見出し画像

書店ができること

定年したらやってみたいことの1つに、本屋さんの開業がある.

町の書店はどんどん閉鎖していて、本屋がない地域もたくさんあるのに、なぜそんな衰退産業を?と思われるかもしれないが、まだまだ本屋にはできることがあると感じている.昨日も娘と一緒に本屋(都心にあるかなり大きめの本屋)へ行ったのだが、残念に感じることも多かった.やるべきことをやれば、まだまだ本屋には可能性が起こっていると思うのだ.そこで本屋ができること・自分が本屋を開くならやってみたいことを書いていきたい.

1)ゾーニング
 町の本屋が潰れる一番の理由は、実はこれなんじゃないかと思っている.見たくもない本が目に入ってきてしまうのだ.

 ゾーニングが必要だと感じるのは、特に漫画だ.娘は『推しの子』の最新刊を買いたくて本屋に行ったのだが、その売り場まで行くのに、不自然に胸が大きくてなぜか露出が多い女の子が表紙になっている漫画が並ぶ棚を通らなければならない.娘を持つ父親としては、あれはなんとかしてほしいと思うし、こんなことならAmazonで注文しようかってなるのも当然だろう.自分は本屋が好きだから行くけれども、特別こだわりがなければパパがネット注文で本を買った方が安心だ.本屋に行かない理由を作ってしまっているのだ.

 断っておくが、別にそういうセクシーな漫画(と言うのか?)を否定はしない.好きな人は読めばいいと思うし、好きな人向けに売ること自体は問題ない.実際、これだけの少子化が進んだ日本では、子供向けの本を売っても大して儲からないんだろう.

 ただ、それにしてもスペースを区切るなり動線を考えるなりしてほしいのだ.『なかよし』や『ちゃお』を買うのにもセクシー系の漫画の棚を通らなければならない現状は流石にやめてほしい.

 本屋を変えればいいじゃないかと言われるかもしれないが、これはどこも同じだ.昨日行った本屋は超がつくほどの有名なところだし、街の小さな本屋でも、漫画の場合、同じ状態だったりする.

 児童書の専門店や絵本だけを売っている本屋もあるが、そう言う極端なものである必要もない.ただちょっとだけ店のレイアウトを工夫してほしいし、それをすればまだまだ本屋に足を運ぼうと言う人は多いと思うのだ.

2)Amazon GOみたいなやつ
 本屋を開業したいと考えた時にネックになるのが万引き対策だ.万引きは捕まえて警察に突き出すのは面倒だし、全く儲からない.対策するものウンザリである.

 そこでAmazon Goのような無人レジ店舗ってどうなったんだろう?そういえば全然聞かないなあ、と思って調べてみると、アメリカでも閉鎖に追い込まれる店舗が続出するなど、なかなか苦戦しているみたい.アメリカで無理ならキャッシュレスが進んでいない日本ではもっと厳しいのだろう.

 でも書籍のように規格がほぼ同じものなら、無人レジとは相性が良さそうなんだけどどうなんだろうか.書籍はバーコードの位置を店側が選べないから、技術的に難しいのかな.

 Amazonがやらないのは単に本を売っているだけでは割に合わないと考えているだけで、ある程度稼げればいいと割り切れれば、人件費を抑えられる分、書店でもいけると思うんだけどなあ.

 そしてAmazon GOの本屋なら、購入記録が簡単にチェックできるようになるので、すごい便利になると思う.ジュンク堂のhontoがその機能を持っていたのにやめてしまった.なぜやめたのか知らないけど、あれは本当に愚かな判断だった.こんなことなら、ネット書店で買った方がずっと記録が残るので、そっちに流れるに決まっているじゃないか.

 と言うわけで無人レジ店舗の本屋なら、まだまだ生き残る可能性は十分になると思う。これは定年したらやってみたい.


ここまで2つ取り上げたが、他にも書店にはできることがまだまだたくさんある.本屋好きとしては街の本屋に生き残ってほしいと思うし、いずれ自分も開業したいと考えている.その時のためにも書店文化が発展してくれることを願うばかりである.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?