勝利への心理学：女子ゴルフメンタルトレーニング

笠原彰　とちぎスポーツ医科学センター協力心理相談員　プロメンタルコーチ　作新学院大学教授

2024年2月13日 20:00

私たちの精神状態は、スポーツのパフォーマンスに大きく影響します。特にゴルフのような精密さと集中力が求められるスポーツでは、メンタルの強さが成績に直結すると言っても過言ではありません。今回は、女子ゴルフ選手に対してメンタルトレーニングの指導を行いました。

自律訓練法の振り返り

自律訓練法は、選手が自らの心身の状態をコントロールするための手法です。この方法を用いて、緊張感を和らげ、リラックスした状態へと導かれます。特に、心臓の調整練習を通して、心拍を自然に規則正しく保つことを学びました。

無意識の動作と練習量

ゴルフでは、技術の反復練習が非常に重要です。1時間に300～400球を打つ練習を通じて、無意識のうちに正確なショットを打てるようになります。

スコアと技術の問題点

最終組でのプレーにおいてスコアが崩れがちな問題、特にセカンドショットやアイアンの精度の低下、グリーン上でのポジショニングの課題にも焦点を当てました。

メンタルの課題

対戦相手のスコアが伸びるとメンタルに影響を受け、自身もスコアを落とす傾向にありました。また、相手のバーディーに対するプレッシャーが失敗の原因となっていることが明らかになりました。

楽しむことの重要性

スコアを出すためには、プレーを楽しむことが不可欠です。しかし、実際には楽しむことができずにピリピリした状態でいることが多いです。ここで、笑顔やガッツポーズなどのポジティブな行動を取り入れることで、感情を前向きに保つことを推奨しました。

視線の管理

視線の向け先やアドレス時の体の向き、重心の配分、グリップの強さ、ボールの位置など、細かな技術的なアスペクトにも注目しました。また、スコアボードを見ることなく、現在に集中することの重要性も強調しました。

マインドフルネスの基本

アクセプタンス（受容）、ノンジャッジメント（非評価）、ビーイングザプレゼント（現在にいること）というマインドフルネスの基本概念を選手たちに教え、自律訓練法を活用してこれらを実践する方法も共有しました。

メンタルトレーニングは一朝一夕に成果が出るものではありません。継続的な指導と選手自身の努力によって、徐々に成果が現れてきます。これからも選手たちが心身ともに最高の状態でプレーできるよう、サポートを続けていきます。

笠原彰プロフィール：

作新学院大学メンタルトレーニング教授
とちぎスポーツ医科学センター協力心理相談員
プロメンタルコーチ
自己肯定感養成プロコーチ
ライフバランスアーティスト
健康運動指導士
メンタルヘルスファーストエイダー
メンタルヘルス運動指導員

アスリート、コーチ、指導者、ビジネスマン、音楽家など、人生をより豊かにしたい全ての方の挑戦をサポートします。

専門的な知識を習得したプロメンタルコーチとメンタルアスリートを養成しています。完全個別指導でプロメンタルコーチとアスリートを養成します。

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