見出し画像

物を大事にすることと捨てること

冬のバイク通勤は辛い。
ほんの10分程度のくせに辛いとか言っていたら怒られそうだが、辛いんだ。
寒いから。

長年使っている大判のショールがある。
冬になったらほとんど毎日活躍している。
白と黒の千鳥柄でどんな服装でも合わせやすいシンプルなウールのショールだ、そして温かい。


「お誕生日おめでとうございます。」
と、いきなり、昔勤めていた会社の後輩の女の子さかもっちゃんに貰った。
すごく嬉しかったのを覚えている。
いつもご飯に連れて行ってくれるからと、お礼も兼ねてとのことだったようだ。


あれから15年ぐらい経つ。


ショールに毛玉ができている。
何年か前に電気ストーブに触れてしまい、3センチぐらいの穴を開けてしまってる。

それでも使っていた。
気に入っているのもあるが、店頭の素敵なマフラーやショールを見ても買おうとも思わなかったからだ。


今日、久しぶりにクローゼットの中からそのショールを出してみて思った。

くたびれているなぁ。

毛玉がいっぱいあるが大判過ぎて取る気持ちも失せる。めんどうくさい。

新しい物、そろそろ買うか。


本格的な冬はもうちょっと先。
それまでに、新しいマフラーを買おう。

さかもっちゃんがくれたストールは、使いやすくてコーディネイトしやすくて、暖かくて、毎冬重宝した。
彼女がくれたような物は、もう見つからないかもしれないなと思う。
同じような素材、柄、サイズ、あるだろうけどそこに彼女からもらった気持ちはないしな。
事実、暖かい素材でできたショールだったけど、暖かいと思わせるのは素材だけではなかった、彼女の思いも入ってこそ暖かったんだろうと思う。

さかもっちゃんが私の好みを把握してくれてあのショールを選んでくれたこと、箱を開けた瞬間それがわかった。本当に嬉しかった。
サプライズプレゼントにも驚いたし。


十分すぎるほど使わせてもらった。
遠くにお嫁に行ったと聞いたきり風の噂も聞かなくなったさかもっちゃん。
ありがとうと感謝をしてショールを処分する。





ついでに、あと2本のスカーフも使わないやと一緒に処分することにした。くたびれている物をいつまでも身に着けていると、運気も下がるらしいのでね。

#やさしさにふれて