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女性のADHDは大変。【書評】ADHD女子革命: 自分のことが大嫌いだった私が、自分を大好きになって幸せになれた方法 緑川アイラ

とにかく正直な緑川アイラさん。愛らしい女性だ。結婚後半年でご主人を亡くしたとの壮絶な経験を持つ。ADHD特性のある人は、とにかく頼れる人にはとことん頼りたいと思うはずなので、その喪失が彼女にどれほどの打撃を与えたかを思うと切ない。

女性のADHD、特に恋愛に絞って書かれており、単に「あるある」を越える、彼女の生きざまとADHDを乗り越えてきた姿勢に学べる。

女性のADHDは大変

若い女性のADHDは、男子のそれよりもはるかに大変なのだと気づかされた。社会が女性には家事や雑事を完璧にこなすことを求めるものだ。知的なクリエイティブさよりも、言われたことを正確にこなすことを要求する世の中だ。しかし、ADHDは、雑務が苦手なのだ。一般に女性に期待される家事・掃除・家の管理などが、ことごとく苦手なのだ。

私も雑務に関しては、ひどい有様だったけれど、女子社員だったら、すぐに退職している自信がある。

私の場合は、結婚して自分の苦手をすべてカバーしてくれる女性だったので、いまは、ADHDの苦しみから相当に解放されている。実は男性でもADHD女性をしっかりフォローできるタイプというのはいるのだが、狙って出会うのは簡単ではないかもしれない。

ADHDと依存症

本人は下ネタというけれど「簡単にHをしない」とか、きわめて真面目な話がページを割いてしっかり取り上げられている。

ADHDの脳は、とにもかくにも、ドーパミンを求める。著者はADHDの女性が出会ってすぐに、恋愛やHに走ってしまうのは、そのためだと分析している。ADHDは依存症になりやすいタイプなのだ。自分のタイプとして、そのことを知っておかねばならない。

そのうえで、ドーパミンが出ること「ワクワクドキドキすること」を生活の中で少しずつ増やすことを勧めている。アルコール・ギャンブル・オンラインゲーム・性・・・依存症になりやすいものには要注意だ。少し努力したとしても、本当に気持ち良い!と思えることで、ドーパミンを出すようにしていきたい。

自分の特性を理解し、自分を適切に使えるようになると、ADHDは楽になれる。自分の取扱説明書を作るまでが、一苦労なのだ。私自身もそう感じている。今になって、ようやくコントロールが効いてきたが、こういうことを20年前の自分に教えてあげたかったと思う。

まあ、あの時は、あの時で言うこと聞かないだろうな。ADHDにもがき苦しみつつも、イキイキと生きたい女性にぴったりの一冊だ。


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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq