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夜と霧

約10年前、当時の同僚より、もう読まないからと貰った1冊の本があった。

表紙が白黒の写真で暗い印象を受けたのもあり、目次をパラパラと見ただけで読まずに本棚で眠っていた。

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あの時は、モノクロの写真の表紙の本だった。
同僚と戦争の話をしていたんだ。

読んでみなよ、あげるから。この本読まずに戦争語っちゃだめよお。

そう言って、同僚は渡してくれたんだ。







ちょうどその頃、私は会社の労働組合から
「きんにくちゃん、体力ある?あるんだったら、ちょっとボランティアに参加してよ。」
と誘いを受け、行き先が沖縄っていうのも魅力の一つだったし、ホイホイと快諾した。

そのボランティアってのが平和行動ってやつで、その当時の私は戦争のことや平和の事、沖縄が抱える問題なんて全く関心を持っていなかったのだ。
なんの予備知識も持たないまま、体力を付けなきゃと肉体トレーニングだけはしっかりやって、その平和行動に参加した。
梅雨明けしたばかりの沖縄の容赦なく照り付ける太陽の元、嘉手納基地の回り17キロをデモ行進するってやつなので、マジで体力が必要だった。
平和ボケした私だったが、全ての行事が終わって沖縄を後にする頃には、すっかり考え方が変わっていた。
この一連の経験が私にとって大きな影響を持っている。

今回はその平和行動についての話ではないので、この件は別の日に記することにする。






冒頭の話に戻る。
同僚からもらった本、夜と霧。

当時は仕事が忙しく、子供の学校行事などにも追われ、読んではいなかった。
そして3年前の断捨離で処分をした。




今の今まで、その本のタイトルも著者も脳内からきれいさっぱり無くなっていたのだけど、放送大学の講義の中で”フランクル”という名前が出てきた。
続いて”夜と霧”と”ドイツ”と”ユダヤ”と”アウシュビッツ”。

心理学を学ぶなら、ぜひ読んでみてとお勧めしている本だった。





( ,,`・ω・´)ンンン?なんかあったぞ?
聞いたことあるぞ。
なんだっけ?



昔、貰った本や!(メルカリしたから無いけど・・・)







ああ、あの時、読んでおけばよかったなぁ。

でも、本って読むべき時に読みたくなるようにできている、のかもしれない。

あの時はまだ読むタイミングじゃなかったのだろう。





そんなわけで、図書館で借りて読んだ。
表紙が違っているけど、これだ。
どうやら新版なのだね。


ちなみに、講義の中でお勧めしていたのは、この本の翻訳をされた池田香代子さん。


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この本は、どんな自己啓発本なんかより為になる。(と私は思う)
生きる意味、を感じられる。
書評なぞ私の拙い文章で書けっこないので、興味のある方はリンクを見ていただきたい。




あの時に、同僚がこの本を勧めた意味、今やっとわかった気がした。