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社会人4年目が母に眉剃りをプレゼントした話

3月に母の誕生日があり、少し遅れたが4月1日にプレゼントをした。社会人4年目になって長い間勤め上げることのすごさを感じ、育ててもらったことに感謝をしようと思った。

なぜ「眉剃り」と「顔面マッサージ」なのか。それは母に女性特有の楽しさと言われる「化粧」をする後押しをしたかったからだ。

母は定年退職をして数年が経っている。小学校教諭として勤め上げ、いまだに小学校で子供と触れ合っている。小学校の女性の先生を思い出してほしい。化粧気のない先生はいなかっただろうか?

私の母は冠婚葬祭以外で化粧をしないタイプの女性だった。その習慣は私にも引き継がれている。そんな私が唯一顔面でいじるのが好きなのが眉毛だった。高校時代にほぼ全部抜き、眉毛の尊さを知ったタイプだ。

そんな私に母が何度か言ってきたことがある。

「綺麗に眉整えるね〜。お母さんのもやってみてよ」

無理だ……自分の眉毛だから無くしてもいいけど、親の大事な眉毛を手にかけることなんてできない……私は断った。

そして最近ふと思った。母は「化粧」に対してある種のコンプレックスを持っていたのではないだろうか。私に眉の処理を冗談交じりに頼んだのは踏み出してみたいと思った可能性があるのではないだろうか。

そしてちょうど誕生日が近かったので、これはもうプロに頼んで綺麗にしてもらおうと画策した。

結果はめっちゃ喜んでもらえた。私が高校生のときだから、10年越しでやっと眉を整えられた喜びもあるかもしれない。

母が本当に「化粧」にコンプレックスを持っていたか、綺麗になりたかったのかはわからない。化粧についても今も特にしていないので単純に顔の目立つとこにある眉毛をどうにかしたかっただけかもしれない。

今回のことで一つ気づいたことは、母は女性であり、社会人であり、お嫁さんであり、おばあちゃんであり、誰かの友人であり、他にもたくさんの顔を持っていることだ。

母が好きな自分の属性をいつでも選べるように、母だから「こうあるべき」を少しずつでも壊して行きたい。それが私にできる親孝行だと感じている。

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