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『ガチガチの世界をゆるめる』 澤田智洋 (百万年書房)

2020年に読んで一番心を揺さぶられた本。
大大大好きな本になります。

手に取ったきっかけは著者が子供の頃海外在住経験があり「普通に憧れるけど普通は嫌」ということを書いていたこと。私も同じことを感じて悩んだことがありました。少しでも似た経験がある方から人生のヒントが欲しかったのだと思います。

でもこの本の中で、それは、著者の想いと現在の活動を形成した背景の一つにすぎませんでした。著者の現在の活動やそれに至る経験は、言葉の通り笑いと涙なしには読めませんでした。本読んで笑い泣きってなかなかない。
同時に、著者の強い意思を感じます。この人は本当に新しい世界を創ろうとしているんだな、と。

そして、読者を「YURU」の世界へと誘ってくれるのです。
形式で多様性を謳うのではなく、日本独特の良い加減さや寛容さを入れ込んだ、とにかく"inclusive"で"playful"な概念が「YURU」。
心地良い自由がそこにはあります。

私自身、まず、自分自身がひどくガチガチで、自分で自分を枠に収めているのだなと痛感しました。そうすると当然周りに対してもガチガチな対応になります。固定観念は恐ろしいです。
「ちゃんとしなきゃ」とばかり思ってしまって、「変えて良いんだ」って思えることってなかなかないですが、ただ単に自分でそうしてしまっていただけでした。変えちゃえば良いんだ。

先日読んだ『京大変人講座』にも記載があったのですが、ここ最近世の中の息苦しさ、生きづらさ、を前向きに変えていこう!という内容の本が増えてきている気がします。
すごく嬉しい。

そして、これも『京大変人講座』との共通点なのですが、「ユーモアを忘れない」、「眉間にシワを寄せるというより、ルンルン気分で口笛を吹きながら進めていく」、「まあ、こんなもんちゃう?」というスタンスが本当に好き。

ところで、コピーライターの方ってなんでこんなに文章上手なんでしょう。読んでてスーッと体に染み込んでくる語り口です。自分がSNSでフォローしているコピーライターの方みんなそうなんですよね。プロとはいえ、本当にすごい。

最後に、この本に出会わせてくれた誠光社のご紹介。
個性の光る本が凝縮されてる空間。お店のサイズが本を選ぶのにちょうどいい。こちらでじっくり本を選んで、隣のカフェでじっくり読むのが至極の時間です。
たまたま手に取ったこの本を私は時間を忘れて隣のカフェで読んでしまいました。
京都に行かれた際はぜひ。


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