれいにするしかない。とくに、人のいやがるトイレ掃除を長年続けていると、知らず知らずのうちに自分の心も浄化され磨かれるようになるのだという。 人は、いつも見ているものに心も似てくるからだ。

心の磨き方、自己啓発、どんなにきれいな言葉で語ろうとも、実態が無い様に見える。それをとことんまで落とし込んだのが、トイレ掃除なのだ。結局、目に見えないものを磨くということはできないわけで。本気で、今、目の前にあるものを磨くことができる人しか、心を磨けないというのは、なかなか深き教えだなぁ。

改めて、凡事徹底

大きなことを考えすぎて、目の前が見えなくなっていると感じることがある。そんな時こそ、まず、自分の身の回りの掃除、整理整頓からスタートしよう。ゴミを目にしたら、腰をかがめてサッと拾う。この実践を続けているだけで、気づきに対する直観力が研ぎ澄まされてくるはずだ。

こんな大事なことも、定期的に忘れてしまうんだから、考えなくてもできるくらいに自分の体に刻み込みたいよね。

先日読んだこの本も良かった。それほどストイックではないけれど、読んでから身の回りが少し片付き始めたぞ。

#鍵山 秀三郎 #そうじ道  


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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq