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水は高い所から低い所に流れるのである

写真はだらけきったウサギ。
最近こんな感じである。
ちょっとツチノコっぽいな。

今日はみちこ(母)の話をしよう。
みちこは84歳。1月9日で85歳になる。

私が小学生のころから何度も大病を患っている。
手術なんて何回してるの?って感じだ。

数年前も「胸が苦しい」ということで
救急搬送された。
案の定心臓が悪くなっていて
緊急でカテーテル手術をしてもらった。
夜間だったのだが、たまたまカテーテル担当の
ドクターが宿直だったらしい。
ほんと危なかった。

なので今も血液をサラサラにする薬を飲んでいる。
ステントという金属?が入っているので
つまりやすいかららしい。

他にも糖尿病でインシュリンも打ってている。
この辺、遺伝もあるから私も気にはしている。

若いころはメニエル病にもなった。

「天井と床が回る~」

と言っていたな。
まだ子供だったのでよくわからなかったが、
どうやら天井と床が反転している感覚らしい。
そりゃ気持ち悪いわ。

なのでずーっとめまいがしているから
起きていられない。
代わりに私が家事をしておった。
当時小学3~4年だ。
ちなみにとしはる(父)は昭和一ケタなので
そういうことは一切やらない。

幸い近所に親戚が何軒かあったので
おばちゃんたちに随分と助けてもらった。
今考えてもほんとありがたい。
だから墓参りは欠かせないのである。

他にもとしはるが交通事故を起こしたときに
みちこだけが車のウインドウガラスを 
ぶち破って道路をスライディングして入院とか

心臓の関係で定期的にCTを撮っているのだが
そこで胃の外側に腫瘍(ジストというらしい)が
見つかったりとか

あー!そうそう。
乳がんで片方切除してますわ。

なんか病気のオンパレードである。

ばあちゃん(みちこの母)は60ちょっとで
亡くなったので、みちこも長生きは 
難しいのでは?と思っていたが、
なんとかかんとか85歳まできた。
ありがたい限りだ。

そんな人生を送ってきたみちこなので
基本私も弟も「おふくろ大事」な感覚だ。
まあ基本的に男の子はおかん好きやからね。
それはこの歳になっても変わらない
・・・・はずだった。

実はそのみちこに対していろいろと
思うところがある。

年齢的なこともあるのだが、耳が少し遠くなった。
まー元々人の話を聞いてない人ではあったが、
更に聞かなくなった感がある。

先日も休みの日に耳鼻科に行こうとしていたら
声をかけてきた。

み「あんた休みか?」

私「うん。休みや」

み「どこ行くんや?」

私「耳鼻科」

み「あ、自治会か」

こんな感じである。
こちらもそれに合わせて声が大きくなる。
これ、結構疲れるのよね。

でもそれを本人にいうと「キレる」。
めんどくさい話だ。
そういや、昔に比べてキレやすくなった気もする。
すぐ拗ねるし。

他にも「謎行動」がままある。
この正月もあった。

おせち料理が入っていた重箱を

「それ欲しいわ」

と言い出したのだ。

「何に使うの?」と聞くと

「ちょっとしたもんを入れる」

という。
その重箱は薄いけど大きい。
それが3段になっているし
ロックも出来ない代物だ。
ということは

置いたら動かせない

ということだ。
それ、どこに置くの?と突っ込みたくなった。
しかも重箱は簡易的な作りのやつなので
強度的にはかなり無理がある。
なので奥が

「お義母さん、これあんまよくないで他の箱をあげるわ」

と言ってくれたが、あまり納得している様子がない。
そこでちょっとイラついてしまい

「いらんもん多すぎや。捨てろや」

と言ってしまった。

するとみちこは「スクッ」と立ち上がり、
自分たちの部屋に戻っていった。

その直後である。
みちこがとしはるに対して

「あんた!!*@#%$$・~!!!!!!!!」

なんかキレてる。
多分私に言われた悔しさを
としはるに発散しているようであった。
その数日後も似たようなことがあった。

これはまずい。
私がみちこに注意すればするほど
としはるが被害に遭ってしまう。
若いころは勢いがあったとしはるだが
もう91歳。逆らうパワーは微塵も残っていない。

これ、いじめとかでよくあるパターンだ。
いじめっ子にいじめられた子が、
自分より弱い子をいじめてしまう。

そう最終的には一番弱いものに暴力は向かう。
水は常に高い所から低い所に流れるのだ。

これは私もちょっと反省をした。
なかよく60年連れ添った夫婦が
このタイミングでギクシャクしては超まずい。
まだまだ長生きしてほしいと思っているし
平和な生活を過ごしてほしいのだ。

でもこれからもイラつくことはあるだろう。
そのときこそ習ったスキルをフル動員して
おだやかにやり過ごそうと思う。
あまり自信がないのだが・・・


追伸1
そういえば私がまだ幼いころ
みちこもすごく元気だった。
そして超怖かった。
そのときの感じに似ているわ。