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障害をポップに語ってみる〜わたしの説明書〜

私はフラフラと色々なことに取り組んでいるし、取り組みたいと思っているのですが、軸にあるテーマは「違い」です。
ピーマンが好き・嫌い、水色が好き・嫌い、走るのが得意・苦手、目が見える・見えない……。
人と人、さらに言えば人と非人間にも様々な「違い」があります。
そんな「違い」に興味があるし、「違い」が交わる場や瞬間をたくさん見たいな~という思っています。そもそもなぜ「違い」に関心を持つようになったかというと、私自身が障害者で、「違い」が身近だからというのが、一番大きな理由です。

色々な違いがあるなかで、みなさんは「障害」にどんなイメージがありますか?
私はもっとポップに「障害」について話せればいいなと思っています。
新しく学校に来た転校生のこと知りたい!みたいなワクワクとともに「違い」をシェアできないかと考えてます。
もしくは、「花粉症なんだよね〜」くらい気軽に。
そのためには「障害」という「違い」が多くの人にとって身近になる必要があるのかな…と。

ということで、今回はポップに障害という「違い」を語ってみるチャレンジ!
私自身の障害を気軽にポップにご紹介していきます。

▼▼この記事でできる体験▼▼
・精神障害についてポップに知ることができる!
・グレーゾーンな障害・病気がある人は、自分の「違い」をどう捉えているのか分かる!

目的は自分語りではなくて、上記2つ。
ですので、グレーゾーンの人がもし「自分も障害を因数分解してみたい!」と思ってくださったら、テンプレート化してダウンロードできるようにしてみようかなと思います。
ご希望あればぜひコメントください!

0.そもそもどんな障害があるの?

私が障害をどのように捉えているかを説明する前に、そもそもどんな障害があるか紹介したいと思います。障害の自己紹介的な感じ!
病名が定まってないグレーゾーンな人だから、症状レベルで紹介するよ!

・高校1年生(16歳)で発症

【メインの症状】
・不定期に不随意運動発作が起きる
不随意運動発作とは、本人の意思なく体が動いてしまったり、動かなくなってしまう発作。

・具体的には、腕や足が勝手に動く・脱力する・硬直する…などなど
コツを掴むと硬直してても歩けるし、文字も書ける。脱力は手に負えないので好きじゃない。

・まれに背中やお腹も脱力する

【サブの症状】
・感覚過敏
音や光に敏感になる。一人だけ音にびっくりしてビクゥッてなってたりする。大体発作の予兆。

・頭が上手く働かない
今はないけど、昔は硬貨が見分けられなかったりした。

・精神的不安定
うつっぽかったり、身の回りの物すべてが怖くなったり、いつもより潔癖になったり、人混みにいけなくなったりする。多分発作が長く続くことやアイデンティティの揺らぎへのストレス。

とにかく色々あるので、「今回はコイツが出てきたか~」という感じで付き合ってます。最近よく出てくるのは脱力さん感覚過敏さんですね。

次からは、これら障害をどんな風に捉えているのか、ざっくり説明するよ!

1.「分からなさ」を残したままにしている

私の障害は「これ!」と一つの言葉では言い表せません。
下記のような理由があるからです。

・原因が不明
・症状がたくさんある、時間とともに変わる(年単位ではあるけれども)
・身体的症状と精神的症状どちらもあるし、どちらも程度が軽い

【原因が不明】
もちろん原因究明はずっとやってきたのですが、2年前くらいに「原因を探るのはここでおしまい!」と決めてから、原因にはあまりこだわらないようにしています。

お医者さんによって見立ても違うし、原因を知ることは「治す」ことにこだわることだと思ってやめました。

治すことにこだわるよりも、このままで生きていく方法を模索するほうに労力や時間を割いた方がよっぽど有意義だと気づいたのです。
こう思えるようになったのは、心から信頼できるお医者さんとの出会いがあるのですが、それはまた別の機会に…。

【症状がたくさんある、時間とともに変わる】
椎名林檎さんって、曲のMVや時代とともにガラッと印象変わるじゃないですか。でも、林檎さんは林檎さんだから、その変化ごと好きッッ!!ってなりますよね。
もちろんベスト推し林檎さんを決めるのもありなんだけど、私は林檎さんの変化も含めてファンだから、ベスト推し林檎さんは決めない…そういう感じです。(伝わる?)

【身体的症状と精神的症状どちらもある】
0.そもそもどんな障害があるの?で紹介したとおり、障害の内容が身体的なものだったり、精神的なものだったりします。
身体的なものがメインではあるんだけれど、不定期なので身体障害手帳は取れないんですよね。なので精神障害枠で障害者手帳は取っています。
これはしょうがないんだけど、結構アイデンティティの揺らぎに繋がるので、どうしたもんかな~と頭を抱えることも…。
アイデンティティの話は最後にしますね。

次からは捉え方を紹介していくよ~
なお、捉え方を紹介するにあたって下記のようにまとめています。

・捉え方のタイトル
・概要
・【+】そう捉える理由
・【-】確定しない理由
・思うこと

2.捉え方①HPVワクチン副反応

ニュースでご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
「子宮頸がんワクチン副反応」です。
「うわっ出たよ!」と忌避感を抱いたあなた、ちょっと待って!
副反応当事者だからといって、私はアンチワクチンではないです。
ワクチンに副反応ゼロは有り得ないので、必ず誰かに副反応が起こります。
それはその人が持つ体質が原因だったりするわけで、ワクチン自体が悪ではないです。重篤な副反応が起きる確率もめちゃくちゃ低いし。
たまたま私が副反応を起こしやすい体質で、副反応が出る人に当たってしまったというだけなので、「当たっちまったか~」という気持ちで、体質に問題がなければ打ってもいいんじゃないですか、と思ってます。
公衆衛生という面ではワクチンは必要なツールですし。
いやん、真面目になっちゃった★
話が逸れましたが、捉え方の説明に戻ります。

▼【+】こう捉える理由▼
・ワクチン接種時期と発症時期が重なる
・他の副反応の方の症状と類似している
・外的なものが理由なので、「しゃあないか~」と割り切れる

▼【-】確定しない理由▼

・ネガティブな情報が多い(ネットで検索、ダメ、ゼッタイ)
・政治的なテーマ(色眼鏡で見られるシーンもある)
・被害者意識が生まれやすい(ワクチンのせいで!クソ!と投げやりになってしまうのは精神衛生上良くない。加害者を作ることで負の感情が生まれてしまう)

▼思うこと▼
めちゃくちゃ低確率なのに、副反応にあたる数字的な奇跡に感動だよ…。
あと誰かを確実に傷つけようとする意見がネットにはあるんだということを学んだよ…。

真面目な話、「なんで急に?」という疑問には一番しっくりくるのと、ワクチンの捉え方も影響して被害者意識は今は全く持ってないので「しゃあないか~」と割り切るためにも私にとっては必要不可欠な捉え方です。

と同時に、本当にそうかどうか研究者によって意見が分かれるし、政治的なもろもろに巻き込まれたくはないし、明言するTPOは選んでます。
(まあブログで書いてたら全世界に明言してるようなもんなんだけどね!テヘペロ★)

★コミュニティやデータベースがあまりないので、それは欲しいなと思ってます!

★暗い印象が強く発信されているので、こういうおちゃらけ当事者もいるよ~というの知ってほしいです。


3.捉え方②身体表現性障害

身体表現性障害は精神障害のひとつです。現在は「身体症状症」というみたいです。
(知らなかった!上から読んでも下から読んでも同じ…じゃなかった。)

身体症状症は患者さんの自覚症状に見合う身体的異常や検査結果がないにもかかわらず、痛みや吐き気、しびれなど多くの身体的な症状が長い期間にわたって続く病気です。患者さんの中には、体に力が入らくなったり、けいれん発作のような症状が出現したりすることもあります。症状は体のさまざまな場所に生じ、しばしば変化します。
(KOMPAS 慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイトより)

要は、検査をしても体に異常は見つからないんだけど、身体的な症状があるという障害です!
私は脱力や硬直、勝手に体が動く、食事中に意識が遠のく…などなどの症状があります。
正式に主治医から診断されていて、障害者手帳もこの病名で取得しています。

▼【+】こう捉える理由▼
・(主治医の先生曰く)ちょっと違う部分もあるけれど、症状的に大方当てはまる
・原因が分からない理由にも当てはまる
・制度的救済の対象になっている
・アイデンティティ的にもしっくりくる

▼【-】確定しない理由▼

・治療がバッチリ合わないので手探り
・制度的に精神障害の分類だけど、身体症状がある
(身体障害の制度は使えないが、使いたい時がある)

▼思うこと▼
人の心ってすごいよね、心がしんどいと勝手に体が動いたり動かなくなったりするんだぜ…。

まあ、これなんだろうな~というしっくり感。
というか、これなんだろうなと思わないと原因探しの旅に出てしまうので、
これで自分の中では決着がついている。
きっかけは「HPVワクチン副反応」かもしれないけれど、今は「身体表現性障害」という感じ。
「治すものではなくて、付き合っていくもの」と思えるので、アイデンティティも揺らがず◎
ただ、精神障害だけど身体症状があるという点で、制度的に救済されているようでされていないので、そこはぴえん涙という気持ち…。

★精神障害だけど身体症状がある場合の制度的救済欲しい…

★元気な時と元気じゃない時の高低差すごすぎて耳キーンなるから、進路決めづらい

4.捉え方③てんかん

これも精神障害のひとつ。
ワタクシ小学生~高校生の時はてんかんでした~。
水泳の授業出られなかった年もあって悲しみでした…。
てんかんといえば、ポ〇モンショック事件とか有名だよね。
私もドラッグストアの蛍光灯ピカピカするのすごく苦手だし怖い。

てんかんは、てんかん発作を繰り返す脳の慢性の病気です。てんかん発作とは、意識の消失やけいれん、感覚異常、自律神経症状などが突然に起こり、短時間に回復するものです。
(KOMPAS 慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイトより)

▼【+】こう捉える理由▼
・小さいころ確実に「てんかん」だった
・情報・コミュニティがある

▼【-】確定しない理由▼
・今はてんかんではない
・治療が応用できるものもあれば、合わないものもある
・当事者としてコミュニティに入っていいか迷う

▼思うこと▼
てんかんの漢字は書けないよ。
(正解は癲癇)

情報がね、もうわんさかあるんですよ。ネットも本も。
コミュニティもしっかりあるんですよ。
だから「みんなどうやって働いてるのかな~?」「恋愛とか結婚どうしてるんかな~」「車の免許取る?」とか疑問に思ったときは、てんかんの事例を参考にしています。
発作の予防法とかも参考にしています。(予兆が似ているから)

情報集めをする際は「#てんかん」のハッシュタグを使っているという感じです。

5.まとめ

ここまで、私の障害を3つの捉え方に分けてご紹介しました。
これらすべてが合わさって「わたし」!!
そもそもなぜ障害名をひとつに絞らずにいるかというと、「要素」として因数分解することにメリットがあると思っているからです。
メリットは主に2つ。

①グレーゾーンの私でも言語化できる
どの病気にも微妙に当てはまらない。でも確実に困りごとはある。
というグレーゾーンの私でも、要素レベルで体や心の違いを捉えると、言語化ができます。
言語化できるとどんないいことがあるかというと、人に自分の「違い」を説明しやすくなり、必要な配慮もお願いしやすくなります。


②障害がアイデンティティにならない
障害名や病名って何のためにつくられたと思いますか?
私は医療的・制度的に分類して、その人に合った治療や配慮をしやすいようにするためにあると考えています。
あとは当事者が説明しやすいように。
(私○○なんだよね。あ~あれね!ってすぐ伝わるように)

つまり障害名や病名は便宜上のラベリングでしかなく、「わたし」のいち要素です。

障害を因数分解することで、要素レベルで自分の困りごとを理解することができるので、「わたしのいち要素」として捉えられます。

★ラベリングに自分が使われてしまうのではなく、自分が生きやすいようにラベリングを使う!それが大事です。
(まあ私も「精神障害者」っていうアイデンティティがないわけじゃないんですが、それが自分を表す全てとは思ってないよ~ということ)

詳しくは下の図のようなイメージ。(図の下に代替テキストあります)

210222_図1

(ここから代替テキスト)
不随意運動・感覚過敏・認知機能の低下・精神的不安のような「ほかの人と心や体が違う」という状態を、要素レベルに因数分解します。私の場合は「HPVワクチン副反応」「身体表現性障害(身体症状症)」「てんかん」の3要素に因数分解できます。こんなふうに因数分解することによるメリットは主に2つあります。①言語化できる。つまり人に説明しやすい、配慮を求めやすいということ。②障害イコールアイデンティティになりにくい。つまり障害は私の中のいち要素と捉えられる。これらの内容が矢印などで図解してあります。

私は障害名や病名がバチッと定まらずグレーゾーンにいるので、特にこういったポイントを意識して、障害を因数分解しカスタマイズする必要がありました。
これに9年もかかってしまいましたが、もっと早くに気づけたら生きやすかったかな~と感じています。

また、こんなふうに要素レベルで「違い」をシェアすることで、もっと自由に自分の「違い」を人に話せるようになるのかなと思います。

そうすることで、「違い」があっても暮らすためにはどんな工夫が必要か(つまりバリアフリーの方法)をみんなで試行錯誤したり、
自分の周りの人も「違い」をシェアしやすくなるのではと考えています。

う~ん、最後は真面目になっちゃったかな…。
ポップに「違い」を楽しんでいただけていると嬉しいです!
そして、自分の要素の因数分解にも興味を持ってもらえるといいな!

・私の障害についてもっと聞いてみたい(硬直したときどんなふうに歩いてるの?とか)
・ここは違うと思う
・因数分解わしもしてみたい~
などなどお気軽にコメントくださいませ~



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