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味覚障害なのか?鈍麻なのか?

志田の発達障害であろうエピソード【味覚編】

当時付き合っている恋人が”発達障害かもしれない”なんて人に言えなかった。ひたすら自分の内に留めて違和感を持ちながらも18年も過ごしていた。別れて何年も経った今になって、吐き出さないといけない!衝動に駆られて書きなぐるシリーズ。



*****



出会って間もない頃。


ランチ時にイタリアンなお店に入り、志田はミートソースパスタをオーダーした。その時、私自身は何を食べていたのかはもう覚えていないけど、志田がミートソースパスタを食べるさまは鮮明に覚えてる。

「お待たせ致しました。」
ウェイトレスがミートソースパスタを志田の前に置く。
志田はおもむろに、傍にあったタバスコを手に取りミートソースパスタにかけ始めた。

ドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバ

”この人、結構かけるんだな…辛いのが好きなんだな。”


ドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバ

”ん?まだかけてる。”



ドバドバドバドバドバドバドバ

”え?まだかける?”


ドバドバドバドバドバ

”やっと食べ始めた。”

若干引き気味な私。
「そんなにかけて辛くないの?」

「ん?あ、タバスコ?辛くないよ。何食べても味しないからな。ゴム食べてるみたいで。」


と、言うとまたタバスコをドバドバとかけ始めた。

「やっぱり味薄いわ。」


志田は辛くないらしい。バクバク食べてる。
しかし、顔中から汗が玉のように吹き出てる。
舌で辛味は感じていないようだが、凄い汗をかいており体は正直な反応を見せている。


”なんだ?この人、変やなぁ。”

とは思ったけど、その時は志田を好きな気持ちの方が勝っていたから、こんな味覚の人なんだろうと思うに留まる。


その後も、味が薄いとタバスコやマヨネーズやソースをふんだんにかけ料理の味を殺して食事を堪能する志田だった。

発達障害には味覚が鈍麻になるというケースもあるようだが、その時の私は知る由もなく、ただの辛党濃い味好きな人としての印象だった。

しかし、どうしても忘れられない衝撃の言葉は、口に入れた食べ物を
「ゴムみたい」
と表現したことだ。二人で色々食事をしたが、出汁で炊いたような薄味のものは素材もなにもわからなかったのだろうと思う。実際、懐石や京風のものなどは好まなかった。
味のわかりやすい食事、焼き肉とか火鍋、ハンバーグ、かつ丼、唐揚げ、そういうものばかりだったなと、今になって思う。





クレーマーと化す。


初めて入ったお好み焼きの店。その店はマヨネーズをかける場合は別料金(確か50円位?)だったのだが、志田は店主にクレームを入れた。

「今どきマヨネーズに金を取るとはどういうことや!
俺の行ってる店は全部マヨネーズかけて出てくるで!」
その店個々でやり方も値段設定もあろう事を、他所と比べて引き合いに出す。
私としてはマヨネーズなくても、まぁそんなお好み焼きもあるよね、程度の認識だが志田にとっては許せない事らしい。
散々クレームを言い、マヨネーズはサービスさせる、こういったやり方は志田の得意技だった。




マヨラーよりマヨラーだった。

なお、マヨラー志田はコンビニでお弁当を買うと必ずコンビニに売ってあるマヨネーズを買う。そしてそのお弁当1個に対しマヨネーズを全部使っていた。
その当時、流行っていたのが【慎吾ママのおはロック】だった。慎吾ちゃんがマヨラーを公言し、世間ではマヨネーズ好きが増殖していた頃だった。
そんな背景もあって、志田の異常な味覚を異常だとは思わない自分がいた。





無料でもクレーム。

またまたある時。
その日はラブホに篭っていた。
お腹が空いてきたけれど、外に出るのは億劫だなと話していたら、そのホテルのサービスで料理を無料で提供してくれると書いてある。
早速、ハンバーグ定食とステーキ定食を頼んだ。


それぞれ、味がついているので余分な調味料は付いてこない。
志田がステーキを1口食べ、固いなぁと文句を言い出した。
「ちょっと、ソースとマヨネーズとタバスコ持ってきてよ。」
とフロントに電話をかける志田。
程なくして、調味料一式を持ってきたスタッフにステーキが固いと文句を言っている。
無料の料理に文句を言うのか、私はしないけどなぁ、とは思ったけど黙ってる。付き合いも長くなると、いちいち注意したところで自分の我を通すまではわめき散らすのでこっちも言わなくなる。私は一人黙々とハンバーグ定食を食べていた気がする。


志田は最もらしく
「無料のものであってもサービスするならば客が満足いくものを出せ。まずは肉、柔らかい方が良い。そして味付けが薄い。そしてご飯は大盛な。」
等と、しつこい位に説教していた。
今考えれば、クッソ面倒な客だ(笑)それもラブホテルで、何言ってんだ。


ゴネた奴が得をする、を地で行く男だったのだが、その当時の私は

ちゃんと意見を言う男らしい人

と言うフィルターがかかっていたのだ。
なんでこんな男が良かったのか、今の私は不思議でならない。



*****



情けない。


何年も前の事思い出したくないのに無理やり振り絞り書いていたら、とても情けなくなってきてもう消えたい。(笑)

味覚に関して、辛党とか濃い味好きとかを通り越していたというエピソードである。


ほかにも今思いつくところで【説教編】【凝視編】【歩き方編】【収集編】【オウム返し編】などなど。

きっとまだある。キモ…。