「コミュニケーションの行方（その２）」

大阪市旭区新森５丁目。ここが私の育った町だ。10分ほど歩くと、千林という大阪で一番早くに歳末バーゲンをする商店街がある。1957年、中内功氏がこの地に、ダイエー1号店を開店した。私が子どもの頃、1975年頃は、既存の商店。公設市場と共に盛り上がっている素晴らしい商店街になっていた。
　
普段から混雑していたが、年末ともなると人で溢れかえる。魚屋の大将は、しゃがれた声でレコメンド。かしわ屋（トリニク）のバイトは呼び込みの声をあげる。足利屋さんの店先にある果物ジュースからは、魅惑的な甘い香り。人、人、人である。
　
これが、パワーを生んでいた。これが、2020年3月までの地球であり、世界だ。これが、コロナによって終わったのだ。
　
懐かしさに浸るのは一瞬でいい、絶望とは、望みがないことではない、立ち止まってしまうことだ。周囲を見回せ。道は、必ず拡がっている。