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大きな伝染病と社会の転機は歴史的に繰り返されているらしいことが分かったいい本に出逢えました〜ペストの記憶〜

伝染病に関する、もう一つの名作

ウィルス

”商業活動は全て止まり、働き口もなくなった。仕事にあぶれた貧困層は食べ物も手に入らない。・・・ロンドンにとどまっていた何千人もの人々が、絶望以外の何もなくなった街からさまよい出て、路上で息絶え、死の使いとなった。”
ー『ペストの記憶』本文から抜粋

新型コロナウィルスから、外出を控えて自宅で過ごす暮らしを、もう1年以上続けることなっております。

私は当初、

なんだかんだで結局経済が回らなくなって、結局元通りにせざるを得ないんじゃないかな

なんてちょっと楽観的に観てしまいました。。

でも、もうアフターコロナではなくウィズコロナの時代。向き合った方がいいよなぁと。

あの名著『ロビンソン・クルーソー』の著者が書いた伝染病の小説があるということで読んでみようと思いました。

それが著書『ペストの記憶』という作品。

最初はカミュの『ペスト』を読もうかなと思ったのですが、本書は

当時の公的文書や個人の記録などを基に再現した小説

と銘打っていたのでこちらにしてみました。

まだ全部読みきれてないのですが、

・感染者とその家族への迫害
・貧困層の方がはるかにペストにさらされる
・詐欺薬品や偽医者の横行

というような、今の新型コロナウィルスと似たような現状に陥ってたのだと言います。

もちろん、昔の方が今と比べ、貧困や食糧、労働問題は相当だったと言えますが大まかな傾向は300年前と一緒なんだと思うと、学べることもたくさんあることが分かります。

社会の転機は「歪み」が目に見えたときに一気に起こる

恐怖

何より、影響力の大きい感染症は

膨大な死亡者
それより膨大な失業者
そこから見えてくる社会の理不尽さ

みたいな歪みが浮き彫りになり、経済や社会構造を組み直す転機となっていたということが分かったのが個人的に大きいです。

というのも、新型コロナウィルスも

失業者はどんどん増えていくのに、株価はどんどん上がっているのだ

ということが以下のチャートで分かったりします。

日本の場合、非正規の待遇が正規と比べるとかなり弱いことがもう上の図で浮き彫りに。。

そして株価が上がっているということは、景気自体はいいという矛盾(?)です。

簡単に言ってしまえば

お金持ちはコロナでお金持ちに、貧困層はコロナでより貧乏に

ということが図で明らかになってしまったのではないかと思われます。

私は経済学者ではないから、正直実際にそうなったのかは不明ですが、知人の話や本を読む限りではそうとしか思えないのです。

そんな歪みが顕著になってしまったから、2021年ダボス会議にて

グレート・リセット

という経済・社会基盤・環境・テクノロジー、果ては人間らしさまでを見直したリセットを提示しております。

本書を読んでいまさらながら

いま、まさに歴史の転換点に立っているのだな

と実感せずにはおれませんでした。。

今日は短いですが、ここまでにしておきます。物語でしたけど、ルポルタージュにも思える本書、読みやすくておすすめです。


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