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【大人の発達障害】グレーゾーンの人の就職・働き方について 〜まずは自己理解を深めるところから始めよう〜

どうもこんにちは、若葉です。
今回のテーマは大人の発達障害についてですね。YouTubeでも同じ話をしていますので、どちらか好きな方で最後までお付き合いいただけると嬉しいです(^^)

リスナーさんから発達障害のグレーゾーンの就職について話聞きたいっていただいたので、ちょっとお話ししてみようかなと思います。

私実は、勤務先で発達障害の方向けのデイケアっていう自立に向けたトレーニングする居場所を企画、運営したことがあります。自分で立ち上げて、リーダーとして回してました。

もともとうちの勤務先は発達に力を入れてるので、ここ数年で発達の患者さんがめちゃくちゃ増えたんですよね。なのでかなりの数の患者さんに関わらせてもらってました(※ただいま育休中)。

なのでいろいろ興味深い話ができると嬉しいなーと思います。

最後のページに自己理解を深めるための、自己分析シートを添付しています。
ぜひダウンロード、印刷して使っていただき、自分のことを知る良い機会になると嬉しいです。

ASDとADHDって聞いたことある?

ちなみに大人の発達障害って聞いたことありますか?
最近だと知ってる人の方が多いくらい発達障害ってワードが有名になりましたね。


そもそも発達障害は、障害って書くと「うーん」っていう感じなんですけど『特性』だと思ってもらった方が良いと思います。

  • コミュニケーションが苦手

  • こだわりが強い

  • 今日のあるものが独特

  • 手先がとても不器用

  • 集中力がまったくない

  • 忘れ物やなくしものが多い

  • 遅刻が多い など

こういう特性がある場合に、発達障害って診断が下りることが多いです。

ASDやADHDとかって聞いたことありませんか?

ASDは自閉スペクトラム症で、コミュニケーションが苦手だったり、興味のあるものが独特だったり、めちゃくちゃ不器用だったりする方はASDの可能性が高いです。
ADHDは注意欠陥多動性障害で、集中力が全然なかったり、忘れ物や無くしものが多かったり、遅刻が多かったりすると、ADHDの可能性が高いです。

大人の発達障害は、後天性……いわゆる後から発症すると思われてる方もいると思うんですけど、これはちょっと違います。
発達の特性は生まれつきです。皆さんから話を聞いていると、特に小さい頃とかよく症状が出ていますね。

ADHDが分かりやすいでしょうか。しょっちゅう忘れ物してたり、授業中教室とか廊下走り回ったり、落ち着きなくてずっと動いてたりとかしてるとADHDの可能性がありますね。

ちなみに診断をするときは、うちのクリニックだとまず初診1時間で話を聞いて、その後心理検査を受けてもらいます。
知能検査とか発達検査とかいろいろあって、うちでは5〜6種類くらい受けてもらってるんですけど、その心理検査の結果と生活歴を踏まえて先生が診断をしてます。

みんな発達の特性を持っている

正直、我々みんな全員、発達の特性はあります。
誰でもあります。

さっきの発達の特性を思い出してみてください。
コミュニケーションが苦手って、得意な方いますか? コミュニケーションなんてみんな苦手ですよね。

私も得意そうって言われるけど実は結構苦手です。リアル対面したら「あっ」「あっ」てかなり言っちゃうタイプですし、学生時代もターゲットにされやすい人だったので、小・中・高校とずっといじめられていました。なので友達もいませんでしたし、空気読めない発言とか過去にたくさんしてきました。

あと興味があるものが独特…。これは例えば、「景色きれいだね〜」と話をしている中、突然「今通った電車だけど〇〇年式の〇〇系で、〇〇が〇〇で……」と、周りのみんなと見ているもの、視点が違う、というのがよく言われます。
ですが、好きなものってみんなバラバラですよね。世の中には誰かの興味を引くものに溢れてるし、好みも感性もその人次第なので、一般的に好かれるものと違うものに夢中になることなんて日常的によくあることかなと思います。

めちゃくちゃ不器用なのが特性っていっても、じゃあ不器用な人みんな発達障害っていうことになってしまいますよね。

私はどちらかといえばADHDの特性が強く、やかんに火つけっぱなしで忘れちゃう(これはやばい…)とか、ものをどっかに置くと「あれ?どこやったっけ?」って毎回探したり、「あれ後でやろう」と思っても視界から消えるともう忘れます。
いや〜なかなかですよね(笑) これがADHDの特性です。でも皆さん結構共感いただけることもあるんじゃないかと思います(やかんはさておき)。

つまり、発達の特性自体が問題ではなく、おのおの持ってるその発達の特性が、表立ってしまって、それにより本人さんが困ってしまうのが問題なんですよね。

周りの人を思い返してみてください。変な人いませんか…?
やたらこだわり強い人とか、やりとりしずらい人とか、すごく仕事しづらい人。
こういう人たちは、自分たちが困っていないので、自分のそういう特性にまったく気づいていない人たちです。なので周りがいくら困ろうと、フォーカスの当て方が他の人と違っていますので基本的に気付きません。

そんな中、仕事や生活で困りごとが出てきて、どうにかしたいと思った人たちが精神科に来てくれます。

例えば強いこだわりのせいで仕事がうまくいかなくなって、上司に怒られっぱなしで精神的にしんどくなって、夜も眠れなくなって、仕事に支障が出ると思って精神科に来てくれるわけです。

こういう人たちは、うつっぽい症状が先に来て受診することが多いんですけど、心理検査をした結果、発達の強い特性が見つかるパターンが多いです。これが二次障害ってやつですね。
根っこの症状が原因で、うつ症状とかいろいろな障害を引き起こしてしまっているパターンのやつです。

そんな中、検査してもそんなに特性が強く出ない方もいます。要は特性はあるけど、診断をつけるほどじゃない… いわゆる『グレーゾーン』と呼ばれる人たちですね。

グレーゾーンの人たちは、ちょっと大変かもしれません。
診断をつけられないということは、主治医との連携を利用条件としているところが多い行政のサービスを受けることも難しくなります。
更に先生からも「それじゃあまたなんかあったら来てね」とまた野に放たれてしまうわけなので、何も変わることないまま元の生活に戻りますので、とても生きづらい人たちになります。

ただ最近だと、生活訓練とかちょこちょこやり始める事業所さんが増えてきましたね。自立に向けてリハビリとかトレーニングをするところで、地域によって施設の特徴も様々だと思いますので、お近くの生活訓練についていろいろ調べてみてください。

自立訓練(生活訓練)では、障害のある方が自立した生活を送れるよう、ライフスキル、人との付き合い方や就職など社会参加について、トレーニングや相談、助言といった支援を提供します。
Kaien 〜自立訓練(生活訓練)とは〜

通院中の方とかだと就労支援が充実してるのでぜひ利用していただきたいですね。
もしサービスを利用したいとなれば、グレーゾーンであっても、サービスを利用できるように主治医もいろいろ考えてくれるはずです。
まずは相談してみてください。

自分に合った仕事を見つけるために自己理解を深めてみよう

もし今仕事してる方で今の仕事がかなりつらいという方は辞めて、転職された方が良いと思います。

みんなそれぞれ発達の特性があるってお話ししたと思いますが、この特性と職場の環境が合ってないと不適合を起こしてしまって、仕事でミスをしたり、精神的に病んだりしてしまうわけなんですね。

なので仕事で具合悪くなってる人は、本人さんは全然悪くありません。
1番悪いのはその職場の環境です。なので体調のことを考えた時にとるべき1番の行動は転職になります。

そのための準備として、まず自分はどういう特性があるんだろうって自己分析をする必要がありますね。

自分の名前、年齢、誕生日、家族構成、乳幼児期のこと、保育園や幼稚園でのこと、小学校、中学校、高校、大学、専門学校、社会人について。人間関係、家族関係、恋人関係。自分の性格、長所、短所。自分で思う発達の特性、これまでうまくいった仕事、苦手だと思った仕事、などなど。細かく細かく分析が必要です。

私が作成した自己分析シートを最後のページに添付して置くので、ダウンロードして使ってみてください。

そうするとちょっとずつ自分のことが見えてくるんですよね。自分を知るって大事です。

仕事でたくさん怒られてたり、人間関係でトラブル多かったりする方っていうのは自分に自信がないから、自分を見ないようにしてしまう方が多いんですけど、逆です。自分を知ることから始めないと、何かを変えることは難しいと思います。

そのためにまず必要なのは自己分析。
自己理解を深めることがこれからの道筋を立てる近道になります。

だいたい分析できたら、どんな仕事だったらいけるだろう、やれるだろうっていうのを書き出します。単純作業だったらいけそうとか、レジは前もやっててうまくできたからレジ打ちならいけそうとか。

この時に、自己愛の強い方とか、現実検討のない方は、自分のレベルを高く見積りがちです。
そのパターンは次の必ず失敗します。こういう人たちは等身大の自分の現実を受け入れられないことが多いので、自分を大きく見せたがるんですけど、そうじゃなくて、ありのままの自分を受け入れて、ありのままの評価をしてください。

こういうことを繰り返すと、だんだん道筋というものが見えてきます。そこで自分に少しでも合った仕事選択ができるようになっていくわけです。

ただ、仕事は探せても入ってみないと分かんないことって多いんですよ。やっと良いところ見つけたのにお局さんがいるようなところだったりね。お局さんって本当にめんどうくさいですからね。

こればっかりは運としかいいようがないのが現状です。仕事内容は合ってても人間関係が最悪であれば、それはそれでまた体調崩しちゃいますもんね。

私もありましたよ。良い先輩がいる病院に就職できたな〜って思ってたんですけど、挨拶してもとあるスタッフさんに無視され続けて、社内連携も出来なかったので、レベルの低い人しかいないレベルの低い職場だと思ってすぐ辞めました。

でもやっぱり生きていくのに必要なお金を生み出すには働くしかないから、患者さんからの相談も仕事に関する相談圧倒的に多いのが現状です。

こういう仕事に就きたいけど、自信ない、どうすればいい?とか。
ずっといじめられてきたから働きたくても怖くて働けない、とか。
仕事したいけどミスばっかりするから、ちゃんと仕事できるか不安とか。

少しずついろんな話を時間かけてして、自分自身のお話たくさんしてもらって、自己理解を深めて、改めて仕事を探したり、少しでも自信もって働けるにはどうしたらいいか一緒に考えたり、ミスしないようにどうやって工夫すればいいか一緒に考えたりしてます。

精神科に通ったら障害者雇用も勧められるし、就労支援の利用も勧めやすいので、そっちを案内することもありますね。

いったんまとめ

とりあえずのまとめなんですけど、グレーゾーンのみんながやることは、まずは自己分析。自分のこと、自分の特性を知るところから始めましょう。

オリジナルの自己分析シートを貼っておきますので、印刷して使ってみてください。


今回は難しいテーマではありました。

基本的にこういう支援というのはケースバイケースです。
自己分析を提案したけど、自己分析が苦手な人だっています。自己分析した結果、どんどん沼にハマってしまって動きにくくなる方もいるんですよね。

もちろん個別の相談も受け付けています!
発達の方向け、グレーゾーンや未治療の方も利用できるおはなしサロンをクローズでやっているので、気軽に相談してきてくださいね。

【無料】自己分析シート

それでは最後に自己分析シートを添付しておきます。
利用されたい方は印刷して使ってみてください。

質問には深く考えるよりも直感で答える方がありのままの回答になって良いこともあります。

また量がたくさんあるので、全部埋められるのが理想なんですけど、まずは書けるところから埋めていくのもOKです。

最後のページに質問を空白にした用紙も用意しました。
自分なりのオリジナル自己分析シートを作成するのにお使いください。

他の人にもすすめていただいてOKです!
ぜひみんなで自己理解を深めましょう!

【注意事項】

  • 自作発言や無断転載はお控えください。

  • 商用で利用したりすることもNGです。

基本情報
病気や健康管理について
学生時代について
人間関係・コミュニケーションについて
仕事について
お金について
夢・その他について
オリジナル自己分析シート

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